「イントルージョン 侵入」映画感想ネタバレ(7/10点)ホームインベージョンモノかと思いきや

今回は「イントルージョン 侵入」を鑑賞したのでレビューしていきます。

何者かによる自宅への侵入事件から夫への不信感を募らせていく妻の姿を描いたスリラー映画。

「イントルージョン 侵入」のストーリーを結末まで紹介した記事はこちら

作品情報

監督:アダム・サルキー
出演:ローガン・マーシャル=グリーン、フリーダ・ピントロバート・ジョン・バークサラ・ミニッチヘイズ・ハーグローブミーガン・エリザベス・ケリーマーク・シヴァートセン
原題:Intrusion
製作年:2021年
製作国:アメリカ
リリース:2021-9-22
上映時間:93分

あらすじ

荒野の田舎町に引っ越してきてたヘンリー、ミーラ夫婦。その家に3人の男が侵入してきてヘンリーが銃で撃ち殺すという騒動が起きる。侵入してきたと男たちとヘンリーの間に何らかのトラブルがあったことを悟ったミラーはヘンリーの抱える秘密に迫っていく。

感想

見知らぬ男たちに自宅へ侵入された事件をきっかけに妻が夫へ不信感を抱きやがて驚きの真相にたどりつくミステリー・スリラー映画です。

タイトルの「イントルージョン 侵入」をみて侵入者と家主の攻防を描いたホームインベージョン系の映画を想像してしまいますが、冒頭で起こる侵入事件はあくまで妻が夫の抱える秘密に気づくきっかけに過ぎず、妻が夫のダークサイドに迫っていくのがメインのストーリーである点が特徴です。

妻のミーラが夫のヘンリーを怪しんだり、一転、疑惑が晴れて信用したりと彼女の感情が大きく揺さぶられていくさまがスリリングに描かれていています。ヘンリーは無実だったという展開で進んでいく場面では「なら結局侵入者の目的は何だったんだ?」という新たな疑問が生まれ、いよいよ話がどう転がっていくかわからず、観客の感情をも大きく揺さぶってきます。

ただ、この映画はテンポがめちゃくちゃ早いのでそういった新たな謎に凄まじい速さで回答を出し、先の見えないストーリーにモヤモヤする楽しみをすぐに奪い去ってしまうという欠点があります。テンポがいい映画は好感が持てることがほとんどですが、この映画の場合はもう少しじっくりと展開させていくれた方がありがたかったかなぁ・・・。

他にも気になったところとして、ミーラがヘンリーの秘密を探ろうと彼が在宅の時に仕事部屋を物色しているのが不自然で、そういうのは出かけてるときにやれよと思いました。

※ここからは重要なネタバレを含みます。

 

ミーラの予想通り、クリスティーンを拉致したのはヘンリーでした。しかも拉致している場所が自宅の隠し部屋!まぁこのアイデア自体はよく映画にありものなのでそこまで驚きはありませんが、建築デザイナーが自らデザインして作ったと考えるとなんとも恐ろしい・・・。

ヘンリーは心から沸き起こる衝動で、人を監禁し殺害することに喜びを感じるタイプらしいです。彼は、ミーラがガン、不妊症、うつ病を発症したことを体と遺伝子が選んだことで、自分の場合、体と遺伝子が選んだのは人を殺すことだったと説明します、そして、お前(ミーラ)が病気の時は面倒を見たんだから今度はお前がが自分を見捨てず面倒を見るべきだと、ミーラに呼びかけます。正直納得できない考えですが、なかなかぶっ飛んでいて思わずテンションが少し上がりました。

ヘンリーのこねるアレな理屈は面白いのですが、殺人鬼としてのキャラが説明不足で、過去に何人殺してきたのか、どうやって殺すのか、ターゲットの年齢や性別は?といった殺人鬼の実像が見えてこないので、どうも凄みが足りないんですよね。せめて隠し部屋からどういう殺人鬼なのかがもっと見えてきたらいいと思うのですが、ただ小奇麗なだけで面白くないんです。

まとめ

ジャンル映画としてよくまとまった、そこそこの出来のスリラー映画という感じです。

突出した部分が存在するわけではないものの、見始めたら最後まぐいぐい引っ張ってくれるテンションと勢いがあります。

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というわけで評価は7/10点としました。