「アンダー・ザ・シャドウ 影の魔物」映画感想(ネタバレ/解説)イランを舞台にした不気味なホラー!

どうもジャケ借りくんです!
今回レビューするのは「アンダー・ザ・シャドウ 影の魔物」。NETFLIXでは「アンダー・ザ・シャドウ」というタイトルで配信されています。今までの詳細なあらすじを書くスタイルが若干変わりました。ネタバレを含むのでご注意ください。

アンダー・ザ・シャドウ 影の魔物 [DVD]
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作品情報

監督:ババク・アンバリ
キャスト:
ナルゲス・ラシディ
アビ・マンシャディ
ボビー・ナデリ
レイ・ハラティアン
アラシュ・マランディ
原題:Under the Shadow
製作年:2018年
製作国:イギリス・ヨルダン・カタール・イラク合作
配給:AMGエンタテインメント
上映時間:84分
参考サイト:映画.com

あらすじ

1988年、イラン・イラク戦争下の首都テヘラン。若き母親シデーは幼い娘ドルサとともに、最前線に招集された医師の夫の帰りを待つことに。ある日、母娘が暮らすアパートの隣人が引き取った孤児メフディが、アパート内に邪悪な神「ジン」がやって来たと言い始める。ドルサもジンの存在を主張し、徐々に奇妙な行動を取るように。戦争の激化に伴い住人たちが次々と疎開していく中、ついに母娘だけになったアパートを「何か」が襲う。(映画.com

ストーリー紹介

登場人物

シデー:医師を目指していた女性。過去の政治活動が問題視され、大学への復学を断られてしまう。

イラジュ:シデーの夫で医師をしている。

ドルサ:シデーとイラジュの娘。キミアと名付けた人形を大事に持っている。

舞台はイラン・イラク戦争の真っただ中のテヘラン

1980~1988年まで行われたイラン・イラク戦争の終盤、イラクはイランの都市を爆撃。イランはそれに応戦し、市民は恐怖と不安にさらされていました。そんな情勢のなか、イランのテヘランにあるアパートにシデーとその夫イラジュ、娘のドルサが住んでいました。

医師を目指していたシデー

シデーは医師になるため大学に復学しようとしていましたが、イラン革命時に政治活動を行っていたことが問題視され復学を拒否されてしまいます。

戦争に召集されるシデーの夫

シデーの夫で医師のイラジュのもとに戦争の召集令状が届き、戦地へと派遣されることに。イラジュは今のアパートが危険なためシデーとドルサを彼の実家へ避難させようとしますが、シデーは彼のいうことを聞かずアパートに残ることに。イラジュは戦地へと向かい、アパートでシデーとドルサ二人での生活が始まりました。

アパートにミサイルが落ちる

ある日、シデーたちの住むアパートにミサイルが落ちてきます。ミサイルは屋上を突き破りその下の部屋に突っこみました。そこの住人は心臓発作をおこし意識不明になってしまいます。医師を志していたシデーは蘇生を試みますがその人物は意識が戻ることなく、亡くなってしまいます。

ドルサの人形がなくなる

キミアと名付け大事にしていたドルサの人形がなくなってしまいます。シデーが家の中を探しますがどこにも見つかりません。このころからドルサの体調が悪くなっていきました。

ジンという精霊

ドルサはエブラヒミの甥のメフディという友達から「ジンという名の精霊がいて人々に悪さをする」という話を聞き「夜ひとりで眠れない」と母シデーに訴えます。シデーはそれはおとぎ話だからとなだめていましたが、それ以降、彼女自身も家で何かの気配を感じるようになります。ある日、シデーがエブラヒミ夫人と会った際、ジンについての話を聞かされました。エブラヒミ夫人は「ミサイルが落ちたのはジンがこのアパートにいるから」だと言います。そして、「ジンは風に乗って移動し、取りつく相手を探している。大切にしているものをジンに取られてしまったらもう逃げられない」と続けました。

アパートの住人たちは次々と街を出ていくが

爆撃が続く中、アパートの住人たちは次々と街を出て安全な場所へと非難していきます。そしてついにアパートにはシデーとドルサの二人きりになってしまいました。

アパートを出る決意をするシデー

シデーはようやくアパートを出ると決意し荷造りを始めました。しかし、ドルサはまだ人形が見つかっていないと駄々をこねだしました。シデーは「人形が見つかったら家を出るのよ」とドルサに言い聞かせ、家のなかを探します。そのあたりから次第にシデーたちの「何か」を見る頻度が増えていきます。

人形を発見

ミサイルが落ちた箇所にかけてあったシートが風にたなびいているのが家の窓の外に見えました。それが気になったシデーが屋上に行くとそこには彼女が使っていた大学の教科書が落ちていました。それは自宅の引き出しに鍵をかけて仕舞っておいたはずのモノでした。家に戻りその引き出しを見るとそこにはドルサの人形が首がちぎれた状態で入っていました。それをみたドルサはシデーを責めます。シデーはテープで人形を直してドルサに渡しました。すると突然爆撃が始まり、ふたりは地下へと向かいます。そこでシデーが目を離した隙にドルサはジンにつかまってしまいます。シデーは何とかドルサを助けふたりは車でアパートを後にしました。逃げる際、ドルサは人形もつれてでましたが、首は家に落としてしまっていました。(おわり)

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解説

ジンとは何か?

劇中に登場するジンとはアラブ世界で語られる超自然的な存在のことを指します。劇中ではおとぎ話に登場する精霊という説明がされています。

ジンがあの姿だったのはなぜ?

シデーとドルサ親子を襲う「ジン」はチャードルという衣装を着た、人のような姿をしています。チャードルとはイランの女性が公衆の場で着る伝統的な服装のことです。なぜジンはこの姿をしているのでしょうか?シデーは女性が公共の場で肌や髪を隠さなければいけない社会に対し生きづらさを感じており、その象徴としてチャードルの姿をしたジンが登場したと考えられます。また、ドルサがジンの布に包まれてしまうシーンはドルサもいずれはチャードルやヒジャブで肌を隠して生きなければいけないことを示しているのではないでしょうか。

ドルサの人形の首

シデーとドルサがアパートから逃げ出したあとドルサの人形の首がアパートに残されている、というラストシーンはどういう意味があるのでしょうか?その人形はドルサが異常に執着していたアイテムです。ジン(シデーが生きづらいと感じている社会の象徴)から逃げたかのように思えたが実はいまだにシデーたちはジンに囚われたままである、ということではないでしょうか。

感想

不気味な映画

怖い映画である以上に不気味な映画で最高でした。親子を襲うジンという精霊の不穏さはもちろん頻繁にやってくる爆撃とその際の重低音SE、アパートに刺さったミサイルの絵的に強烈なビジュアル、シデーの娘ドルサがおかしな行動をとる場面などなど...やたらと胃が重たくなってくるような不気味さがひたすら続きげんなりしてきます(誉め言葉)。

今までに見たことのない新鮮なホラー

イランを舞台にしたホラー映画は今まで見たことがなかったのでかなり新鮮にみることができました。イラン・イラク戦争中の話ということでミサイルが落ちてくる悲惨な場面などがホラー的にうまく落とし込まれていると感じました。主人公を襲う悪霊的なポジションの「ジン」も、悪魔がよく出てくる欧米が舞台のホラー映画とはまた違った感じで楽しいですね。イスラム教社会における女性の暮らしぶりも興味深いです。

総評

なかなか見たことのないホラーという印象でかなり楽しむことができました。これはかなり面白かったです。評価は9/10としました。

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