「オールド・ダッド」映画ネタバレ感想 古臭い男の成長物語


Netflixで配信中の映画「オールド・ダッド」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

短気な中年男ジャックが子育てをしながら成長していく姿を描いたヒューマンドラマ・コメディ映画

ジャックは第一子を私立幼稚園に入園させるために著名な教育者の推薦を得ようとしていた。しかし、その短気な性格からトラブルを起こし、どんどん推薦が遠のいていくうえ、妻との関係も険悪になっていき・・・。

2023年製作/104分/アメリカ
原題:Old dads

あらすじ

短気な男

中年男性のジャックは妊娠中の妻リアと息子のネイトと暮らしていた。ジャックはネイトを私立幼稚園に入園させるための資金が必要だった。そこで、友人のコーナー、マイクと共に創業した高級ジャージ企業を売却し、そこでいち従業員として働き始める。

ある日、ジャックはネイトが通う幼稚園の園長ドクターエルと揉め、汚い言葉で罵ってしまう。私立幼稚園への入園にはドクターエルの推薦が欠かせないことから妻リアから責め立てられてしまう。

一方、マイクは彼女ブリトニーから妊娠していることを知らされる。マイクはそのことに戸惑っていることをジャックやコナーに打ち明けた。

悪いことが続く

ある日、ジャック、コナー、マイクは仕事中の車内で下ネタジョークを言って笑いあっていたことが会社のボスにバレてクビになってしまい、収入減を失ってしまう。

ジャックはドクターエルに良いところを見せようと幼稚園行事の幹事を務めるが、そこでもドクターエルと言い合いになってしまう。そのことでリアと大喧嘩になり、家を追い出されてしまう。

第二子の誕生

ジャックは、彼女との結婚や子育てに踏ん切りがつかないマイクや、妻の極端な子育て方針に辟易するコナーとともにラスベガスで豪遊する。そこで二人目の子供が生まれる連絡を受けたジャックは出産に立ち会おうと100km以上離れた病院に向かう。しかし、到着した時にはすでに出産した後だった。出産に立ち会えなかったことに落ち込むジャック。これまでのふるまいを反省し短気な性格を直すことをリアに誓った。

その後、後日談としてジャックの短気な性格が柔らかくなったことが語られた。

感想

世代間ギャップコメディ

第一子を授かったことをきっかけに自分より若い世代との交流が増えてきた男ジャックが本作の主人公。ジャックの言葉遣いは政治的正しさを尊重する若い世代にとって、女性蔑視的でルッキズムに染まった、あまりにも時代遅れなもの。ジャックは自分の発言をとがめてくる彼らに戸惑ったり、イラついたりする姿がコミカルに描かれています。ジャックのいまどきアウトな発言はもちろんミレニアル世代側の「意識高いけどどこかヘンな発言」も笑いのネタになっていて、そのブラックなユーモアがめちゃくちゃ面白いです。とくに、ジャックがどぎつい言葉を何の躊躇もなく人まえで繰り出す姿はその過剰さに吹き出してしまいます。そして、そのジャックをもドン引きさせるある強烈なキャラの登場にはさらに爆笑。どんなキャラかはぜひ鑑賞して確かめてください。

ウルッと来たラスト

ラスベガスで遊んでいて出産に立ち会えず落ち込むジャックに対して、「気を取り直して娘に会ったら?」という妻リアのセリフがウルッと来る良さがありました。過ちやしくじりがあっても、たとえダメ人間だとしても反省したうえで前に進んでいけばそれでよい。そんな監督のやさしいまなざしを感じました。

笑えるだけじゃなくてしっかりと泣ける映画になっています。おそらく(自分のような)ダメ人間ほどハマれる映画ではないでしょうか(笑)