「ヴォルーズ」映画ネタバレ感想 おしゃれアクションコメデイ

Netflix映画「ヴォルーズ」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

泥棒の世界から抜け出すために戦う女性の姿を描いたアクションコメディ映画。

妊娠を機に泥棒の世界から抜け出したいと考えていたプロの泥棒・キャロル。彼女のボス・ゴッドマザーに泥棒の仕事から足を洗いたいと告げるが暴力的なやり方で引き留められてしまう。さらに、新たな仕事を押し付けられてしまったキャロルは・・・。

2023年製作/114分/フランス
原題:Voleuses
配信:Netflix
配信開始日:2023年11月1日

あらすじ

泥棒から足を洗いたい女性

キャロルは狙撃手のアレックスとともにプロの泥棒として活動している。

ある日、キャロルは自分が妊娠していることを知る。アレックスには妊娠のことは伏せたうえで、ただ泥棒をやめたいと伝えた。

キャロルとアレックスは雇い主であるゴッドマザーに泥棒を引退することを告げる。しかし、ゴッドマザーはその話を聞き入れてくれなかった。

キャロルとアレックスは、ゴッドマザーから遠ざかるため森の中にある隠れ家に身を隠した。しかし、刺客を送り込まれ、家に無数の銃弾を撃ち込まれてしまう。このときウサギのペット・サントスが死んでしまう。

新たな仕事を引き受ける

引退をしつこく阻止しようとするゴッドマザーに根負けしたキャロルとアレックスはしぶしぶながら新たな盗みの仕事を請け負うことになった。その内容はある女子修道院に展示されているグランド・オダリスクの絵画を盗み出すことだった。まずは、その建物の構造を知るため建築事務所に侵入し設計図のデータを盗み出すことになる。

こうして設計図を盗み出す日に向けての準備が始まった。武器の調達や、凄腕ドライバー・サムのリクルートが行われる。そして、サムの射撃訓練などの期間を経て、建築事務所に侵入する日がやってくる。

妊娠中で精神が不安定だったキャロルは、嘘の理由を伝えてアレックスとサムの二人に仕事を任せることにした。

建築事務所に侵入する

サムが建築事務所に侵入し、パソコンからデータを盗み出した。しかし、そこへ運悪く関係者が戻ってきてしまう。アレックスは彼らを麻酔銃で眠らせ、サムのバイクに乗って逃走した。

その後、キャロル、アレックス、サムはうさぎのサントスを殺した人間に仕返しをするためイタリアまでやってきた。キャロルとサムがダンスをしてターゲットの男たちの気を引く間にサムが狙撃して全滅させた。

その帰り道、キャロルはアレックスとサムに妊娠していることを告げた。

絵画を盗み出す

いよいよ修道院から絵画を盗み出す日がやってくる。イレギュラーな出来事が頻発し、事前の計画通りにはならなかったが、無事絵画を盗むことに成功した。

キャロル、アレックス、サムはその絵を持ってゴッドマザーの元へ向かった。アレックスは別の建物で狙撃銃を構える、サムは屋外でバイクに乗って待機、キャロルがゴッドマザーと対面し絵を渡すという役割だった。キャロルはゴッドマザーが窓際の椅子に座ったところでアレックスに指示を出しゴッドマザーを撃ち殺させた。通報を受けた警察隊が現場となったキャロルのいる部屋に突入してくる。キャロルはその場で銃で撃たれて死んでしまう。

それから4年が経ったころ、サムがアレックスの住む家を訪れ、アレックスをある場所に連れて行った。そこには実は生きていたキャロルと、その娘がいた。

感想

友情を超えた関係性

キャロルは自分が妊娠したことをきっかけに、泥棒の世界から足を洗いたいとボスに告げるも、それを拒否され新たな仕事をさせられることになり・・・という内容。

いくつかの泥棒シーンはあるものの、この監督はどうもそこで盛り上げようとはしていないようで、意外とアクション的見どころは少なめ。

メインの見どころは登場人物同士の友情とも恋愛感情ともまた違う関係。

たとえば、

キャロルとアレックスの友情を超えた関係性、

ゴッドマザーのキャロルに対する執着、

キャロルと二人の関係に入ってきたサムに対するアレックスの嫉妬心、

・・・などが描かれています。

正直、彼女たちのそういった感情は個人的にピンときません。ただ、そういう友達とか恋人とかともまた違う関係もあるのかと興味深く鑑賞できました。

アクションに期待すると肩透かしを食らいますが、そういった関係性をめでるつもりで観ると楽しめるかもしれません。

オシャレアクション

アクションとしては期待しない方がよいと述べましたが、アクションシーンの優雅でオシャレなテイストは悪くありません。

命の危機に陥っても本人たちに緊迫感は全くないという、よく見るアクションコメディ的演出になっています。ただ、本作がその手のアクションコメディと違うのは、ヨーロッパの街並みが舞台で、出演する俳優たちのたたずまいが洗練されている点です。そのおかげで、巷にあふれるアクションコメディにはない優雅さ、オシャレさが醸し出されています。なかでも、ある敵の気を引くために、ダンスを披露するシーンはめちゃくちゃよかったです。

以上がヴォルーズの紹介でした。

友情ともまた違う関係性を描いた日常系アクションコメディ映画です。アクションの見どころは少ないのですが繊細な人間の感情を味わえたので満足度は高めでした。