結末のネタバレがあるのでご注意ください。
作品情報
ある銀行に保管されるお宝を奪還するアドベンチャー映画。
天才大学生のトムは、フランシスドレイクの秘宝を追い求めてきたウォルターからスカウトされ世界一堅牢なスペイン銀行から硬貨を盗み出す計画に参加する。硬貨の保管される金庫について調査を行い、ついに強奪計画の日がやってくる。
2021年製作/118分/G/スペイン・フランス合作
原題:Way Down
あらすじ
お宝のヒントを没収される
フランシスドレイクの財宝の在りかが記された硬貨を沈没船から引き揚げたイギリス人のウォルターとジェームズ。しかし、沈没船がスペイン籍だったことから硬貨の所有権をスペインに奪われてしまう。その保管場所は世界一堅牢であるとされるスペイン銀行の金庫だった。
ウォルターは天才的なアイデアで原油流出事故を解決した大学生トムを仲間に引き入れた。
ウォルターはトムやジェームズのほか、スリ師のロレイン、調達係のシモンといったその道のプロで構成されたチームを結成。そして、スペイン国民がサッカーワールドカップの自国応援で盛り上がる中、作戦が実行される。
銀行を下調べする
トムとクラウスが清掃員として、ロレインが絵画の保険を査定する保険会社の人間としてそれぞれ銀行に侵入。金庫のカギを複製するためのスキャンを済ませたあと金庫の3Dマップデータを手に入れ銀行から逃げ出した。
3Dマップから分かったのは金庫に侵入した者を溺死させる、はかりを使ったトラップが金庫内にあることだった。トムは液体窒素ではかりを凍らせることでトラップを作動させない方法を思いつく。
金庫に潜入する
いよいよ、硬貨を盗み出す日がやってくる。トム、ジェームズ、ロレインが銀行に侵入し金庫の扉の前までやってくる。つづいて、金庫の真下の階で待機していたシモンが液体窒素ではかりを凍らせ、トラップが発動しないようにした。こうして、トム、ジェームズ、ロレインは無事金庫に足を踏み入れ、硬貨を発見する。
しかし、突然ジェームズが裏切り、ロレインに硬貨を渡すように要求。そのうち、凍っていたはかりが溶け始め、トラップが作動したことで3人は金庫に閉じ込められてしまう。さらに、金庫内に大量の水が流れ込んできてどんどん水位が上がっていく。ダイバーでもあるジェームズは硬貨を持って潜水し、金庫から脱出。
トムは、金庫が満水になればはかりがそれを検知し水の流入が止まると気づく。そこでシモンにはかりに液体窒素のタンクを乗せるように指示を出す。シモンが重しを乗せ終わると金庫から水が排水されはじめる。
トムとロレインは銀行の警備隊が駆けつける前に銀行から抜け出し、サッカーの応援に集まった群集の中に紛れて行方をくらませた。
お宝の在りか
後日、ジェームズはスペイン銀行から盗んだ硬貨が偽物だと気づく。実は、ロレインが金庫で本物とすり替え、ジェームズに偽物を渡していたのだった。
トムたち強奪チームが本物の硬貨を調べた結果、フランシス・ドレイクの秘宝はイギリスのイングランド銀行に眠っているとわかった。こうしてチームは、イングランド銀行に潜入することになる。
感想
ケイパー映画×アドベンチャー映画
その道のプロたちで構成された強盗チームが銀行から硬貨を盗むお話。チームによる金品強奪を描いたケイパー映画なだけにとどまらない別のジャンルも混ざった感じのサービス精神旺盛な映画です。銀行に身分を偽り潜入して強奪の下準備をする展開は先述のケイパー映画要素。一方、銀行や金庫のデザインが古代遺跡風だったり、そこで原始的なトラップや謎解きが用意されている…というインディジョーンズ的なアドベンチャー映画要素もあるのが特徴です。本作のコンセプトは「大都会のど真ん中でジャングル奥地にあるような遺跡を冒険しているという不思議な感覚を味わってもらおう」といったあたりでしょうか。
こうしたジャンルの組み合わせ以外にも、潜入がバレるかどうかのハラハラや仲間の裏切り、頭を使った謎解きなどエンタメとしての面白い要素を詰め込んでおりなかなか楽しめる一作です。
ただ、登場キャラがまったく印象に残らない点はマイナスポイント・・・。主人公のトムでさえ好きにも嫌いにもなれない没個性的なキャラになっています。敵側の描きこみも全く足らず、「敵なんだかなんなんだか・・・」といったよくわからない存在になってしまっています。
以上が「ウェイ・ダウン」のレビューでした。
キャラは弱いですが、エンタメとしての面白さはしっかりとありますので是非ご覧になってください。続編がありそうな終わり方をしたので「大都会で古代遺跡冒険」というコンセプトで今後もシリーズ化していくことを期待したいです。
コメント