「ザ・ファーム 恐怖の食物連鎖」映画感想(ネタバレ)人間が家畜のように扱われる人間農場


今回は2020年9月25日にリリースされた「ザ・ファーム 恐怖の食物連鎖」を鑑賞しました。

人間が動物のように扱われ食肉に加工される人間農場が舞台の強烈なホラー映画です。

間延びしているところもありますが、農場の雰囲気が不気味さは必見です。

さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

自然を満喫するために田舎道をドライブしていた夫婦。旅の疲れもあり、地元民に聞いた安宿で一晩過ごすことに。しかし、目覚めると狭い檻の中に閉じ込められていた。そこは、人間を家畜として食材用に処理する人間農場だった

スタッフ・作品情報

監督:ハンス・シュテルンスヴェルト

原題:THE FARM

製作年:2018年

製作国:アメリカ

上映時間:80分

キャスト

ノラ・イェサヤン
アレック・ゲイロード
ケン・ボロック
ロブ・ティスデイル
ジケリー・ミス

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中3.7点(1911件の評価)。

国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中2.3点(11件の評価)。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

男女カップルのアレックとノラは、田舎道をドライブしていました。運転していたアレックが疲れ始めたので、立ち寄ったガソリンスタンドで「このあたりに宿泊できるところはないか」と店員に尋ねます。すると、その店員は「近くに山小屋がある」と教えてくれました。

ふたりは、その山小屋にチェックインして、疲れていたこともあって早々にベッドで寝てしまいます。その後、ふたりは、眠ったまま何者かによってその場から連れ去られ、檻に入れられた状態で目を覚まします。

そこは、牛、豚、ヤギなどのマスクをかぶった人間たちが、どこからか捕えてきた人々を家畜として飼い食肉に加工する人間農場でした。

アレックを含め、檻の中に入れられた男性たちが集められている小屋に、マスクの人間たちがやってきます。男性たちは、次々とハンマーで殴られ、殺されていきます。やがて、アレックの番となり、少し抵抗したものの同じようにハンマーで殴られその場に倒れてしまいます。


ここから重要なネタバレあり


一方、ノラは別の場所に閉じ込められていました。

そこへ、アレックが助けにやってきます。彼はハンマーで殴られていたため足元がおぼつかない状態で、ノラがそれを補助しながらふたりで逃げ出します。

しかし、その途中でアレックがつかまり殺されてしまいます。

ノラは、捕まっていたアシュリーという女性を助け二人で輸送バスに向かいます。輸送バスに乗り込みエンジンをかけますが、そのバスにはすでにマスクの人間たちが待ち構えておりふたりは捕まってしまいます。

その後、ふたりは食卓の上に丸焼きにされた動物のようにリンゴを食べるポーズで並べられます。その後ろにはマスクの人間たちがたたずんでいました。

ここでエンディング。

感想

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

田舎道をドライブしていたカップルが、人間を家畜のように扱い食肉に加工される農場に連れてこられ恐ろしい体験をするホラー映画。ヴィーガニズムの主張を真っ向から肯定した衝撃のホラー作品、と紹介されています。普段は人間の食料になる動物(のマスクをかぶった男女)が、人間を動物のように扱い食肉にする。つまり、動物と人間の立場が逆転した構造を描くことによって、食肉にされる動物たちが普段どんなひどい目にあっているのか、思い知れ!という主張をしているわけですね。

農場の雰囲気が異様で最高

この主張に賛同できるかどうかは置いといて、この人間農場は異様で、その様子を見ているだけで面白いですね。動物マスクの人間たちが感情もないロボットのように淡々と働いていて、当たり前のように人間を殺しているという。そんな彼らは、ゲームに出てくるNPCのようで、彼らが働く農場はさながらオープンワールドゲームに出てくる街に見えてきます。このゲームっぽい不自然な感じが個人的にはツボでもっとこの農場を見ていたいという気分にさせられました。

農場では、次々と不快なシーンが登場します。人間が家畜のように扱われているのはもちろん、女性は、妊娠させられ、搾乳されています。しかも、妊娠ができなくなったら用済みとばかりに殺されてしまいます。生まれたばかりの赤ちゃんは体重をはかられた後、床にたたきつけられて殺されて捨てられてしまいます。ここはかなりショッキングです。体重をはかったのは、体重によっては別の用途に使う場合もあるということでしょうか。しかもこの農場は調理場も備え、人肉や母乳を使った料理を結婚式の料理として提供しているらしい…。

個人的には農場の様子を紹介する一連のシーンはかなり面白かったのですが、尺が長めなので、もしここに興味が持てなかったらこの映画自体かなり退屈に感じられるかもしれません。ほかにも農場で働く男が逃げ出す、なんていう横道にそれるシーンもあるので、80分という上映時間ながらテンポが遅く感じることもありました。


ここから重要なネタバレあり


農場広すぎ?!

終盤で主人公カップルが農場から逃げることになるわけですが、このシーンは緊張感がありそこそこ良いです。敵に見つからないように逃げるサスペンス的ドキドキもある。アレックが罠にかかり、意外にもあっさりとノラは見捨てるところは「まじか?!」と驚いてしまいました。農場が広すぎて逃げても逃げても農場から出てることができないというもどかしさもあるし。最初は、ノラがいくら逃げてもマスクの人間たちが現れて、「ノラ、逃げるの下手か!」とイライラしましたが、農場があまりにも広いと考えるとその怒りも収まります。

ダイナーは農場とグル?

アレックとノラがダイナーに寄ってハンバーガーを食べるシーンがあります。鉄板で焼かれる牛や豚の肉が強調される演出を見ると、ダイナーも農場とグルになって、動物肉を食べた人間をターゲットに選んでいるんじゃないかという気がします。ここで、アレックたちに絡んでくる男がいますが、かれはおそらく農場で豚のマスクとごみ袋をまとったアイツではないでしょうか?

総評

本作のメッセージに同意するかどうかは別として、個人的には農場の不気味さにめちゃくちゃハマってしまい、かなり楽しめました。不快になるシーンや、ゴア描写もあり、そこもよかった。ただ、上映時間が短いのに、それでも退屈に感じるシーンがありました。

ということで、評価は9/10としました。

参考サイト:ゲオ宅配レンタル/IMDB/フィルマークス

コメント

  1. Name *gk より:

    ヴィ―ガニズムなら人肉も食わないのでちがいますかね。逆にヴィーガンを精肉して売る映画ならありますが