今回は、映画「オンマ 呪縛」を紹介します。
作品の基本情報
ストーリーの簡単なまとめ
詳細なあらすじ
という順番でご紹介します。
結末のネタバレがあるのでご注意ください。
![](https://jakegarimovie.com/videogamefpo/wp-content/uploads/2024/05/11177200.jpg)
作品情報
かつて母から虐待を経験した女性が母の訃報をきっかけにその亡霊に苦しめられるホラー映画。
監督:アイリス・K・シム
キャスト:
サンドラ・オー
ファイヴェル・スチュワート
ダーモット・マローニー
オデイア・ラッシュ
トム・イー
2022年製作/83分/アメリカ
原題:Umma
ストーリー概要
- 養蜂場を営む女性アマンダのもとに母の遺骨が届けられる
- 母から過去に虐待を受けていたアマンダはその時の記憶がフラッシュバックし、さらに母の亡霊を見るようになる
- 娘クリスが大学進学を希望していることを知ったアマンダはそれに猛反対する
- アマンダは自分がかつての母と同じになっていることに気づく
- 地中に引きずり込まれたアマンダはある部屋で母と対面し決別を宣言する
- アマンダはクリスの大学進学を許し、彼女を送り出した
あらすじ
オンマの遺骨が届けられる
韓国系アメリカ人のアマンダは人里離れた養蜂場で娘のクリスとふたりで暮らしをしていた。
ある日、アマンダのもとに彼女の叔父を名乗る人物がやってくる。
アマンダは、叔父に対し、電気に近づけないからスマホの電源を切るように頼んだ。
叔父は、アマンダの母親(オンマ:韓国語で母親を意味する)が亡くなったことを告げ、アマンダがオンマを見捨てたことを責める。
叔父は、アマンダがオンマの遺骨を放置すれば彼女の怒りが増すと言い、遺骨や私物が入ったスーツケースを置いて帰っていく。
オンマの呪縛
アマンダがスーツケースの中を恐る恐る見ると不気味なお面が入っていた。
その後、アマンダはオンマの亡霊を目撃する。このころから、オンマから虐待を受けた過去がフラッシュバックするようになる。
翌日、アマンダはクリスが大学の願書を持っていることを知り、攻めるような口調で「大学に行きたいの?」とアマンダに聞く。アマンダはそれを否定した。
![ジャケガリ君](https://jakegarimovie.com/videogamefpo/wp-content/uploads/2023/11/jakegarikun.png)
クリスは大学に行きたいという気持ちをアマンダに言い出せないでいるようです。
アマンダは、知り合いのダニーから「クリスに頼まれて大学の願書を渡した」と聞かされる。
クリスは地下室でスーツケースを発見し、中身についてアマンダを問いただす。アマンダは仕方なくそれがオンマの物であると話した。
アマンダは、一緒にボードゲームをするためダニーとその姪リヴァーを家に招く。友達のいないクリスを想っての行動だった。
![ジャケガリ君](https://jakegarimovie.com/videogamefpo/wp-content/uploads/2023/11/jakegarikun.png)
クリスには自分の母や中年男性のダニーを除き友達が一人もおらず、孤独な想いを抱えていました。
オンマに乗っ取られたアマンダ
翌日、クリスは記入済みの願書にイタズラされていることに気づく。母の仕業だと考えたクリスはアマンダを問い詰める。アマンダはオンマがクリスが大学に進学するのを止めるためにやったことだと言った。クリスはアマンダの言い分を信じず、「すぐに家を出ていく」と言い放ち、その場を去っていく。
アマンダは、オンマの遺影と遺骨を庭に乱雑に埋めた。するとオンマはアマンダを襲い、彼女の体を乗っ取ってしまう。
アマンダは帰宅したクリスに対し「供養を始めるわ」と言って、オンマのために用意した祭壇の前で儀式を始める。クリスはアマンダがオンマに乗っ取られていることを悟る。クリスは家から逃げ出すが、すぐにオンマに見つかってしまう。オンマの仮面を取るとアマンダが正気を取り戻した。
オンマとの決別
しかしその直後、アマンダは地中に引っ張られ姿が見えなくなってしまう。アマンダは部屋の一室でオンマと出会い、彼女との決別を宣言した。するとオンマはその場から消えてなくなった。アマンダは地中から這い上がり、無事生還した。
その後、アマンダは庭にオンマの墓を建てる。アマンダとクリスはその墓の前でオンマの供養を行った。
クリスは大学へ進学することになり、アマンダに見送られる中、下宿先に旅立った。
自分の母と同じにならないために
本作では、自分の母と同じような人間にならないようにもがく女性アマンダの姿が描かれます。
アマンダの叔父がオンマの遺骨や私物が入ったスーツケースを置いて帰ってから、アマンダはオンマに関する嫌な記憶を次々と思い出し始めるだけでなく、そこにいるはずのないオンマの姿を目撃するなど不可思議な体験をします。
そんな折、クリスが大学へ進学したいと考えていることを知ったアマンダはそれに反対します。クリスは臆病だから自分の元で暮らすのが一番だ、と娘を自分のもとに束縛しようとします。娘を束縛する行為はまさにオンマがアマンダに対し行った行動と同じです。アマンダはそのことに気づきながらも、クリスを自分のもとに置いておきたい気持ちを抑えられず葛藤します。
本作が教えてくれるのは、
- 親から受けた虐待は子供の心にずっと残り続けること
- その子供はさらにその子供に同じような行動をとってしまうこと
です。
もちろん親子という限定の話ではなく、もっと広く捉えることもできます。「他者から受けた酷い仕打ちがその人の心を傷つけ、また別の誰かを傷つけてしまう話」という風に。
他者に対してもう少し思いやりを持って接したいと思わせてくれる映画でした。