「エリカ&パトリック事件簿 踊る骸」映画感想(ネタバレ/解説)余韻が残る悲しいミステリー映画!

「エリカ&パトリック事件簿 踊る骸」は2013年のスウェーデン・ドイツ合作映画。カミラ・レックバリによる同名小説が原作です。
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ネタバレを含むのでご注意ください。

作品情報

監督:ペール・ハネフィヨルド

キャスト
クラウディア・ガリ
リチャード・ウルフセーテル
イーバ・フリショフソン
エドビン・エンドル
ペル・ミルバーリ

原題:Tyskungen

製作年:2013年

製作国:スウェーデン・ドイツ合作

上映時間:106分

参考サイト映画.com

あらすじ

作家の女性エリカは、同じく作家で有名だった両親を悲惨な交通事故で失う。数か月後、突如、見知らぬ男がエリカの元を訪れ、エリカと異父兄妹だと告げる。エリカは男の言葉を信じず、直ぐに出ていくよう告げるが、数日後、その男が死体で発見される。何かがおかしいと感じ、亡き母親の遺品を調べたところ、大戦中に書かれた日記と古い勲章を見つける。母の過去に何があったのかを紐解くため、エリカは夫で刑事のパトリックの助けも得ながら調査を進めるが、勲章の鑑定を依頼した歴史家が撲殺されてしまう…(Amazonより引用)

感想

最初からノリきれない

作家の女性エリカは母の死後、その息子だと名乗る男が現れその後謎の死を遂げたことから母の過去を探り始める…というのが本作の導入となっていますがどうもノッていけません。それはエリカが母の過去を探ろうとする動機が詳しく描かれないからです。エリカの子供が生まれたときにだっこするのを拒否したり、釣れない返答をしたりという描写はありますが序盤にちらっと出てくるだけです。当然、エリカとしては自分の子供が生まれたにもかかわらず母が全然嬉しそうでないことに加え、母の息子を名乗る人物が死んでしまうという出来事だけで動機としては十分です。ただ赤の他人の観客である私としてはもっとその動機を詳しく描写してほしかったところです。あと、「母が孫を見てもうれしそうでないこと」と「母の息子だと名乗る男が訪ねてくること」の間の関係が把握しづらくそれらが「ひとつのおおきな謎」に見えずイマイチ掴みどころがありません(最後まで観れば関係があることがわかる)。この時点ではそれが分からないのでどうもミステリー映画として謎の提示の仕方があんまりうまく無いな…と思ってしまいました。

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活かしきれていないシーンがある

フランスの孫のペールが殺人現場にいたことから犯人と疑われて…という場面から始まるペールの登場シーンはほぼ全部とってつけた感じがしてストーリー上あまり活かしきれていないと思いました。一応、謎を握る重要な人物への橋渡し役、「こいつが犯人なのか?」という興味を引く役、派手な逃走シーンを描くための逃走役は担っているのですがなくても成立するシーンはぶっちゃけ多いと感じました。あと、ブリッタというキャラもそこまで大きな役割がないのでいなくてもよかったかなとは思いました。エリカの過去に何かがあったことを示すキャラとして登場するだけなので・・・。ただ、そんなことばかり言ってると謎を解いていくミステリーとして面白くなくなるので、これ以上いらないキャラを挙げるのはやめておきます…。

最後まで観ると評価があがる

ミステリー映画としてはクオリティがそこそこの本作ですが、ストーリー自体はメッセージもはっきりとありいい作品だったと思います。エリカの母とその友人たちの間で起きた悲劇が明かされるラストはしんみりと悲しくなってきます。一連の殺人事件の真犯人でさえも過去の大戦のせいであの悲劇が起きたという描き方で、やるせない気持ちになりました。あと、警官を殺害して刑務所に入っているフランスもヨーランになんとか母の存在を知らせてやろうとあの手紙を出したのだと考えると、過激派組織に入った“極悪人”のフランスの過去に何があったのかと想いを馳せてしまいます。

総評

ミステリーとしての出来はあまりよくありませんが、ストーリーはかなり良かったと思います。というわけで評価は7/10としました。

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ストーリー紹介

登場人物

エリカ:作家をしている女性。赤ちゃんが生まれる。

パトリック:警察官の男性。エリカの夫。

ヨーラン:エリカを訪ねてきて自分はエルシーの息子で、エリカと兄妹だと告げる。

エルシー:エリカの母。第二次世界大戦の時期にフランス、アクセル、エリック、ブリッタとは遊び仲間だった。

フランス:右翼の過激派組織ののメンバーだった男性。警察官を殺害し、現在は終身刑となり刑務所で服役している。

アクセル:作家の男性。

エリック:アクセルの弟。

ブリッタ:アルツハイマーを患う女性。

ハンス:大戦時ノルウェー人ながらドイツ軍に従軍していた男性。

ペール:フランスの孫。

エリカの両親が亡くなってしまう

エリカは両親を交通事故で亡くしてしまいます。それから半年後、夫のパトリックと生まれたばかりの赤ん坊を連れて両親の家に移り住むことに。

エルシーの息子と名乗る男が訪ねてくる

ある日、エリカを訪ねてくる男性がいました。その人物(ヨーラン)は、フランスという男から手紙をもらい、自分はエリカの母エルシーの息子でエリカとは兄妹の関係だと知ったと言います。怪しむエリカを見たヨーランは家を後にしました。その後、エリカは気になってヨーランに電話をかけます。しかし、ヨーランは宿泊先のホテルで謎の死を遂げていました。警察のDNA鑑定の結果、ヨーランの言っていた通り彼らは兄妹だったと判明。なぜ母はもう一人兄がいることを話してくれなかったのか。エリカは母の過去に何があったのか探ることにしました。

母の日記を発見する

エリカは家で母の遺品の中から日記を発見しました。そこには第二次世界大戦中、母が友人たち(フランス、エリック、アクセル、ブリッタ)と遊んでいたころの記録が残されていました。

母の旧友たちを訪ねる

エリカは母の過去を知るべく、母の旧友のエリック、ブリッタ、アクセルのもとを順に訪ねていきます。エリックに会いに行った際、彼が若者に殺されているのを発見。その若者はフランスの孫であるペールでした。ペールはそのまま警察に逮捕されます。

フランスと面会する

エリカは現在、終身刑で刑務所に入っているフランスと面会をしました。フランスによると強制収容所から逃れてきたハンスという人物がエリカの母と恋仲にあったといいます。エリカはもっと話を聞きだそうとしますがフランスは心臓発作で倒れそのままなくなってしまいます。

ブリッタが亡くなる

ブリッタは自宅で何者かに殺されてしまいます。

アクセルを訪ねる

エリカはアクセルの家を訪ね、ハンスについて話を聞きます。ハンスの話と記録に矛盾があることを告げると、ハンスはエリカに銃を向けます。アクセルはドイツ軍の情報を手に入れるスパイとして強制収容所に潜入するも捕まってしまい尋問の末、寝返ってしまったのでした。アクセルはハンスの話を続けます。強制収容所にいたアクセルはハンスがドイツ軍側についていたことを知っていました。アクセルが収容所から解放され自分の村に帰ったときにはすでに移住してきたハンスがエルシーと恋仲になり、エルシーは赤ん坊を身ごもっていました。アクセルは敵側にいたハンスが許せず、フランス、エリック、ブリッタを引き連れハンスを問い詰めます。そして、何度も暴行を加え殺してしまいます。その場にいたフランスたちとその出来事を口外しないと誓いあい、ハンスを地中に埋めてしまいました。エルシーが交通事故で亡くなったことがきっかけでその事実が明るみに出ることを恐れたアクセルはヨーランや、エリック、ブリッタを殺害していったのでした。

アクセルが逮捕される

アクセルは駆けつけた警察官によって逮捕されます。(おわり)

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解説

エルシーが孫の誕生を喜ばなかったのはなぜ?

エリカの赤ん坊が生まれた際、エルシーは孫の誕生にちっとも嬉しそうな様子ではありませんでした。これはハンスとの間に生まれたヨーランのことを思い出してしまっていたからではないでしょうか。ヨーランは自分の母がエルシーだと年をとるまで知らなかったことからエルシーはヨーランを育てることなく養子か何かに出したと思われます。そのことに対する負い目があったのではないかと考えます。

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