「ウィッシュ・ルーム」映画感想ネタバレ(7/10点)願い事をなんでもかなえてくれる部屋があったら何を願う?

今回は「ウィッシュ・ルーム」を鑑賞しました。


ジャケットには主人公のケイトの顔のアップが、二つに割れたその顔の隙間からはケイトとその腕に抱かれるケイトの作り出した子供。二つに割れた顔が非常に不気味で不安な気持ちにさせられますね。

ある夫婦が移り住んだ家には願ったものを作り出してくれる不思議な部屋があった。そこで、主人公のケイトはその部屋に赤ん坊を作り出させて夫と一緒に育てることになるがそこから事態が大きく狂い始めるというスリラー映画。

願い事をかなえてくれるというキャッチーな設定や、その家を使ったギミック的な面白さなど見どころが多くありなかなか楽しい作品です。

個人的な評価は7/10点です。

作品情報

監督:クリスチャン・ヴォルクマン
出演:オルガ・キュリレンコ、ケヴィン・ヤンセンス、ジョシュア・ウィルソン、ジョン・フランダース、フランシス・チャップマン
原題:THE ROOM
製作年:2019年
製作国:フランス / ルクセンブルク / ベルギー
リリース:2021-02-03
上映時間:99分
映画サイトでの評価:「IMDB」6/10点、「フィルマークス」3.5/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
ニューヨーク郊外の一軒家に引っ越してきた夫婦(ケイト、マット)。

彼らはその家で隠し部屋を見つける。

そこはほしいものを唱えるとそれが目の前に出現するという不思議な部屋だった。

ケイトたちは食べ物や飲み物、お金など自分たちの欲しいものを次々と出現させ贅沢を楽しんでいた。

そんななか、ケイトはマットに黙って部屋に赤ちゃんを作らせてしまう。

夫婦はその赤ちゃんをシェーンと名付け育てることになる。

ある日、ケイトが散歩しようとシェーンを連れて家から出る。すると赤ん坊が成長し小学生ほどの姿になってしまう。

実は部屋によって作り出されたものは家から出ると劣化(成長)が進みやがて灰になってしまうのだった。

こうしてシェーンは家の外から出ることができない窮屈な暮らしを強いられることになる。

しかし、シェーンはそんな暮らしに対する反発心から自分で屋外に出てしまう。

さらに成長が進み体格が大きくなったシェーンは夫婦に襲い掛かる。命の危険を感じた夫婦はシェーンを家から出して灰にしてしまう。

その後、ケイトとマットはその家を離れモーテルで暮らすことになる。ケイトはモーテルの部屋で妊娠検査キットを使用し自分が妊娠したことを知り呆然としていた。

感想

・なんでも願いが叶う部屋を見つけた夫婦

ある夫婦が引っ越した古風な家には望んだものを目の前に出してくれる不思議な部屋があった。ウマイ料理・しゃれた服・お金…。夫婦はその部屋にあらゆるものを要求し贅沢三昧な日々を送っていたが、ある日妻が人間の赤ちゃんを出現させたことで事態は大きく狂いだす…というスリラー映画。

不思議な部屋が作り出した子供をある夫婦が育てるという話のため、生命とは何か?を問うような、あるいは子供が自分のアイデンティティに悩むような“深め”のドラマが展開されるのかなと思っていたのですが、別にそんな映画ではなく・・・。どちらかというとバリバリのエンタメ映画という感じで気軽に見ることができますよ。一方、そういう“深めの設定”はあくまで本作をエンタメとして仕上げるための舞台立てとか世界観の部分を担っているという感じ。こう書くと教訓めいたものがない映画かと思われるかもしれませんが、個人的にはそう言うわけでもない気がします。

・エンタメ作品としてちゃんと面白い

深めのことが意外にも語られないことは少し残念ではありますが、エンタメ作品としてはちゃんと面白く見どころがたくさんあります。望めばなんでも出してくれる部屋という根本の設定がまず面白い。自分だったら超でかい映画館作って貸し切りで映画見るかなぁ・・・と映画ブログ運営者として非常にありきたりなアイデアしか出てきませんが…。まぁ、もし自分だったら・・・とあれこれ妄想するのも楽しいと思います。話し戻しまして、電気コードが無数に絡みついた部屋のデザインとかも禍々しくて良かったですね。その家で過去に起きたとされるジョン・ドウの正体とかも(話の本筋には絡んでこないが)意外な驚きがあって楽しいあたり。あと部屋に生み出された子供が家の中に森を作る場面も、絵的な驚きがあって個人的に非常に好みのシーン。建物内に屋外空間が広がるっていうわくわく感がツボなんですよね。最近見たなかだとエスケープ・ルームも同じようなシーンがあります。後半はツイストの効いた展開があったり、知力を尽くしたバトルもなかなか見ごたえがあってテンションが上がりますね。

※ここからラストのネタバレを含みます。

・深くないようでいて意外と深い話…?

深い映画ではないというのはすでに書いた通りですが、終盤で夫婦の(部屋に作り出された)子供が朽ちていく姿を見て人という存在の儚さなんかを感じて意外と深いのか?と考えなおしたりもしました。なんというか、本気で悲しいというかむなしい気分になってしまいました。シェーンは家から出ると劣化してすぐに死んでしまうという設定があり僕たち人間とは違う存在に見えますが、生まれてきて老いて死んでいくという点では人間(や生命)そのものですよね。このシーンを見たあと、僕が日頃考えてることに思考がどんどんシフトしていってあれこれぐるぐると考えてしまいました。いつか必ず死んでしまう存在を産むことってよく考えると残酷なことじゃないか?とか。望んでいないのに生まれてきて充実した人生を送れと言われてもなぁ、どうせ死ぬのに、とか。いろいろ考えすぎてどんどんネガティブな気分に…。シェーン君には同情と共感しかありませんな…。

シェーン君に感情移入した分、シェーン君周りの描写が雑に感じてしまったりもしました。もっとここは丁寧に描けよ!と。たとえば、シェーン君は部屋に作り出された点や家から出られない点以外は人間と変わりない存在としてみていいのか?シェーン君が外に出て体が成長した際、頭脳も相応の年齢まで成長するのか?このあたりが疑問点としてノイズになって仕方がなかった。あと、ある夫婦が禁忌に近いやり方で生命を作り出した話なのに、その夫婦がデコイとして自分たちに似た姿の人間を作り出し身代わりとさせる描写はありなのか、これ?テーマが軽くなってないか?(あれは生命ではなく泥人形的な存在ということかもしれませんが説明は特にない)とか。

エンタメ度が増していくごとにテーマ設定がどんどん雑になっていくのはご愛敬という感じですね。

まとめ

エンタメ作品としては結構楽しめるのでオススメです。ただ、深げな話はあまり期待しない方がいいと思います。僕は、途中からその点割り切ってみるようにしました。

というわけで評価は7/10点としました。

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