「スキンフォード 処刑宣告」映画ネタバレ感想 不死身設定が面白い

映画「スキンフォード 処刑宣告」のあらすじと観た感想を紹介します。

突き抜けた残虐表現やその他ビジュアル的に目を見張る描写がある一方、物語の分かりづらさはマイナスでした。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

不死身の少女とともに犯罪組織との戦いに挑む男を描いたスリラー映画。

犯罪組織からトラックでの荷物輸送の仕事を請け負ったジミーだったがミスをやらかし銃で殺されそうになる。しかし、その場に偶然いた不死身の女性のおかげで銃撃が無効化され命拾いをする。その女性の近くにいれば自分も不死身でいられることを知ったジミーは女性の力を借りながら自分の命を狙う犯罪組織に対抗することになる。

2022年製作/84分/R15+/オーストラリア
原題:Skinford

あらすじ

不死身の女性との出会い

大金を稼ぐため犯罪組織から仕事を請け負ったジミー・スキンフォード。ミスを犯したジミーは黒服の男に連れられひと気のない空き地にやってくる。

そこで自分の遺体用の穴を掘らされ、銃で撃たれてしまう。しかし、撃たれたはずの体には傷ひとつなくピンピンしていた。ジミーは銃を奪い、黒服を撃ち殺した。

ジミーは自分が掘った穴の近くに女性(ゾフィア)が埋められているのを発見する。ゾフィアを助け出したジミーは、先ほど銃で撃たれても死ななかった理由は彼女にあると気づく。不死身であるゾフィアの近くにいる者もまた不死身の状態でいることができるのだ。ジミーは自分とゾフィアを手錠でつなぎ彼女と離れられないようにした。

ジミーが請け負った仕事

ジミーはゾフィアを連れ、在宅治療中の父親に会いに行く。父の容体が途中で悪くなり、看護師に追い出されてしまった。

ジミーはマフィアのボス・ファルコブに呼び出された。数日前、別のマフィアのボス・コヴァックとファルコブはある品物の取引を行うことになったが、届けられたトラックの荷台にはファルコブが買ったものが入っていなかった。そのトラックを運転していたのはジミーだったためこうしてファルコブに荷物について問いただされていたのだった。

ジミーは自分も仕事の代金を受け取っておらず、荷物が何かも知らないと反論する。ファルコブはトラックをできるだけ遠くに行って燃やし、あらためて品物を持ってくるよう命令し、ジミーとゾフィアを解放した。

トラックの中にいたのは・・・

トラックを走らせたジミーは見張りの追跡を巻いた。トラックを停め荷台を開けるとそこには多くの女性たちが乗っていた。そのなかにはジミーの元恋人ジャヤの姿もあった。女性たちは体の中に何かを埋め込まれていた。

ひとりの女性がコヴァックの屋敷に逃げ込み、体に埋められたものを取り除いてほしいと懇願する。

しばらくしてジミーたちは追手に見つかってしまい、女性たちをトラックに乗せ逃走する。

一方、コヴァックは助けを求めた女性にゲームをしようと爆弾の起爆ボタンを押させる。すると、ジミーと一緒にいた女性たちの体が爆発し粉々になってしまう。起爆ボタンを押した女性も同様に爆発した。

コヴァックの屋敷

ジミーとゾフィアのもとに、コヴァックの部下がやってきて屋敷に連れていかれる。

ゾフィアは他の女性たちが捕らえられている牢屋にぶち込まれる。そこは怪しげな医者が女性たちに注射をしたり、顔に焼き印を入れたりしている恐ろしい場所だった。ゾフィアは、医者の首を刃物で掻っ切り、女性たちを外に逃がしてあげた。そして、池にやってきてコヴァックによって溺死させられそうになっていたジミーを救出する。

ゾフィアは自分の年齢が90歳であること、不死身である呪いを解くため他の人にその力を受け渡したいとジミーに話した。

最終決戦

呪いを解く方法を知るヘレンという女性がジミーの父の自宅にいることを知り、早速現地へ向かった。ヘレンに会って話をしていると、コヴァックとファルコブがそれぞれ部下を引き連れ襲撃を始める。ジミーたちは父親とヘレンを連れて外に出て応戦する。そのとき、ジミーの父親がおもむろにコヴァックとファルコブに近づき、ふたりを銃で撃ち殺した。

父がファルコブと知り合いであることに気づいたジミーは父を問いただす。実は、これまでジミーの身に降りかかった危険な出来事はすべて父親が仕組んだ事だった。コヴァックもファルコブも彼の命令で動いていた人間であった。

裏社会でビジネスを行うジミーの父は、家業をジミーに継がせるための試験を行っていたのだった。

ジミーは家業を継ぐことを拒否してゾフィアと共にその場を去っていく。

感想

ファンタジー色強めスリラー

無職の男ジミー・スキンフォードは余命わずかの父親に自立した姿をみせたいと始めた裏社会の仕事のせいで、犯罪組織から命を狙われることになる。偶然出会った不死身の女性と共に犯罪組織に立ち向かうことになるが・・・。

謎多き不死身の女性と偶然出会った男が犯罪組織と戦いを繰り広げるスリラー映画。

現実世界をそのまま描いたリアルな作風というよりデフォルメの利いたファンタジー寄りの作品です。

僕の好みはリアル寄りの方なので、どっぷりハマったわけではありませんが、良いところもあって「そこそこかな・・・」といった感想です。

この映画が売りにしている過激描写に関しては、確かに見ごたえあり!爆弾を体に埋め込まれた女性たちが次々と爆発していくシーンはもちろん、一番良かったのはジミーとゾフィアが乗る車が爆発してそこからふたりが無傷で降りてくる場面。なんというか・・・神々しくてカッケェ!と感動してしまいました。猛スピードの車に轢かれるとか、他人を捕まえるためタックルして一緒に高所から落ちる(でも死なない!)とか、不死身で設定を生かしたショッキングな描写も豊富で、ギョッとするような刺激がたくさん味わえる点もグッドです。

「女性が不死身な理由はなぜ?」「女性と一緒にいる人間も不死身になる理由は?」といった疑問のおかげで、先を知りたいストーリーになってもいました。

犯罪組織のボスが10歳ぐらいの少女であるとか、その手下がカラフルな髪色をしているとか、アニメ然としたキャラ設定も悪くないです。

ただ、時系列が過去に戻るスタイルや、登場キャラの要領を得ない発言のせいで全体的に話が分かりづらいのは難点です。観ている間、頭にいくつもクエスチョンマークが浮かびました。まぁ最後まで観ればわかりづらい理由も納得するのですが・・・。

ラストは、気になっていた「女性が不死身の理由」や、犯罪組織がジミーを執拗に追い詰めて来る理由が明かされてすっきり終わった・・・とはいかず、特に不死身である理由に関してはそこまで深く語られずじまいです。実は本作には続編があっておそらくそちらで詳しく語られているのだろうと思われます。

不死身という設定を生かした描写に関しては間違いなく面白いので気になった方はどうぞ!