「ゾンビプーラ」は2018年のシンガポール製のゾンビホラー映画。
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:ジェイセン・タン
キャスト:
アラリック、ベンジャミン・ヘン
ジョイ・ピン・ライ
ハレショー・タイラニ
リチャード・ロー
原題:ZOMBIEPURA
製作年:2018年
製作国:シンガポール
上映時間:82分
感想
面白いところもあるが、全体的にゆるい作りのゾンビ映画。
予備役兵士のカユは、鬼上官・リー軍曹の目を盗み、訓練をサボる怠惰な日々を送っていた。ある日、救護室に瀕死の兵士が搬送されるが、それはウイルス感染したゾンビだった。
※重要なネタバレなしでいきます。
舞台はとある軍事基地内。意識を失った状態の兵士が基地の医務室に運び込まれたかと思ったら突然起き上がりそこにいた人間を襲い始める。こうして、兵士たちが次々とゾンビになってしまい・・・という導入。この一連の場面はなかなかの迫力があり、結構恐怖感がありました。まぁ、コロナウイルスの感染が世界的に広がっているご時世というのも恐怖を煽ってくる感じもありますね。コロナウイルスについて「健康体ならそこまで恐れることはない」と言われてもここまでテレビやネットで大騒ぎになっているのを見ると、やはり構えてしまいます。こういっては何ですが現実世界でウイルス感染が拡がるこのタイミングでゾンビ映画をみるとその映画の怖さが何倍にも増して感じられます。
本作のゾンビの設定の特徴としては、ゾンビになる前の習慣をゾンビになった後も続けてしまうという点があります。作中では“筋肉の記憶”と呼ばれていますが、この設定を使った見せ場がなかなか楽しい。たとえば、あえて訓練用のアスレチックを使ってゾンビから逃げると、訓練をした生前の記憶からゾンビもアスレチックを使うも、体が思うように動かせず次々とアスレチックからに脱落していく、とか。「ゾンビに襲われるという緊急事態にアスレチックを使う」というバカバカしいシチュエーションが面白いのと、ゾンビがアスレチックから次々と落ちていく気持ちよさがあり、とても楽しいシーンとなっていました。この“筋肉の記憶”を使った場面は他にもあるのですが、そちらもなかなか良かったと思います。
主人公の予備兵であるカユ伍長は兵士としての自覚などないやる気のないキャラ付けとなっています。このキャラを演じる俳優の顔つきのもう最高でした。花沢健吾の漫画に出てくる主人公っぽいダメ感というか。そういえば花沢健吾の『アイアムアヒーロー』もゾンビモノでしたが、シンガポールで映画化するとすればこの俳優がピッタリではないでしょうか(笑)
総評
ゾンビ映画としては小規模であり若干物足りないかも…という考えが浮かびましたが、尺も短いし面白かったところもあるし「まぁこんなもんじゃね…?」という感想に落ち着きました。
というわけで評価は7/10としました。
ストーリー紹介
ある軍事基地の医務室に意識を失った状態の兵士がひとり運び込まれてきます。ひとりの衛生兵が蘇生を試みているとその兵士は突然目を覚まし、衛生兵にかみつきます。かみつかれた衛生兵も豹変し、さらに別の兵士を襲い始めます。
こうしてその場にいた兵士たちがゾンビ化していくなか、カユ伍長はリー軍曹やシャオリンとともにその場から逃げだします。
その後、上空を飛ぶヘリに助けを求めるに無線装置のある司令室へ向かおうという話になります。
虫よけ薬を体に塗れば匂いに気づかれずゾンビから襲われないと知り、薬を偶然塗っていたシャオリンがひとりで司令室へ向かうことに。
ゾンビが大勢徘徊する中なんとか司令室へとたどりついたシャオリンでしたがそこへチュアという兵士がやってきて襲われてしまいます。
チュアはヘリと通信し、生存者がいることを伝えると、ヘリから救助に向かうとの返答がありました。
異変に気づいたカユ伍長とリー軍曹はシャオリンを助けに向かいます。
チュアに銃を突きつけられながら歩くシャオリンを発見。カユ伍長がチュアともみあいになっているところで、ゾンビが雪崩れ込むようにこちらに向かってきます。チュアの持っていた虫よけ薬が地面に転がり、カユ伍長とリー軍曹は急いでそれを体に塗りゾンビに襲われずにすみました。薬を塗っていないチュアはゾンビたちに襲われてしまいます。
こうして3人はヘリに救助され無事生還しました。
それからしばらくして…。
カユ伍長はリー軍曹やほかの兵士たちと共に生存者救助をはじめます。
おわり
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