「ヴァーチャル・ウォー」映画感想ネタバレ(6/10点)SFアクションかと思ったらSF恋愛映画だった

今回は「ヴァーチャル・ウォー」を鑑賞しました。

恋人を亡くした女性がその恋人のAIを作り上げ、そちらの世界にのめりこんでいくというSFロマンス映画。

はっきりとした悪役がおらず盛り上がりに欠けるもの珍品として楽しめる作品になっていました。

個人的な評価は6/10点です。

作品情報

監督:ウルディス・シプスツ
出演:イルバ・センテレ、レニャールズ・ヴァイヴァーズ、アルトゥールス・スクラスティンス、イナラ・スラッカ、カーリス・カスキス
原題:TUR
製作年:2019年
製作国:ラトビア
リリース:2021-05-21
上映時間:83分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.0/10点、「フィルマークス」2.0/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
IT系の企業でシステムエンジニアをしていたグンデガは、本物の人間と同じレベルの感情、思考回路を持つAIの開発を行っていた。

そんななか、グンデガの恋人ライモンズが事故によって他界してしまう。悲しみに暮れたグンデガはライモンズのPCに蓄積された彼の感情や表情のデータをもとにしてライモンズそっくりの人格を持つAIを作り上げる。グンデガはライモンズのいる仮想世界にどっぷりとつかるようになる。

グンデガがすごいAIを作り上げたと聞いたグンデガの上司ウーナはライモンズの人格を一般客向けに改変し製品化を進める。

その結果、ライモンズはグンデガに対して突き放すような態度をとるようになる。さらに、ライモンズはネットのアクセスを拒否し面会を拒否してしまう。

それでも、グンデガはなんとかしてライモンズに会うことに成功するが、グンデガに現実世界で生きるべきだと諭され、永遠の別れを決断する。

感想

・設定がユルイ

システムエンジニアの女性が恋人の死をきっかけに、その恋人そっくりのAIを作り上げ仮想空間で再会を果たすが・・・というSFロマンス映画。

最近はだいたい毎日1本映画を見ていまして・・・。ホラーばっかり連続で見ていたらたまにはほかのジャンルも見たくなってSFアクションっぽい本作を選びました。ジャケットを見て勝手にVRデバイスでドローンとかを操って悪者と戦う映画と思い込んでいたんですね。どうしてそんな勘違いをしたのか謎ですが。実際には、SF要素のある恋愛映画で、Oh…となりました。あまり恋愛映画は得意ではないんでね…。まぁ一度再生ボタンを押した以上最後まで見なければいけないかなという謎の使命感で鑑賞終了いたしました。

あるIT企業でシステムエンジニアをしていたグンデガが、恋人ライモンズを事故で亡くし、その恋人そっくりのAIを作り上げる。次第に「AIライモンズ」のいる仮想世界にのめり込んでいくグンデガだったが、彼女の勤める企業は製品化するためにそのAIのプログラムを改変してしまう。その結果、AIライモンズがグンデガにこれまでと違った態度をとるようになってしまい…という内容。

人間と見分けがつかない頭脳を持つAIと仮想空間でコミュニケーションができるというちょっと先の未来に実現しそうなSF設定をベースに、恋人を亡くした人間の「もう一度恋人に会いたい」という切実な想いを描いた映画になっています。

はっきりとした悪役がおらず盛り上がりに欠ける映画です。一応ウーナが悪役の立ち位置だと言えますが、悪役としては中途半端なキャラになっています。偽物だとわかっていてもライモンズといつまでも一緒にいたいと願うグンデガと、成果を上げるためにそれを邪魔するウーナという対立構図をしっかりと作って描き切れば、かなり面白い映画になったと思うんですけどね。ウーナがグンデガのPCから会社のサーバにAIに関するデータを勝手に移したという展開からグンデガとウーナの仲が修復不能なレベルになるのかと思ったら、そのあとも普通に関係は続き、グンデガも普通にAIにアクセスできる状態のままという…。現実的な見方をしたら彼らも社会人で立派な大人だと思えば一度揉めても仲直りするのは当然かと思いますが、やはり映画としては物足りないんだなぁ…。ウールとグンデガの関係がなぁなぁで悪役不在の映画になっているというか。たとえば、いっそのこと企業を悪者にして、ウーナは企業の利益を上げたいというビジネスの方針とグンデガの「恋人といつまでもいたい」という切実な思いに板挟みになりながらも最後にはグンデガに手を差し伸べるキャラみたいな感じでもよかったと思います。

SF関連の描写も結構しょぼいです。仮想空間といってもどこかの廃墟とか操車場っぽいところとか味気ない場所でビジュアル的につまらないです。ライモンズが生きていたころにカップルで訪れたレストランで花びらが舞うシーンは仮想世界ならではでよくて、ほかにもこういう仮想空間ならではの場所とか演出があればなぁという感じです。

グンデガの弟が前半で登場したきりで「弟のキャラいるか?」とか、後半のマトリックスオマージュっぽい場面がダサイとか、なんでこの場面でこのBGM?という疑問がわく絶望的な音楽センスとか、あれこれ言いたいことが多い映画でもあります。ただ、そういう気になる点が多いからムカつくかというとそうではなく、ほほえましく思えてくる、そういう感じの映画です。

ジョニー・デップ主演のトランセンデンスなんかも細かいところの違いはあれど、死者をAI化するという点では本作と共通した要素があるのでもし気になったらどうぞ。アマゾンプライム会員なら現在追加料金なしで鑑賞できます。

まとめ

悪役不在で盛り上がりに欠けるSFロマンス映画という感じです。

稚拙な部分も楽しむつもりで鑑賞すると、意外と悪くない作品ではあります。

というわけで評価は6/10点としました。

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