映画「猿の惑星 キングダム」のあらすじ(ネタバレ結末あり)続編の予想も!

今回は、映画「猿の惑星 キングダム」を紹介します。

作品の基本情報

詳細なあらすじ

作品設定の解説

という順番でご紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」から始まる猿の惑星新シリーズの4作目。

人間の開発した薬によって知能が向上した類人猿と、猿インフルエンザによって知能が低下した人間…。両者の立場が逆転した世界を舞台に、地球征服をもくろむエイプのリーダーに若きエイプが戦いを挑むストーリー。

監督:ウェス・ボール

キャスト:
オーウェン・ティーグ
フレイヤ・アーラン
ケヴィン・デュランド
ピーター・メイコン
ウィリアム・H・メイシー

2024年製作/145分/アメリカ
原題:Kingdom of the Planet of the Apes

あらすじ

イーグル族崩壊の危機

「猿の惑星:聖戦記」でシーザーが死んでから300年後。知能が向上したエイプは言葉を操り、文化を築き上げていた。一方、人間の知能は猿インフルエンザによって言葉をしゃべることができないほどに低下していた。

主人公はワシと共存するイーグル族の若きエイプ、ノア。幼馴染のスーナとアナヤとともに切り立った崖の上にあるワシの卵をとりに行き成人式に備えた。しかし、ノアの卵はある人間によって破壊され、ノアは再びワシの卵を取りに行った。

ノアがいない間に村はプロキシマス・シーザーというエイプの軍隊に襲撃され、建物に火が放たれる。ノアの父コロは軍隊の将軍に殺されてしまう。

村を失ったイーグル族はプロキシマスのアジトに強制連行される。

仲間を取り戻すための旅

ノアは、連れ去られた母や仲間を取り戻す旅に出る。空港の廃墟でラカというエイプに出会い、かつてエイプを率いた伝説のリーダー、シーザーの話を聞く。シーザーは「エイプと人間の共存」を模索していたことが明かされる。

ラカはノアの旅に加わることになる。その道中で人間の女性がついてきていることに気づいたノアたちは、彼女に食べ物を分け与え、ノヴァという名前を付けた。

旅の途中で、プロキシマスの軍隊が現れ、ノヴァを奪い去ろうとする。ノアとラカはノヴァを兵士から助け出した。ノヴァは言葉をしゃべることができ、本当の名前はメイであると告げた。

橋に差し掛かったところで、プロキシマスの軍隊が再び現れる。川に落ちたメイを助けようとしたラカが濁流に飲み込まれ姿が見えなくなってしまう。

プロキシマスのアジトへ

ノアとメイは、プロキシマスの要塞に連れていかれる。ノアは母やスーナ、アナヤ、イーグル族の仲間と再会する。

プロキシマスは要塞のすぐ近くにある貯蔵庫の扉を開けようとこれまで何度も試みていたが扉が頑丈すぎていまだに開けられていない。

その貯蔵庫はかつてエイプの台頭や猿インフルエンザによって人類の文明が滅びようとしたころ、政府が重要なテクノロジーを保管した場所だった。プロキシマスの目的はその貯蔵庫から武器を調達し、今いる人間を滅ぼし、地球を征服することだった。

プロキシマスがメイを捕まえたのは彼女が貯蔵庫に入る方法を知っているからだった。しかし、メイはその方法を断固として教えなかった。

メイの目的

メイには別のエリアにいる人類と通信するための機器を貯蔵庫から取ってくるという目的があった。そこで、プロキシマスの支配からイーグル族を解放したいノア、スーナ、アナヤと協力することになる。

彼らは、海水をせき止めているダムに爆弾を設置したあと、貯蔵庫に侵入した。メイが目当ての機器を入手し、一行は貯蔵庫の扉を開けて外に出ようとする。すると、扉の外にはプロキシマスやその軍団が待ち構えていた。

メイは事前に設置した爆弾を起爆し、ダムを破壊し海水がなだれ込んでくる。プロキシマスの一派はもちろんイーグル族たちも海水に飲まれていく。ノアはイーグル族を貯蔵庫の上階へ誘導し彼らの命を救った。

ノアとプロキシマスの戦い

ノアは、貯蔵庫の外にあった崖の上でプロキシマスと対決することになった。力で圧倒するプロキシマスに対し、ノアはワシを操る歌を使ってワシにプロキシマスを攻撃させる。プロキシマスは崖から落ち海に消えていく。

こうしてイーグル族は解放され、破壊された村の再建を始める。メイはノアに別れを告げた後、自分のグループが待つ衛星通信施設に戻り、貯蔵庫で手に入れた機器を使って世界中の人類とコンタクトを取ることに成功した。

ノアは旅の途中で見つけた天文台にスーナを連れていく。ノアは天体望遠鏡で宇宙にある何かを不安げな表情で覗き込んでいた。

解説

ここからは本作のストーリー上の重要な設定や観ていて疑問を感じるであろうポイントを解説していきます。

プロキシマス・シーザーの目的は地球征服

本作の敵役はノアの村を襲ったプロキシマス・シーザーです。

彼の目的は何なのでしょうか?

それはエイプたちを統合し、残された人類を絶滅させること。人類に打ち勝つため、かつて政府がパンデミックの時に貯蔵庫に保管した武器を手に入れようと躍起になっていますが、扉が頑丈すぎてその目的はいまだ達成できていません。プロキシマスがメイを捕まえようとするのは彼女が貯蔵庫へ入る方法を知っているからなのでした。

本作で僕が驚いたのがこのプロキシマスのキャラ造形です。親しみやすそうで人好きする感じだけど、実際に関わるとロクなことがないガサツな野心家の中年オヤジっぽさを、チンパンジーのCGIでここまで表現できるのかとその技術力の高さに驚愕しました。

吹き替えは竹内力さんですがその演技も非常にプロキシマスのキャラに合っていました。

人類の繁栄のために動くメイ

メイの目的はプロキシマスも狙う貯蔵庫から通信衛星を起動するための機器を手に入れ、世界各地に散らばる人類とコンタクトを取ることです。

エイプのノア達と協力するメイでしたが、それはあくまで利害の一致による一時的なもので、エイプに心を許しているわけではありません。あくまでエイプに滅ぼされかけている人類が今後再び反映するために行動しているだけなのでした。

仲間を取り戻したいノア

本作の主人公イーグル族の若きエイプ、ノアはプロキシマスに連れ去られた仲間を取り戻すことが目的です。

イーグル族がプロキシマスの勢力に吸収されてしまい、ワシと共存する彼らの独自文化が消え去ろうとするなか、ノアがプロキシマスに戦いを挑みます。

ノアが一人前の鳥使いになる直前に、その部族や文化消滅の危機が訪れるという展開はあまりにもショッキングで、グッと引き込まれる最初のポイントでもあります。

プロキシマスのやっていることは、現実にも存在する、他の国や民族を無理やり併合しその文化を奪う帝国主義的振る舞いです。そんな横暴な権力者に立ち向かうノアの姿は、だれもが応援したくなること間違いなしです。前3作で圧倒的なカリスマを放っていたシーザーに代わるヒーローとして今後の活躍に期待したいです。

両手を頭の上に掲げるポーズの意味は?

プロキシマス・シーザーがエイプたちに向けて演説するシーンで、両手を頭の上に掲げるポーズを取ります。

これは、かつてシーザーがエイプたちに団結しようと呼びかけるときにたびたび行っていたポーズです。初出は「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」の動物保護施設に収容されたシーザーが脱獄するため、別のエイプに協力を要請するシーン。

シーザーは手に取った一本の枝を折ります。今度は折った枝を重ねなかなか折れないことを見せます。シーザーは団結することで強さが増すことを示しました。この時の枝を折る動作があのポーズのもとになっているのです。

あのシンボルマークは何?

円形の特徴的なシンボルが、シーザーを信奉するラカのネックレスやプロキシマスのアジトに登場します。こちらも初出は「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」。赤ん坊のシーザーはウィルという創薬会社の研究者の家に引き取られます。なかなか屋外に出してもらえないシーザーはその家の窓から外の様子を見ていました。この窓の形がシンボルのもとになっています。

このシンボルは当初シーザーにとって希望を表すものでした。そして、シーザーが亡くなって300年後が舞台の「キングダム」では、シーザーの「エイプと人間は共存できる」という教えを表すものになっています。

ノアは天体望遠鏡で何を見たのか?

ラストでノアが天体望遠鏡で宇宙にある何かを見て怯えるような表情をするシーンがあります。あそこで、「ん?どういうこと?」と疑問に思った方も多いことでしょう。

海外の監督インタビューを読んでみたりした結果、ノアが望遠鏡で何を見たのか?は明確に決まっておらず観客の想像に任せるとのことのようでした。

ではラストにあのシーンを入れた意味は何だったのでしょうか?

ここからは僕の妄想になりますが、それは続編に「宇宙」がかかわってくることを示すためだと考えられます。もっというと、続編ではエイプの存在を脅かす何かが宇宙から地球に飛来するというのが僕の考えです。

その何かとは、宇宙船です。

前3作の時代に起きた文明崩壊の中、実は人類は別の惑星への移住者を乗せた宇宙船を宇宙空間に送り出しており、それが約300年後の今、地球に戻ってくるという展開です。その宇宙船には強力な武器が積まれており、いまや劣勢となった人類がエイプに対抗する突破口になります。

300年後に宇宙船が戻ってくるってあり得るのか?という話ですが、旧シリーズの一作目「猿の惑星」では宇宙を航行した18か月間の間に、地球では2000年が経過していたという描写があります。

それに当てはめると、地球では300年もの月日が流れたが、宇宙船ではほとんど時間が経っていなかったという設定も不自然ではありません。

ここまで完全なる妄想をつらつらと述べてきましたが、旧シリーズからのモチーフを多く取り入れたリブートシリーズだけにもしかしたらこの妄想が当たっているかもしれません。

答え合わせは続編で!