「ビバリウム」映画感想ネタバレ(8/10点)オカシな世界を眺めるのが楽しいスリラー映画

今回は「ビバリウム」を鑑賞しました。

不思議な住宅街から出られなくなったカップルが、そこにある一軒家で暮らすことになる…というスリラー映画。

シュールでオカシな世界が楽しい映画です。

個人的な評価は8/10点です。

作品情報

監督:ロルカン・フィネガン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、イモージェン・プーツ、ジョナサン・アリス
原題:VIVARIUM
製作年:2019年
製作国:ベルギー / デンマーク / アイルランド
リリース:2021-07-16
上映時間:98分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.8/10点、「フィルマークス」3.4/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
新居を探していたジェマとトムのカップルがある不動産屋を訪れる。

不動産屋のマーティンという男にヨンダーと呼ばれる住宅街に半ば強引に連れていかれるふたり。

先導するマーティンの車の後を別の車でついていき、到着した先は全く同じ住宅が並んでいる奇妙な場所だった。

9番の家に案内され一通り内件したあと、ジェマたちはマーティンの姿が見当たらないことに気づく。

その家が気に入らなかったふたりは黙ってその場を後にするが、なぜか再び9番の家に戻ってしまう。その後も何度か住宅街から出ようとするが必ず9番の家に帰ってきてしまう。

気味悪がったトムが家を燃やすが、家はまた元通りになってしまう。

そんななか、段ボールに入った男の子の赤ん坊が家の前に放置されていることに気づいたジェマたち。段ボールには「育てれば解放される」というメッセージがあった。

ふたりはその住宅街から抜け出すために、その赤ん坊を9番の家で育てることになる。その赤ん坊の成長速度は驚くほど速く100日ほどで8歳ぐらいの体つきになってしまう。また、その子供はジェマたちの物まねを何度も繰り返したり、空腹時に甲高い叫び声をあげたり、と奇妙な行動をとり、ジェマたちを気味悪がらせていた。

そんなある日、トムが庭で煙草の吸殻を捨てると落ちた先の芝生が不自然にはげてしまう。それを見たトムはこの住宅街から解放される手がかりがあるのではないかと庭に穴を掘り始める。それ以来、トムはひたすら穴を掘り続ける生活を送るようになる。

一方、ジェマはその子供に愛着がわいたのか、母親のように世話を焼くようになる。そんなジェマにトムは反発し、ふたりの仲が悪化していく。

子供はさらに成長し、完全に大人になる。

穴掘りに取りつかれていたトムが病気にかかり死亡。子供がトムが掘った穴にトムの遺体を捨てる。ジェマも衰弱していきその穴に放り込まれ、穴は土でふさがれてしまう。

子供はジェマたちの車に乗りどこかへ去っていく。到着したのは、ジェマたちが訪れた例の不動産屋。そこには、ジェマたちをヨンダーに案内したマーティンがいた。ジェマたちが会った時よりもずいぶんと老け込んでいた。マーティンは自分の名前が書かれた名札を子供に渡し息絶えてしまう。子供は死体収納袋にマーティンを入れ圧縮して収納ボックスに入れてしまう。

子供はマーティンの代わりとなり、不動産屋にやってきた客を出迎える。

感想

・狂った世界が最高

不思議な住宅街から抜け出せなくなったカップルがなんとかそこから脱出しようとする姿を描いたスリラー映画。

新居を探そうと不動産屋を訪れたカップルが連れてこられたのは、同じ形の一軒家が延々と並ぶ不思議な住宅街。不気味に思ったカップルは内覧中に不動産屋が姿を消したすきに車で帰ろうとするが、なぜかまた同じ家のある場所に戻ってきてしまう。家の前に「育てれば解放される」というメッセージとともに赤ん坊が放置されたことから、住宅街から抜け出すために仕方なく育てることになるが…という内容。

舞台となる不思議な世界がなによりも素晴らしい!同じ家がいくつも並ぶコピペ住宅街「ヨンダー」や空に浮かぶ雲の不自然な形。当然CGを使って描かれていると思われるのですが、CGっぽさを隠さずむしろ違和感を強調してあって、たまに油絵を見ている感覚になってくるのも面白いです。

あと、けったいにもほどがある不動産屋「マーティン」もかなりイイですね。不動産屋にいる時点から応対や顔の表情のおかしさが目立ており、見ていてニヤニヤが止まらず、面白い映画に間違いないと序盤ながら確信。内覧中にいきなりジェマの真似をするマーティンには思わず笑ってしまいました。

住宅街から出られなくなったカップルが子供を育て始めてからはその子供の気味の悪さが注目ポイントです。ジェマたちの言動をずっと監視してモノマネをしてきて、またその声が子供とはかけ離れた気持ちの悪さでなんやこの子供…とドン引きしてしまう。ほかにも、腹が減ったら耳障りな声で叫んだり、わけのわからい映像をテレビでひたすら見ていたりと、とにかくヘンすぎて面白い。このあたりまでは、何の話かイマイチ分からないけど、狂った世界が最高に楽しいな~とワクワクしながら見ていました。

ただ、この映画のヘンさに慣れてきてからは、若干物足りなさも感じました。ずっと穴を掘っているトムとか、子供を育てるストレスで発狂するジェマとか、「狂った世界でオカシくなるカップルの話」がメインになり、個人的に見たいものと違いました。後半にある歩道を持ち上げて異空間に入り込むみたいなドラッギーな描写がもっと見たかったですね。

狂った世界を眺める分には面白いのですが、この話が何を表現しようとしているのかがいまいちわからず乗りきれないのも気になった点です。偽物(の子供、家、街並み、など)って気持ち悪いよね~という話なのか?子育て大変!という話なのか?自ら望んでいないのに子供を育てることになったカップルの話なのか?いろいろと頭の中で考えましたが、答えは出ず。

繰り返してみたら何の話か理解できるかはわかりませんが、あの狂った世界はもう一度見返す価値があると思いました。

まとめ

奇妙な世界が楽しい不条理系スリラー映画という感じ。

あの独特の世界観やビジュアルは必見です!

興味がある方はぜひ!

というわけで評価は8/10点としました。

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