「ヘルウィン」映画感想ネタバレなし(7/10点)一味違ったスラッシャーホラー!

今回は「ヘルウィン」を鑑賞したのでレビューしていきます。

数年にわたってハロウィンの日に殺人を行うマスク姿の殺人鬼とそれを追うFBI捜査官らの戦いを描いたスラッシャーホラー映画です。

「ヘルウィン」のストーリーを結末まで紹介した記事はこちら。

作品情報

監督:パトリック・ルシエ
出演:オマー・エップス、エレン・アデア、クリスティーナ・レイエス、ジェイミー・ケネディ、トム・アトキンス
原題:TRICK
製作年:2019年
製作国:アメリカ
リリース:2021-09-22
上映時間:100分

あらすじ

ハロウィンの日に、ベントンという町でパンプキンマスクをしたトリックと呼ばれる男がナイフで高校生たちを殺す事件が起こる。その後、トリックのゆくえは分からなくなっていたが、翌年、翌々年とハロウィンの日に似たような殺人事件が起こり、トリックの関与が疑われていた。そして、最初の殺人事件から4年後、ベントンに再びトリックが帰ってくる。

感想

毎年、ハロウィンの日に現れては人を殺してまわるトリックと呼ばれる男と、それを追うFBI捜査官デンバー、保安官ジェーンとの戦いを描いたスラッシャーホラー映画。

スラッシャーホラーと紹介しましたが、普通のスラッシャーホラーとはまた違う点がけっこう好きな作品です。マスクをかぶった殺人鬼が人を次々と殺していくという点ではスラッシャーホラーの基本を保ちながら、数年にわたりそれぞれ違った場所で人を殺していき、それをFBI捜査官が追うという構成は猟奇殺人鬼サスペンスっぽさもあり、この独特の作風が新鮮で面白いです。

殺人鬼であるトリックは既存のスラッシャーの殺人鬼と比べると、見た目はスタイリッシュで立ち回りはアクティブで身軽でおしゃれな殺人鬼という感じ。キャラとして印象に残るわけではありませんが、ワイヤーや墓石での首切断など殺し方は見ごたえがありましたし、神出鬼没っぷりはほかの映画の殺人鬼よりも上回っていて、いきなりの登場に何度もびっくりさせられました。

後半でのお化け屋敷シーンはトリックとの戦いも激しさを増し、そこにお化け屋敷の仕掛けのユニークさが加わり非常に見ごたえがありますし、バカな若者が襲われるいわゆる普通のスラッシャーぽさも取り戻し、どんどん盛り上がっていきます。そして、あの衝撃の展開・・・に関してはネタバレになるので後程にして、ちょっと気になったところを。

あまりストーリーが練られていない印象で、主人公が誰なのかイマイチわからず感情も乗せづらいし、デンバーがトリックを超常的存在だと思った理由も納得できないし、デンバー達がお化け屋敷からシェリルのいる病院に行く流れも不自然だし、とあげたらきりがないほど穴だらけです。設定自体は面白いけどストーリー面はちょっとアレな感じで、かなりもったいないと思いました。

※ここからは重要なネタバレを含みます

 

終盤でトリックは一人ではなく、複数の人間で構成されたチームだったことが明らかになります。これはえっ?というなかなかの驚きポイントではないでしょうか?ここでも一般的なスラッシャーホラーとは一味違うアレンジが加わっています。

劇中で「ナイトオブザリビングデッド」が上映されているシーンがあって、なんでスラッシャー映画のなかでゾンビ映画?とそのチョイスが謎でしたが、ゾンビが新たなゾンビを生み出すように、トリックもまた新たなトリックを生みどんどん増殖していくからなんですね。

駐車場のシーンで集合するトリックたちは、崇高な存在っぽさを醸し出しており正直カッコイイと思いましたが、彼らの殺しの動機のわかるようでわからない感じや、メイクの落とし忘れでトリックだとバレる保安官代理など、一瞬だけでもカッコイイと思った自分がバカに見えるぐらいのポンコツぷりもあり、とても惜しいあたりです。もっと殺人鬼像を練り上げていたら、本気でカッコイイスラッシャーホラーの殺人鬼が誕生していたと思うですけどね。

まとめ

一般的なスラッシャー映画とは一味違ったそこそこ楽しめるスラッシャー映画という感じ。

気になる点も多い映画ですが、ちょっと変わった構成のスラッシャー映画の部分に惹かれる方は見ても損はない一作だと思いますよ。

というわけで評価は7/10点としました。