「オーメン:ザ・ファースト」映画ネタバレ結末感想 怖いシーン解説あり

映画「オーメン・ザ・ファースト」の怖いシーン、あらすじ、観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

ある宗教過激派の恐ろしい陰謀を描いたホラー映画。

オーメンシリーズの最新作で、1976年の「オーメン」に登場する悪魔の子ダミアン誕生の秘密が明らかになる前日譚です。

アメリカ人のマーガレットは修道女になるためローマの孤児院で働くことになった。そこで自分と同じ境遇のカルリータという少女を気にかけていたマーガレットだったが、ある日、ひとりの神父からカルリータに関する恐ろしい話を聞いてしまい・・・。

2024年製作/118分/PG12/アメリカ
原題:The First Omen

ストーリー概要

・アメリカ人のマーガレットが修道女になるためローマにある教会の孤児院で働き始める。

・世間の風潮により権威を失うことを危惧した教会の一派が反キリスト(悪魔)をこの世に生みだそうとしていることが明らかになる。

・教会は悪魔の化身である山犬を人間と交わらせ赤ん坊を生ませていたが、生まれてくるのは女児ばかりで反キリストになれる男児は一人も生まれていなかった。

・マーガレット自身が反キリストの母親候補であることが判明する。

・マーガレットは知らぬ間に山犬との子供を妊娠しており、教会によって帝王切開が行われる。

・男女の双子が生まれ、男児は教会に取り上げられ、マーガレットは女児と共に殺されそうになる。

・マーガレットと女児は同じく山犬の子供である少女に助けられる。

・教会は、男児をあるアメリカ人政治家の養子として育てさせることにする。

怖いシーン紹介

本作の怖いシーンを紹介します。ショッキングな描写が苦手な方は参考にしてみてください。

・パイプで頭削れる
冒頭で神父が建設工事の現場から落下した鉄パイプに頭を削られ亡くなります。

・火をつけて首吊り
ひとりの修道女が孤児院の建物の屋根に立ち、体に火をつけたうえで縄で首をつって亡くなります。

・車で胴体真っ二つ
車に衝突され、壁と車の間に挟まれた男性の胴体が真っ二つになります。

あらすじ

教会の恐ろしい計画に気づいた神父

1971年、イタリアのローマ。教会の懺悔室でハリス神父がブレナン神父に1枚の写真を手渡す。そこには、神父、修道女、そして一人の赤ん坊が映っていた。

ハリス神父いわく、そこに映っている赤ん坊はひとりの敬虔なキリスト教徒の女性と山犬との間にできた子供だという。その子の誕生はある教会の一派が企てる恐ろしい計画の一部であった。

ハリス神父はその少女が預けられた孤児院の名前を伝え教会を去ろうとしたとき、建設作業現場から落下した鉄パイプに頭をえぐられ亡くなってしまう。

ローマにやってきた女性

孤児院育ちのアメリカ人マーガレット・ダイノは、昔なじみのローレンス枢機卿の手引きで、ローマにやってきた。まずは、修道女見習いとしてヴィッツァルデリ孤児院で働き、誓願式後は正式に修道女になる予定だった。

シルヴァ修道院長に孤児院の中を案内してもらっていたマーガレットは、カルリータという少女と出会う。シルヴァ修道院長いわく、カルリータはしばしば暴力をふるうことがあり、他の子たちから避けられている問題児だという。

下宿先に戻ったマーガレットは同じく修道女見習いの女性ルスがルームメイトであることを知る。

ルスは活発な女性であり、夜のローマに繰り出そうとマーガレットを誘う。ふたりはダンスクラブを訪れ、ふたりの男性に話しかけられる。最初は遠慮がちだったマーガレットだったが片割れのパオロと仲良くなり、ダンスを踊って楽しんだ。

翌日、自室で目が覚めたマーガレットは昨夜の出来事を全く覚えていなかった。

相次ぐ不穏な出来事

マーガレットのもとにブレナン神父がやってきて、カルリータについての警告を行う。いずれカルリータの周りで災いが巻き起こるとブレナン神父はいう。そして、カルリータの出生について知りたいから孤児院から出生記録を盗み出してほしいとマーガレットに頼んだ。しかし、マーガレットはそれを拒否した。

マーガレットは孤児院の産科で、出産中の女性の産道から悪魔の手のようなものが出てくるのを目撃して意識を失ってしまう。

さらに、マーガレットやカルリータ、その他の子供たちが集まる中庭で、ひとりの修道女が「あなたのためよ」という言葉を残し、ガソリンで自分に火をつけ屋根から伸びた紐で首をつって亡くなってしまう。

教会の思惑とは?

不可解な出来事が続いたことから、マーガレットは先のブレナン神父の元を訪れる。

ブレナン神父は、マーガレットの属する教会が反キリストを生み出そうとしていることを明かす。彼らは、世俗主義の蔓延や、若者の宗教離れに危機感を持っていた。そこで、反キリストによって大衆を恐怖に陥れ、人々を教会へ回帰させることで権威を保とうとしていたのだった。

シルヴァ修道院長から難癖をつけられ孤児院を追放されたマーガレットは、ダンスクラブで一緒になったパオロと再会する。しかし、パオロはそっけない態度で対応する。その後、パオロは車に轢かれ、胴体が真っ二つに切断されて死んでしまう。

マーガレットの正体

ルスが修道女になるための式が行われる中、マーガレットはカルリータの出生記録を探していた。隠し部屋で複数のファイルを見つけたマーガレットはカルリータを連れて逃げ出そうとするがほかの修道女にみつかり軟禁されてしまう。そこへ、ガブリエル神父がやってきて助け出される。ふたりは孤児院から抜け出し、ブレナン神父の家に逃げ込んだ。

マーガレットが盗み出したファイルからは教会が反キリストを生み出すために山犬と人間を交わらせこれまで10人以上の赤ん坊が生まれたという事実が判明する。その赤ん坊はみな女の子・・・。反キリストは男でなければならないため、教会の計画はまだ終わっていないことを意味していた。

ブレナン神父は思春期を迎えたカルリータが来たる6月6日に反キリストを生むことになると考えていた。しかし、カルリータの「666」のあざは口の中にあり、以前ハリス神父がブレナン神父に手渡した写真の赤ん坊のあざは頭にあった。つまり、反キリストの母親候補はもうひとりいることになる。

ここで、マーガレットはパオロが死ぬ直前「頭を調べろ」とに言っていたことを思い出し、自分の頭をブレナン神父に確認してもらうと「666」のあざがあった。マーガレットもカルリータと同様、山犬の子であり反キリストを産む母親の候補であった。

ここでマーガレットはルスとダンスクラブに出かけた日のことを思い出した。あの日、パオロによって山犬のもとに連れていかれたマーガレットはそこでその山犬と交わらされていたのだ・・・。

6月6日の午前6時近くになっていることに気づいたブレナン神父は、マーガレット、ガブリエル神父とともに車に乗って街を離れることにした。しかし、途中で教会の連中に見つかり、車をぶつけられる。ガブリエル神父は亡くなり、ブレナン神父も意識を失った。

反キリストの誕生

生き延びたマーガレットのお腹は午前6時を目前にして急激に膨らみ破水も始まった。ローレンス枢機卿や、シルヴァ修道院長、その他の修道女たちが見守る中、帝王切開による出産が始まり、男女の双子が生まれる。

マーガレットは赤ん坊を抱かせてほしいと頼み、ローレンス枢機卿が近づいたところで刃物を彼の首に突き立て殺した。そして、男の赤ん坊にも刃物を突き立てようとするが躊躇する間に阻止されてしまう。

シルヴァ修道院長は女の赤ん坊とマーガレットを始末するように指示を出し、孤児院に火がつけられる。カルリータは火が回り始めた建物から母子を助け出した。その際、マーガレットは火に包まれる山犬の姿をみた。

世界を恐怖に陥れる力を持つ悪魔の子を手に入れた教会は、その力がより効率的に世界に広まるようにと、悪魔の子をある人物の養子にすることを決める。ローマ在住のアメリカ人外交官であり大統領とも親交のあるロバート・ソーンだった。悪魔の子と同じ6月6日の朝6時に生まれたロバートの息子を殺し、その正体を知らない彼に悪魔の子を引き取らせる計画だった。

それから数年後、マーガレットはカルリータや自分の娘と山奥の家でひっそりと暮らしていた。そこへ、ブレナン神父がやってきて「教会は君たちが生きていることを知っており、いずれ追ってくる」と言った。マーガレットはここから去るようブレナン神父に伝える。ブレナン神父は去り際に悪魔の子につけられた名前はダミアンだといった。

感想

「オーメン・ザ・ファースト」、公開初日に観てきました!

まずはひとこと、ダミアン誕生の秘密に迫るシリーズ最新作として大満足の一作でした。

悪魔の子ダミアンはどのように生まれたのかについてはシリーズを観た人ならみんな気になるポイントなはずなので、そこを描くいているだけで一定の面白さは味わえます。もちろん、しっかりした社会派なテーマと驚きのツイスト、そして戦慄の恐怖描写のおかげで過去作を観てない人も楽しめる一作でもあります。一作目から観るのもアリですが、本作の方をまずは観て気になったら過去作を鑑賞するというのもおすすめですね。

ジャケガリ君
ジャケガリ君

現在、アマゾンプライムで「オーメン666(一作目のリメイク)」が配信中です。

社会派な部分でいうと、女性に対する性暴力のおぞましさ、男性ばかりが重宝される一方で女性がないがしろにされる風潮への批判といったフェミニズム的視点も盛りこんだストーリーが良いです。教会から虫けらのように扱われたマーガレット、カリルータ、赤ん坊が仲睦まじく暮らすラストには思わず涙が出そうでした。

このラスト、めっちゃ続編みたい!と思わせる魅力があります。マーガレット、カルリータ、そしてダミアンと双子の女児が悪魔の子ダミアンに立ち向かうというストーリーなんてめちゃくちゃワクワクしてきませんか?本作は一応、1976年の一作目に直接つながる終わり方ではありますが、別に新たなルートの物語が始まってもいいわけですし。監督もインタビューで続編の可能性について示唆しているようなのでますます期待したいところです!

話は戻りますが、「権威に固執した組織がとんでもない暴走をするおそろしさ」というテーマも自分が暮らすこの社会と無関係ではない話で、ゾッとする恐ろしさがありました。

そしてなにより、「オーメンといえば」なグロイ事故死シーンが今作でもちゃんと拝めます。しかも序盤にあるパイプ落下で頭えぐれシーンが鳥肌が立つほど素晴らしかった。スローモーションで事故をじらしながら見せつつ、あれ死んでない?と十分タメを作ってからの割れた頭ドン!

・・・最高です。

ジャケガリ君
ジャケガリ君

このグロイシーンに次の場面のさわやかな音楽がカットインする編集まで含めて惚れ惚れしてしまいました。開始数分ですがもうチケット代は元取れたなと本気で思いました。

もう一か所、車に轢かれて胴体が真っ二つに割れるグロイシーンを観て気づきましたが、今回の事故シーンは事故に遭った人間を即死させないという過去シリーズにはない新たな試みがあります。次回作もあるならこのテイストで行ってほしいのと、あと、もう少し事故シーンを増やしてほしいですね。