「俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー」映画ネタバレ感想 ジョン・シナの魅力が爆発

Amazon Original映画「俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

ある架空の人物を使った嘘によって3人の男たちがピンチに陥るコメディ映画。

ディーン、JT、ウェスの仲良し3人組は重要な用事と遊びの日程が重なった時など、リッキー・スタニッキーという架空の友人をうまく使って、遊びに出かけていた。そんななか、リッキーの存在を怪しんだ周りの人間から、ある行事にリッキーを連れてきてほしいと詰め寄られる事態に。3人はたまたまカジノで出会ったロックハード・ロッドという売れない物まね芸人にリッキーとして行事に参加してもらうことになるが・・・。

2024年製作/114分/アメリカ
原題:Ricky Stanicky

あらすじ

リッキー・スタニッキーの誕生

ハロウィンの日、ディーン、JT、ウェスの少年3人は、お菓子をくれなかった家主に対してのちょっとしたイタズラをしたつもりが思いのほかオオゴトに発展。彼らは、他人がやったように見せかけるため「リッキー・スタニッキー」とジャケットに架空の名前を書いてそれを現場に残し逃走した。その日から、何か悪いことをしでかした時などは実在しないリッキーに罪をかぶせ事なきを得ていた。

ガンが再発したというウソ

そして現在。大人になった3人はいまだに仲が良く、一緒に音楽ライブに行くことになる。JTの妻の出産前のイベントがその音楽ライブとかぶっていたため、リッキーのガンが再発し緊急手術が行われると嘘をついて遠く離れた街を訪れた。

ライブ終了後、3人はカジノのバーで物まね芸人のロックハード・ロッドという男と出会う。ロッドとしばらく世間話をした後、ディーンがスマホに来ていた大量のメッセージに気づく。JTの妻が予定日よりも早く出産しようとしていたのだ。

3人は急いで地元に戻るが赤ちゃんはすでに生まれた後だった。

嘘ではないかと疑われる

JTの義母らにリッキーの存在を疑われ、後日行われる赤ちゃんの割礼(ブリス)の儀式にリッキーを呼ぶように迫られる。

3人は以前カジノで出会ったロッドのことを思い出し、彼にリッキーとしてブリスに参加してもらうことにした。

ブリスに参加したロッドは見事にリッキーを演じきり、疑っていた人々にその存在を信じ込ませることに成功する。

3人はタクシーで帰るロッドを見送り、バーで飲み始める。そこで今後、リッキーを使った嘘を封印することを誓った。

リッキーとの再会

しかしその翌日に問題が起こる。同じ金融会社に勤めるディーンとJTは社長のサマーヘイズに呼び出された。そこで(ロッド演じる)リッキー(以下呼称:リッキー)を雇うことにしたと告げられる。サマーヘイズはブリスの時の、自分に対して物怖じしないリッキーの態度を気に入ったという。

ディーンとJTは出勤してきたリッキーに対し、正体がバレる前に退職しろと迫るが、リッキーは会社にこのまま居座る気であった。さらに厄介なことに、ディーンの妻でTVリポーターのエリンが、リッキーが世界中で行う慈善活動を紹介する番組を担当することになる。

このままではリッキーが実在しない人物であることがバレてしまう。ディーンとJTはリッキーがクビになるように仕向けることにした。

しぶといリッキー

他社との合併が控えるなかで、サマーヘイズは化石のように古臭い自社を変革するアイデアを会議の場で求めた。ディーンはリッキーに意見を聞いてみましょうと無茶ぶりをした。リッキーは、しどろもどろになり、収益を低所得者に寄付しようという的外れな回答を絞りだした。しかし、サマーヘイズはその回答を深読みし彼なりの解釈を加えた結果、リッキーの案を気に入ってしまう。

会議の後、リッキーは自分の権限で新たに雇い入れたウェスとともにディーンとJTのもとにやってくる。そして、他社との合併にあたり、サマーヘイズがスピーチするときのあるしぐさ(※自主規制)に問題があると話し出す。そのしぐさをサマーヘイズに直接指摘するべきかと問うリッキーをディーンとJTは後押しした。

リッキーはクビになるかと思いきや、サマーヘイズは自分の問題点をズバリ指摘した彼をさらに気に入り、重要な仕事を任せるとまで言い出した。

嘘を白状する

ディーンはリッキーとふたりきりになったときに今すぐやめろと詰め寄るが、どん底の人生に戻りたくないという彼にほだされそれ以上何も言うことができなかった。

覚悟を決めエリンに真実を語ろうとするディーンだったが、エリンはすでにリッキーが架空の人物であることを知っていた。ブリスの時にディーンが言ったあるひとことでエリンはリッキーが実在しないことを見抜いたのだった。

ディーン、JT、ウェスは合併する会社との顔合わせパーティに参加する。そこではリッキーの慈善活動を特集した番組を参加者全員で見ることになっていた。リッキー自体存在しないため、取材も行われていないことを知っていたディーンは、参加者の前でリッキーは実在しないことを正直に話した。

リッキーからの恩返し

しかし、放送時間になるとリッキーが登場する番組が始まった。インタビューを受けるリッキーはしがない物まね芸人という自分の素性を明かしたうえで、ディーン、JT、ウェスが自分に人生を変えるチャンスを与えてくれたと、心が温まるエピソードを披露した。

それを見ていたパーティ参加者たちは拍手喝采を送る。合併相手もリッキーの番組にいたく感動したようで、合併が正式に決まった。

ロッドはリッキーを演じている中で出会った女性と婚約し、ディーン、JT、ウェスとも親友のような関係になる。

感想

ジョン・シナがサイコー

遊びたい日と大事な用事が重なったときに、架空の人物リッキー・スタニッキーとの約束があるからと、家族をだまし遊びに出かていたディーン、JT、ウェスの3人。周りからリッキーの存在を怪しまれた彼らは売れない物まね芸人ロックハード・ロッドにリッキー役を依頼。ロッド改めリッキーはバレずに役を演じ切ることができるのか?!

ディーン、JT、ウェスの「最後まで噓を突き通すことができるか?」がストーリーの根幹な本作ですが、一方でロッド側の「どん底の人生から這い上がることができるか?」も注目ポイントです。というかロッドこそ真の主人公で彼の物語こそが本作の面白さです。

ロッド役のジョン・シナがとにかく良いです。プロレスラーであり、映画俳優としても活躍する人物ですが、あれほど爆発的な人気を集めている理由がよくわかります。ゴツイけど、どこかかわいらしくユーモラスでビンビンのカリスマを感じました。ディーンたちからリッキー役のオファーの電話がかかってくるシーンがあります。ロッドが(仕事なんてないのに)予定が空いてるか確認するフリをするのですが、ここでジョン・シナが醸し出す哀愁がたまりません。

ロッドは、JTの息子の割礼儀式にリッキーとして参加することになります。そこで見事な演技をみせつけ、リッキーは本当にいたんだ、とみんなに信じさせます。物まね芸は散々な彼が、演技という天職を見つけたことの高揚感が観ている側にも伝わってきて思わず泣きそうになりました。思わぬチャンスで人生が好転する彼の姿をみると勇気づけられます。

また、完ぺきな演技を見せるロッドですが、疑い深い人物の突っ込んだ質問で追い詰められる場面もあり、そこがめちゃくちゃハラハラするポイントです。一見完璧そうに見えて、ちゃんと隙もあるところに人間味がありとても魅力的なキャラになっていました。

実はロッド役は何度も役者候補が変わっていてジェームズフランコ→ホアキンフェニックス→ジム・キャリー→ニコラス・ケイジときて最終的にジョン・シナに決定したそうです。本作を観終わったいまではジョン・シナしか考えられませ・・・いや、ニコラス・ケイジのロッドも観てみたいな・・・。

ジョン・シナの魅力ばかり語りましたが、コメディ映画なので笑えるかどうかが気になるポイントですよね。下ネタ、単に汚いネタなどが多く、好き嫌い別れそうですが僕はめちゃくちゃ笑えました。

なかでも、アヒルと犬のバトル。ゴルフ場でゴルフボールを卵のように温め続けるアヒルをどかせるため、ディーンが飼い犬を放すも、アヒルにリードを引っ張られ犬が池に引きずり込まれるシーン…。虐待になるので動物に実際に演技させてるわけではないはずですが、あまりにもクオリティが高く本当にアヒルが犬を溺れさせようとしているようにしか見えません。その様子が不謹慎ながら面白すぎて笑いがこらえきれませんでした。

もうひとつは、ディーンとJTの勤める会社の社長が、スピーチをするときにする手振りがあるHIWAIな動きに見え、本人が愕然とするというくだり。言葉にするとまずいので詳細は避けますが、あまりにもしょうもなさ過ぎて、腹筋が吊るほど笑い転げてしまいました。

というわけで「俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー」のレビューでした。どん底の人生から這い上がる男のグッとくる物語と、しょうもなさすぎて笑えるユーモアがあり、最終的には温かい気持ちになれるコメディ映画でした。アマゾンプライムで配信中なのでぜひご覧ください。