「ロックド・イン 囚われ」映画ネタバレ感想 演者がバツグンに良い

Netflixで配信中の映画「ロックド/イン 囚われ」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

ある屋敷を舞台に、人々の愛憎入り混じる争いを描いたサスペンス映画。

キャサリンという女性が轢き逃げに遭い病院に入院する。閉じ込め症候群に陥ったキャサリンは犯人について証言することができない状況だった。看護師のマッケンジーはキャサリンの付添人であるリナに事情を聞くなかで、恐ろしい事実が発覚して・・・。

2023年製作/96分/イギリス
原題:Locked In
配信:Netflix
配信開始日:2023年11月1日

あらすじ

轢き逃げにあった女性

キャサリンという女性が何者かに車でひき逃げされて病院に入院していた。脳幹に損傷を負ったキャサリンは、意識はあるが体が動かせず意思疎通ができない閉じ込め症候群に陥っていた。

この一件が単なるひき逃げではないことを感じた看護師のマッケンジーは、キャサリンに付き添っていた女性リナに何が起こったのかと問いただした。

複雑な環境で育った少女

リナは、キャサリンと出会った頃から話を始める。

リナは少女のころに母を亡くし、母の友人だったキャサリンに引き取られる。リナはキャサリン、そしてジェイミーという少年とともにある屋敷で暮らし始めた。

このジェイミーという少年は、キャサリンにとって結婚した相手の連れ子であった。そして、ジェイミーとキャサリンの関係はあまりうまくいっていなかった。ジェイミーの父親が亡くなり、遺言通りに屋敷がキャサリンではなくジェイミーに相続されたからというのがその理由だった。

ジェイミーはたびたび発作を起こす病弱な子供だったが、こうした事情からキャサリンからあまり気にかけてもらえなかった。キャサリンのことを尊敬していたリナは、彼女の手を煩わせないよう必死にジェイミーの世話を続けた。

リナとジェイミーが結婚する

やがて、大人になったリナとジェイミーは結婚。キャサリンはリナが金目的で結婚したと冷たい態度をとるようになる。

ジェイミーの世話に追われるリナは、このまま外の世界を知らずに一生を終えることに悩んでいた。やがて、リナはジェイミーのかかりつけ医であるローレンスと恋愛関係になる。

その後、ローレンスはジェイミーを湖での事故に見せかけ殺してしまう。

ジェイミーが亡くなり屋敷の所有者となったリナに対し、ローレンスは屋敷を売ることを提案する。リナはローレンスが自分のことを好きだったのではなく、単に金目当てであると気づいた。さらに、ローレンスとキャサリンが実は男女の関係だったことを知ったリナは家を飛び出した。

ローレンスとキャサリンは逃げるリナを追いかけてくる。

リナを殺そうとするローレンスをキャサリンは止めた。その結果、キャサリンはローレンスに車で轢かれてしまい病院に入院することになってしまう。これがキャサリンひき逃げ事件の真相だった。

キャサリンの病状が回復した

話は現代に戻る。

病院に入院していたキャサリンはマッケンジーの献身的な看病の結果、次第に自分の意思を伝えられるようになっていた。

ジェイミーを手にかけキャサリンも殺しかけたローレンスと、ジェイミーの死に結果的に加担してしまったリナ。事件の発覚を恐れたふたりは、キャサリンを病院から屋敷に連れて帰った。そして、薬を投与して脳卒中で亡くなったと見せかけることにした。

リナは、キャサリンが自分を助けようとした結果、ローレンスに殺されかけたことをマッケンジーからのメッセージで知る。リナは、キャサリンに薬を投与しようとしていたローレンスの胸にナイフを突き立て殺した。

感想

キャスティングが超良い!

豪邸所有権の奪い合いを恋愛、裏切り、殺しといった要素を交えて描く、メロドラマ・犯罪サスペンスです。あとから振り返ればよくある内容ではあるのですが、結構楽しく観れる一作でした。

その理由は、なんといってもキャスティングの良さ。自分の人生を悲観するリサ役のうつろな目、いかにも意地悪そうなキャサリン役の利他的行動、そして、登場した時からうさん臭くいけ好かないローレンス役の印象そのままのくそ野郎っぷり。登場人物が皆ハマっていて魅力があるので彼らの物語を最後まで観たいという気持ちにさせられます。

特にローレンス役のアレックス・ハッセルさんがサイコーでした。リナと徐々に距離を詰めていくイヤらしさからすでに嫌な予感はしていましたが、最後までとんでもないクソ野郎でした。

そしてキャサリン役のファムケ・ヤンセンさん。その風貌は利己的で冷徹なクソ女という感じですが、長年共に暮らしてきたリナに対する捨てきれない愛情をうまく演技で表現していて、記号的でない厚みのあるキャラになっていました。本作が描くのは、ある一人の人物をいとおしく感じたり同時に憎しんだりという人間の感情の複雑さであり、ヤンセンさんはまさにそういう人物を体現しています。

よくある展開の映画ではあるのですが、キャスティングがよくて最後までしっかりと楽しめました。結構おすすめです。