今回は「ビバリウム」を鑑賞しました。
不思議な住宅街から出られなくなったカップルが、そこにある一軒家で暮らすことになる…というスリラー映画。
シュールでオカシな世界が楽しい映画です。
個人的な評価は8/10点です。
作品情報
監督:ロルカン・フィネガン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、イモージェン・プーツ、ジョナサン・アリス
原題:VIVARIUM
製作年:2019年
製作国:ベルギー / デンマーク / アイルランド
リリース:2021-07-16
上映時間:98分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.8/10点、「フィルマークス」3.4/5点。
ストーリー紹介
感想
・狂った世界が最高
不思議な住宅街から抜け出せなくなったカップルがなんとかそこから脱出しようとする姿を描いたスリラー映画。
新居を探そうと不動産屋を訪れたカップルが連れてこられたのは、同じ形の一軒家が延々と並ぶ不思議な住宅街。不気味に思ったカップルは内覧中に不動産屋が姿を消したすきに車で帰ろうとするが、なぜかまた同じ家のある場所に戻ってきてしまう。家の前に「育てれば解放される」というメッセージとともに赤ん坊が放置されたことから、住宅街から抜け出すために仕方なく育てることになるが…という内容。
舞台となる不思議な世界がなによりも素晴らしい!同じ家がいくつも並ぶコピペ住宅街「ヨンダー」や空に浮かぶ雲の不自然な形。当然CGを使って描かれていると思われるのですが、CGっぽさを隠さずむしろ違和感を強調してあって、たまに油絵を見ている感覚になってくるのも面白いです。
あと、けったいにもほどがある不動産屋「マーティン」もかなりイイですね。不動産屋にいる時点から応対や顔の表情のおかしさが目立ており、見ていてニヤニヤが止まらず、面白い映画に間違いないと序盤ながら確信。内覧中にいきなりジェマの真似をするマーティンには思わず笑ってしまいました。
住宅街から出られなくなったカップルが子供を育て始めてからはその子供の気味の悪さが注目ポイントです。ジェマたちの言動をずっと監視してモノマネをしてきて、またその声が子供とはかけ離れた気持ちの悪さでなんやこの子供…とドン引きしてしまう。ほかにも、腹が減ったら耳障りな声で叫んだり、わけのわからい映像をテレビでひたすら見ていたりと、とにかくヘンすぎて面白い。このあたりまでは、何の話かイマイチ分からないけど、狂った世界が最高に楽しいな~とワクワクしながら見ていました。
ただ、この映画のヘンさに慣れてきてからは、若干物足りなさも感じました。ずっと穴を掘っているトムとか、子供を育てるストレスで発狂するジェマとか、「狂った世界でオカシくなるカップルの話」がメインになり、個人的に見たいものと違いました。後半にある歩道を持ち上げて異空間に入り込むみたいなドラッギーな描写がもっと見たかったですね。
狂った世界を眺める分には面白いのですが、この話が何を表現しようとしているのかがいまいちわからず乗りきれないのも気になった点です。偽物(の子供、家、街並み、など)って気持ち悪いよね~という話なのか?子育て大変!という話なのか?自ら望んでいないのに子供を育てることになったカップルの話なのか?いろいろと頭の中で考えましたが、答えは出ず。
繰り返してみたら何の話か理解できるかはわかりませんが、あの狂った世界はもう一度見返す価値があると思いました。
まとめ
奇妙な世界が楽しい不条理系スリラー映画という感じ。
あの独特の世界観やビジュアルは必見です!
興味がある方はぜひ!
というわけで評価は8/10点としました。
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