「ドント・スティール 強盗の果て」映画ネタバレ感想 強盗に入った家で待ち受ける恐怖

映画「ドント・スティール 強盗の果て」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

3人の男女が強盗に入った家で家主に監禁され恐ろしい目に遭うスリラー映画。

ステファノ、アリアンナ、ロベルトの男女3人が老夫婦の家に強盗に入るが逆に家の一室に監禁されてしまう。しかも、夫婦は3人の詳細な個人情報を知っており、彼らを仲たがいさせるような内容まで話を始める。3人は言い争いをはじめ、その結果ひとりが亡くなってしまい・・・。

2022年製作/89分/PG12/イタリア
原題:L’orafo

あらすじ

強盗に入る3人組

幼馴染であるステファノ、アリアンナ、ロベルトの3人はある一軒家に強盗に入る計画を立てる。その家の工房から宝石類を盗み出し、ユーリという男に売り払う予定だった。

3人は老夫婦の住む一軒家に侵入し工房を探すが見つからず、すでに寝ていた夫アントニオと妻ジョヴァンナの老夫婦を叩き起こして工房の場所を問いただす。そして、夫婦に工房まで案内させそこにあった宝石などをバッグに詰めていく。

しばらくして工房の扉が突然閉まり3人はそこに閉じ込められてしまう。

アントニオは工房に仕掛けたカメラで3人の様子を確認しながら、スピーカーで話しかける。アントニオはなぜか3人の個人情報を詳細に把握しており、彼らを驚かせた。

その話の中には、

「ステファノが抜け駆けして強盗を働き金を独り占めしたことがある」

「酔った勢いでロベルトとアリアンナが不倫をし、子供まで身ごもってしまった」

といった3人が仲たがいするような内容も含まれていた。

自分の恋人と寝たことに腹を立てたステファノは、ロベルトに掴みかかり、最終的に銃でロベルトに殺されてしまう。

しばらくして、街をパトロール中だった巡査が夫婦の家を訪ねてきて監禁がバレてしまう。仕方なくジョヴァンナが巡査を包丁で刺して殺した。

地下へ続く階段を発見する

アリアンナとロベルトは工房から地下へ続く階段を発見する。そこを下りると病院の手術室のような場所にたどり着く。すると、突然そこにガスが充満し始めふたりは意識を失ってしまう。
ふたりはベッドの上で縛られた状態で目を覚ます。アントニオとジョヴァンナはロベルトの目をくりぬき、装飾された義眼を取り付ける。

そのとき家にひとりの男がやってくる。それは夫婦の息子ジュリオだった。実はアリアンナたちに夫婦の家に強盗に入るように持ち込んだのはジュリオであった。「義眼を目に取りつけた人間を作り上げる」という両親の悪趣味な願望を叶えるためにアリアンナたちを家におびき寄せたのだった。

アリアンナの反撃

アリアンナはひそかに手に付けられた手錠を外し反撃の機会をうかがっていた。アントニオがアリアンナに近づいたタイミングで尖った棒をアントニオの目に突き立てる。アントニオは叫び声をあげていたが、やがて動かなくなった。

アリアンナは襲い掛かってきたジュリオを振り払い、逃げ出そうと玄関のドアを開ける。しかし、突然現れたジョヴァンナに注射を刺され意識を失ってしまう。

ジュリオは亡くなった父親の代わりにアリアンナの目を義眼に差し替える手術を行う。

その後ジュリオが家の庭で待つジョヴァンナとアリアンナのもとにお茶を運んでいく姿が映し出される。義眼をつけたアリアンナはジョヴァンナに何か語りかけた後、笑みを浮かべた。

感想

面白くなりそうな要素はあるのに

老夫婦が住む家に侵入し金目の物を盗もうとした3人の男女。しかし、逆に老夫婦によって部屋に監禁され恐ろしい目に遭ってしまう。強盗に入った家の住人に逆襲される・・・という内容で思い出すのはやはり、強盗に入ったらそこに住む盲目の老人がおそろしいほど強くて返り討ちにされる「ドント・ブリーズ」。本作の邦題も思いっきり「ドント・ブリーズ」を意識したものになっています。

夫アントニオと妻ジョヴァンナの老夫婦に監禁された3人の強盗団。夫婦は3人の個人情報やエピソードをベラベラと話し始める。それまで接点もない夫婦がどうしてコチラのことを事細かに把握しているのか?その裏に隠された真実とは?そして、このただならぬ夫婦の恐ろしい正体とは?前半はこのあたりの謎が興味を引き、ぐいぐいと引き込まれていきます。

ただ、強盗団のキャラ付けが薄く感情移入ができず、ヤバイ夫婦に監禁されていることに対して彼らと一緒になってハラハラできません。

また、ヤバイ夫婦の正体が明らかになった後の展開も意外とヤバくないというか、刺激に欠けます。この夫婦、装飾が施された手作りの義眼を人間に取りつけること趣味があります。義眼を取り付ける前に本物の目をくりぬく描写なんかがあるわけですが、くりぬくところを映してくれないのでやはり物足りません。一方、実際に義眼をつけられたビジュアルは心がざわつく気持ち悪さがありとても良かったポイントではあります。

強盗に入った先で逆襲される恐怖感やイカレタ趣味を持つ老夫婦のヤバさが本作のみどころではあると思うのですが、どちらも中途半端になっていて正直あまりオモシロクナイ映画になっていました。