「サイコーで、最高のクリスマス」映画ネタバレ感想 主人公の痛々しい行動が面白い

映画「サイコーで、最高のクリスマス」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

ある女性が嫌々ながら旧友と一緒に過ごすクリスマスまでの数日間を描いたヒューマンドラマ映画。

夫と二人の子供たちと暮らすシャーロットはあることをきっかけに旧友のジャッキー宅でクリスマスまでの数日間を過ごすことになる。ジャッキーやその家族の完璧な人生に引け目を感じながらともに過ごすうちに、彼らの抱える悲しい過去を知ったシャーロットは・・・。

2023年製作/81分/アメリカ
原題:Best. Christmas. Ever!
配信:Netflix

あらすじ

違う家に到着する

クリスマスが間近に迫ったある日、シャーロットのもとに旧友のジャッキーからホリデー・ニュースレターが届く。そこにはジャッキーやその家族の輝かしい功績がつづられていた。それが気に食わなかったシャーロットはニュースレターを捨ててしまう。

シャーロットは姉ステイシー宅でクリスマスを迎えることになり、夫のロビーや二人の子供とともに、ナビを頼りに車で向かった。しかし、到着したのはなんとジャッキーの家だった。シャーロットの息子グラントがいたずらでナビにジャッキーの住所を入力していたのだった。

ジャッキーが苦手だったシャーロットはすぐにその場から去りたいと考えたが夜も遅かったため一晩泊まることになる。さらに、翌朝には大雪が積ったためクリスマスまでの日々をジャッキーの家で過ごすことになった。

夫の浮気を疑う

シャーロットは、ロビーが自分に内緒でジャッキーに送った手紙を見つける。ふたりは大学時代に付き合っていたという過去があり、浮気を疑いはじめるシャーロット。家にひとりになったところで浮気の証拠を探し回っているところへ、ジャッキーたちが帰宅しそれが見つかってしまう。

シャーロットはロビーとジャッキーの浮気を疑っていたことを白状する。すると、ロビーはジャッキーたち含め友人たちにホリデー・ニュースレターを送っていたことをシャーロットに告げた。シャーロットは自分の行為を恥じ、家を去ることをジャッキーに伝える。ジャッキーはそんなシャーロットを許し、クリスマスまで家にいてほしいと言った。

クリスマス当日を迎える

クリスマス当日。シャーロットたちは町の人々が集まる降誕祭に参加することになっていた。

そんななかシャーロットは、外国で人道危機支援をしているジャッキーの息子が、実際のところすでに他界していることを知る。ジャッキーは「気球で世界一周」が夢だった亡き息子のために作った気球でシャーロットと共に夜空を飛ぶ。その途中で、家のそりとトナカイの飾りが気球の梯子に引っかかってしまう。この偶然を利用し、シャーロットはサンタのふりをしてそりに乗り息子のグラントはじめ子供たちにサンタが実在すると確信させ喜ばせた。

シャーロットとジャッキーは気球から降り、降誕祭を楽しんだ。

感想

気まずさが面白い

前半から中盤あたりまでは主人公シャーロットの痛々しい行動が気まずくて面白いです。

シャーロットは夫や子供を連れ姉の家でクリスマスを過ごすはずが、ひょんなことから旧友ジャッキーとその家族の自宅でクリスマスまでの数日間を一緒に過ごすことになります。

ジャッキーやその夫、そして子供たちは充実した人生を送っているのに対し、自分や自分の家族の人生は平凡なため、劣等感や嫉妬心を感じて居心地が悪そうなシャーロット。それだけでなく、夫のロビーが自分に黙ってジャッキーと手紙のやり取りをしていることを知ってしまいます。浮気を疑ったシャーロットはその証拠をつかむべくジャッキーの家を泥棒のように探し回ります。

それがバレた結果、実際には浮気ではなくロビーが家族の近況を定期的にジャッキーに手紙で報告していただけとロビーから知らされます。

自分や家族のことを周りに知られたくないシャーロットに対し、夫のロビーは家族のことを誇りに思って周囲に知らせていたわけです。家族思いなロビーとそうでないシャーロットの対比が残酷で、この時のシャーロットの痛々しさたるや、、、。こうしたシャーロットの独り相撲的な痛々しいシーンはたくさんあり、本作最大の見せ場となっています。映画の気まずいシーンってなぜこんなにも面白いのでしょうか?

「完璧に見える人もまた悲しみを抱えている」とか「特別な意味はなく人は他人に魅力を感じる」といった人生における格言・教訓にハッとさせられるのもこの映画の良いところでした。

先述の通り前半から中盤は結構楽しめたのですが、後半からはそれまでの大人な苦めのテイストからは一変。途端に内容が緩くなり違う映画が始まったかのようです。

この映画の物語を一言でいうと「主人公が視野の狭い考えを改め、より良い人生を歩み始める」話といえますが、だったらもうその話中盤あたりで終わってないか?と思うわけです。後半はもうおまけというか、クリスマスの雰囲気を楽しむためだけにあるといった感じです(クリスマス映画ってそういうものですが)。

後半で一番気になったところをあげると、気球を飛ばしたら偶然サンタのそりが引っかかって、それを見た子供たちがサンタは実在すると信じるという展開がありますが、あまりにも無理やりな演出になっておりがっかりでした。

以上が「サイコーで、最高のクリスマス」のレビューでした。

マイナスな点も書きましたが、ほっこりと温かい気持ちになれる、クリスマスの雰囲気を味わえるという点では観て損はないかと思います。