「エージェントゼロ 漆黒の暗殺者」映画ネタバレ感想 渋いテイストがグッド


映画「エージェントゼロ 漆黒の暗殺者」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

※「アサシン・ハント」、「アサシン・ハント エージェントゼロ」など複数の邦題がありますが、すべて同じ作品です。

作品情報

ある殺し屋の男が素性不明のターゲット暗殺に挑むサスペンス映画。

凄腕の殺し屋ゼロは、ボスから顔も名前もわからない人物の暗殺を任される。ターゲットがいるとされる食堂に赴き、食事客の中からその人物を特定しようとするが・・・。

2021年製作/110分/G/アメリカ
原題:The Virtuoso

あらすじ

素性不明の人物を暗殺するミッション

山奥の小屋で野良犬の世話しながらひっそりと暮らす殺し屋のゼロ。ある日、ボスのザ・メンターから急ぎの依頼を受け、計画を練る間もなく暗殺を実行。たまたまそこに居合わせた女性を巻き込み死なせてしまう。この出来事がその後もゼロを苦しめることになる。

後日、ゼロはザ・メンターから新たな依頼を受ける。このとき知らされたのは場所と時刻、そしてホワイトリバーズという謎の言葉だけ。ターゲットの素性は不明であった。

指定の食堂を訪れるとそこには一人で来ている男とカップルらしき男女、そしてウェイトレスの女性がいた。ゼロはふたりの男のどちらかがターゲットだとにらみ、車のナンバーなどから素性を探っていく。

そこへ地元のマイヤーズ副保安官が入店し食事を始める。暗殺はお預けとなり、時間だけが過ぎていく。

怪しい人物を始末していく

やがて、ウェイトレスのデキシーが話しかけてきたためしばらく世間話を交わした。その後、ゼロは食堂から出て、ターゲットが店から出てくるのを待った。店からでてきた一人客の後をつけモーテルに到着。男の部屋に侵入し酒に薬を盛って殺した。しかし、身分証の情報などから彼がターゲットではないことが明らかになる。

ゼロは食堂に戻り、客のいなくなった店内でデキシーと食事をする。その後、モーテルに戻るとデキシーが部屋にやってくる。ゼロはデキシーがターゲットではないかと疑い問い詰めるがデキシーはうろたえるばかりだった。

ゼロはデキシーをベッドで休ませ、もう一方のターゲット候補がいる家に忍び込んで男を殺した。そこへ運悪くマイヤーズ副保安官がパトカーでやってくる。ゼロはマイヤーズのパトカーの中で男性の遺体を発見する。その遺体こそ本物のマイヤーズであり、今生きている方の男は本物を殺した偽物だった。

ターゲットの正体

ゼロは偽物のマイヤーズにホワイトリバーズを知っているかと聞くと、知っていると返ってきた。そこで、偽物を銃で撃って殺した。ゼロは任務を完了しデキシーが待つモーテルへと帰った。ゼロはデキシーと肉体関係を持つが、デキシーが殺し屋であることが判明する。デキシーは自分の正体がバレたことに気づき、ゼロに銃を向ける。

ゼロが始末すべきターゲットは実際のところ存在しなかった。というより、ゼロこそがターゲットであり、デキシーはじめ食堂にいた2人の男や偽のマイヤーズはゼロの殺しを依頼された殺し屋たちだったのだ。もちろんそれを依頼したのはザ・メンターである。ザ・メンターは以前のミッションで巻き添えを出したことに落ち込むゼロに精神的な脆さを感じ始末しておきたかったのだった。

ゼロは自分に銃口を向けるデキシーに対し、犬の世話を頼む。デキシーはゼロを撃ち殺し、彼の山小屋を訪れ犬に餌をやった。

感想

リアル路線の渋い殺し屋映画

プロの殺し屋ゼロが限られた情報からターゲットを特定し暗殺に挑むサスペンス映画です。

暗殺方法、依頼の受け方、プロとしての心構えなど殺し屋業界のアレコレをゼロが心の声で逐一解説してくれるため、“殺し屋の生態”をのぞき見している気持ちになれます。

そして、邦題だけだと安っぽい低予算アクション映画を想像してしまいますが、全然違いました。リアル路線の地味で渋いテイスト(主人公のモノローグ含む)の映画です。

ターゲット探しをする際のゼロの思考も、心の声として観客に伝わるので、自分も一緒に推理している気分になれます。

職業柄、孤独で人と距離を置きがちなゼロがミッション中に出会った女性に気を許すのか?許さないのか?という展開もスリリングな見どころの一つです。もちろんこの女性が物語上重要な役割を担っていて、最後には驚きのどんでん返しが待っています。

これ何の話?

「関係のない人を巻き添えにすることへの罪の意識」がテーマになっている本作ですが、そのわりに主人公はターゲット以外の人間もバリバリ殺していくので、最終的なメッセージがわかりづらいです。モノローグ形式で進む渋い殺し屋映画テイストは好きですが、「結局何の話をしたいのかわからない」点は残念でした。

以上が「エージェントゼロ 漆黒の暗殺者」のレビューでした。

孤独な殺し屋を渋めのタッチで描いた作品が好きな方には結構おすすめです。アクションはあまりないのでその点はご注意ください。