「マン・フロム・トロント」映画ネタバレ感想 巻き込まれ型映画の良作

Netflixで配信中の映画「マン・フロム・トロント」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

ある男がひょんなことから殺し屋と間違えられ、とんでもない事態に巻き込まれるアクションコメディ映画。

テディは、妻の誕生日を山小屋で祝うことにした。準備のため先に現地に向かうが住所を間違え、別の山小屋に到着。出迎えてくれた男に凄腕の殺し屋「トロントの男」と勘違いされてしまう。そこへ突入してきたFBIに拘束されたテディは、「トロントの男」のふりをしてある男が企てるテロ行為の捜査に協力することになる。しかし、偽物がいると知った「トロントの男」本人がテディに接触してきて・・・。

2022年製作/112分/アメリカ
原題:The Man from Toronto

あらすじ

間違えてやってきた山小屋

テディ・ジャクソンは妻の誕生日を人里離れた山小屋でお祝いをするつもりが、手違いで別の山小屋に行ってしまう。

そこは、二人の屈強な男がひとりの男を拘束し尋問を行っている現場だった。ベネズエラの元大佐セバスチャン・マリンがテロを起こすために部下を使って情報を引き出そうとしていたのだった。

ところが人質の口は堅く尋問はうまくいかない。そこで、依頼を受けた冷酷な殺し屋トロントの男(以下トロント)が山小屋へ向かっていた。

殺し屋と勘違いされる

しかし、テディが先にそこへ到着したためトロントと勘違いされ、見よう見まねで尋問を行うハメになる。それが偶然うまくいき、セバスチャンが必要としていた情報が手に入った。

そこへ、FBIの部隊が突入し、その場は制圧される。FBIはトロントの男と勘違いされているテディに捜査協力を依頼する。テディがトロントとしてセバスチャンと接触したところをFBIが捕獲するという作戦だった。

自分で考案したエクササイズ、エアボクシングが全く流行らず借金を抱えていたテディは、借金を代わりに返済してくれるならと条件付きで作戦に協力することにした。

本人登場

テディはセバスチャンの妻ダニエラと会い、車に乗せられる。そこでグリーンという人物が持つあるものを手に入れる必要があると聞かされる。

テディはグリーンに会うためセバスチャンの部下とともに飛行機に乗り込んだ。離陸後、どこからか本物のトロントが現れる。それでもテディは自分がトロントだと言い張った。マリンの部下もテディが本物だと信じ込んでいたため、トロントは武力行使に出る。激しい戦闘の結果、生き残ったのはテディとトロントだけとなる。

トロントと一緒に行動することに

トロントはマリンの依頼を完遂し大金を手に入れたいと考えていた。テディもそれに付き合わされることになり、一緒にグリーンのもとに向かうことになった。

ふたりはグリーンがいる建物に到着。トロントはテディに自分のふりをさせてマリンの部下と拘束された4人の男がいる部屋に入らせた。

4人の中からグリーンを探し当てるというのがテディに課されたミッションだった。緊張してやらかしたことが逆に功を奏してグリーンを特定することに成功。しかし、テディが耳に仕込んだ無線機がバレてピンチになったためトロントが突入する。マリンの部下を殲滅したあとで、グリーンに話を聞くことになる。

セバスチャンの目的

グリーンはDARPAで特殊な爆弾の製造にかかわっていた。マリンはその爆弾を使ってワシントンDCにあるベネズエラ大使館を爆破しようとしていたのだった。爆弾を起爆するためにはグリーンの指紋が必要だった。

そこでトロントは、グリーンの指を切り取った。テディと共に建物を後にしようとしていたところ、一人の男(マイアミの男)が指を奪おうと襲い掛かってくる。マイアミの男は、トロントがハンドラーと呼ぶ人物に雇われていた。トロントはハンドラーと数十年来の付き合いで彼女のことを信頼していたが、裏切られてしまったのだった。

マイアミの男の戦いに勝ち無事に指を守り切ったトロントとテディは、セバスチャンの待つワシントンDCへと向かうことになる。

指を奪われてしまう

しかし、その日はテディの妻ロリの誕生日。テディはトロントに同行してもらい、ロリの待つレストランへと向かった。そこへ、再びマイアミの男が現れ、グリーンの指を奪われてしまう。

マイアミの男はセバスチャンの待つホテルへにやってくる。セバスチャンは指を使って爆弾のセーフティをオフにした。

少し遅れてテディとトロントがセバスチャンのもとへやってくる。その場にはハンドラーのすがたもあった。

しばらくして、そこへFBIの部隊が突入してくる。トロントはセバスチャンが報酬として用意していた大金を持ってその場から逃げ出した。ハンドラーもマイアミの男と一緒に姿を消してしまう。

FBIと合流したテディは、ある真実を聞かされる。セバスチャンが爆弾を起動するのに使った指はグリーンではない別の人物の指だったのだ。爆弾テロを起こさせないためにトロントがあえて違う人間の指を切り取ったのだった。

殺し屋に命を狙われるふたり

テディは自宅に戻るがそこにロリの姿はなかった。夫がFBIに協力していたことを知り、距離を置きたいと家を出ていたのだった。

一方同じころ、ハンドラーは世界中の殺し屋たちを使ってトロントが持ち逃げした大金を取り戻そうとしてくる。

テディはロリが電車に乗る前に呼び止めようと駅に向かう途中で、殺し屋に襲われてしまう。トロントが助けにやってきてふたりは協力して殺し屋を倒していく。ハンドラー自身も金を取り返そうと直接トロントたちに攻撃を仕掛けてくる。テディとトロントは工場に逃げ込み、熱湯の入った窯にハンドラーを落としてとどめを刺した。

テディはトロントの愛車を借り駅まで急いだ。無事にロリと会うことができたのは良かったが、線路の上に停めたトロントの車が列車に衝突され大破してしまう。車に積んでいたトロントの大金もあちこちへ飛んで行ってしまった。

それから1年後。トロントは殺し屋から足を洗い、念願のレストラン開業を実現させた。テディはオンラインでエアボクシングを教える動画で多くの視聴者を集めていた。

感想

巻き込まれ型映画の良作

失敗続きの冴えない男テディは、凄腕の殺し屋「トロントの男」だと勘違いされたことをきっかけに、ある人物によるテロ行為を阻止しようと捜査をするFBIに協力することになる。しかし、その後の成り行きで「トロントの男」本人と一緒に行動することになってしまい・・・。

たんなる一般人がちょっとしたミスで、危険な裏の世界に足を踏み入れてしまい、大変な目に遭うという、巻き込まれ型映画の一つです。

危ない橋を渡るテディ・ジャクソン(ケヴィン・ハート)がずーっと文句を垂れてるわけですが、その切羽詰まった感じが笑えます。

そんなテディとトロントの男(ウディ・ハレルソン)のバディ映画でもある本作。何をやってもダメな男と優秀な殺し屋の組み合わせが魅力的で、トロントの男がテディを雑に危険な場所に送り込むシーンなんか最高でした。

一見すると完璧超人なトロントの男が実は女性が苦手という弱点のあるキャラ設定も、彼の人間味が増してとても良いです。

テディの妻ロリの友人にトロントの男が惚れて、肝心のミッションをそっちのけにしてしまい、テディにしっかりしろと諭される立場の逆転現象が笑えます。

この展開から一気にテディとトロントの男のバディ感が増してお互いに補完しあうかけがえのない存在になっていき、最終的に親友の関係になるラストには爽やかな余韻があります。

笑える場面も多く、なおかつ、アクションの見せ場もしっかりとあるエンタメ度高めな一作ですので是非。