「サイコハウス 血を誘う家」映画感想ネタバレ(10/10点)意外性重視で作られたスラッシャーホラー

今回は「サイコハウス 血を誘う家」を鑑賞しました。

貸別荘で休暇を過ごしていた男女4人だったが、シャワー室に小型カメラが仕掛けられているのを発見して…というスラッシャーホラー映画。

観客の裏をかくような演出などが面白い作品で、かなり楽しめました。

個人的な評価は10/10点です。

作品情報

監督:デイヴ・フランコ
出演:ダン・スティーヴンス、アリソン・ブリー、シェイラ・ヴァンド、ジェレミー・アレン・ホワイト
原題:The Rental
製作年:2020年
製作国:アメリカ
リリース:2021-05-07
上映時間:88分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.7/10点、「フィルマークス」2.8/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
チャーリーは妻のミッシェル、弟のジョシュ、弟の恋人であり自身の同僚でもあるミナと貸別荘で週末を過ごすことになる。

その日の夜、ドラッグなどをたしなみいい気分になっていたチャーリーとミナは、シャワー室で男女の関係になってしまう。

後日、ミナがシャワー室に盗撮用のカメラが仕掛けられていることに気づきチャーリーに相談する。

ふたりはテイラーが犯人だと疑って警察へ通報することも考えたが、浮気がジョシュとミッシェルにバレることを恐れカメラに気づいていないふりをしてやりすごすことに。

しかし、その後設備の修理にやってきたテイラーにミナがカメラが仕掛けられていたことを告げ「あなたが犯人ではないか」と問い詰める。

テイラーは自分ではないと主張し、ミナと揉め始めたところで騒ぎを聞きつけたジョシュがやってきてテイラーを殴って気絶させる。

4人が建物の外に集まって状況を整理していたところ、何者かが別荘にこっそりと入ってきてテイラーを殺してしまう。

一通り話し合いが終わった後、シャワー室に向かったチャーリーがテイラーが死んでいることに気づく。

自分たちのせいでテイラーが死んだと勘違いした4人は悩んだ末、テイラーが事故死したように見せかけるため死体を海に投げ捨ててしまう。

その後、カメラを仕掛けた張本人がマスクをかぶった状態で現れ4人に襲いかかる。

ミシェル、チャーリー、ジョシュが殺され、ミナは犯人から逃げている間に誤って崖から落ちて死亡。

全員の死亡を確認した犯人は、カメラなどの電子機器を別荘から撤去する。

そして、別の貸別荘にカメラなどを設置し次の標的の動きをカメラを通して確認しはじめる。

感想

・観客の予想を裏切ることに特化したホラー

貸別荘で休日を過ごすことになった男女4人のグループが恐ろしい目にあうというスラッシャーホラー映画。

俳優だけではなく映画監督としても活躍するジェームズ・フランコの弟デイブ・フランコの初監督作品とのこと。

今気づきましたが、主要キャラが兄弟設定なのはやはり監督自身に兄がいるからでしょうか。劇中にあった”ブロ(BRO)”ダジャレをフランコ兄弟も実際に使ってたら面白いんですが。

さて、映画に話を戻しますが…兄ちゃん同様腕あるな!と思った作品でしたよ。世間での評価はあまり高くないようですが、僕はかなり好きな映画で見ている間ずっと興奮しっぱなしでした。

一見すると平凡なスラッシャーホラー、いや他のスラッシャーホラーよりも盛り上がりに欠ける作品という感じですが、先の展開が読めなくて、着地点も見えないという僕の好みにバシッとハマった映画です。ずっとこういう映画ばっかり見ていたいなぁ…と、ホラー映画”ドローン”を見たとき以来の幸福感に包まれながら鑑賞していました。面白い映画はもっと他にもあるんだけど、これぐらいの軽いジャンル映画がちょうどいいんですね、僕には。

まぁ、毒にも薬にもならない本作や”ドローン”こそ自分の求める最高の映画だ!と声高に主張するのは若干気が引けますが、好きなんだから仕方ありません。

さて、本作の魅力はずばり観客の予想を裏切る要素を全体に散りばめてある点です。おそらく監督もそこを重視していたはず。

映画を見るときって「このあとこういう展開になるだろう」とか、「このキャラはこういう性格なんだな」と映画内の要素をある程度予想しながら見ると思います(ジャンル映画ならなおさら)。本作はその予想をあえて外すような展開、キャラの言動、ジャンルへの逆張りを各所に仕込んで、(言葉は悪いですが)映画の内容を見切ったと思っている観客に刺激を与え続け、安心させず落ち着かせないような作りになっています。

ということでここからはその予想を裏切る要素がどんなものなのかご紹介します。

まずは、「別荘で殺人鬼に殺される系」スラッシャー・ホラーっぽいのに犯人が一向に登場せず、殺人も行われない点ですね。いくら待っても犯人らしき人は現れず、主人公たちが普通に休暇を過ごしてやがる…という。こういう「スラッシャーホラー」なのに…でいうと、この殺人鬼走るんだ?!とかもありました。あとこの殺人鬼はスラッシャーホラーらしくマスクをかぶってるんだけど、そのマスクがシワとか質感とかよく出来ていて素顔に見えるときとマスクに見えるときがあって、見ながら「あれ?この犯人マスク被ってないな…いや、よく見たら被ってる…いや、やっぱり被ってないか…いや、これ被ってるな!」と相当惑わされてしまいました。これも「スラッシャーホラーなのにマスク被ってないの?」と観客に(一時的に)思わせる意外性のある演出ではないかと思います。

ほかにも予想を裏切られる要素として、主要キャラの新たな一面が垣間見えるという点があります。チャーリーは真面目かと思ったら恋人と別れる前に次の恋人を作るという恋愛スタイルだったり、ジョシュは頭空っぽのバカキャラかと思ったら、恋人であるミナと自分が釣り合ってないんじゃないかという悩みをかかえる繊細な面もある。ちなみにこのジョシュがミッシェルに悩みを打ち明ける砂浜のシーン、映像の美しさも相まってすごくいいんですよね。ミッシェルは酔ったら羽目を外すタイプなんだなとか、どのキャラも多面的に描かれていて意外な姿をみせてくれるので彼らを見ているのが楽しいです。そして、最後はミナですが、彼女は意外な一面をみせるというよりは、突発的な行動にびっくりさせられるという感じです。テイラーがミナに人種差別主義的な態度をとってきて、ジョシュが「ここは我慢して休暇を楽しもう」とミナをなだめて揉めるのを回避するんですが、のちにミナはテイラーがとった差別的態度に対して直接物申すことになります。「テイラーに文句言うわ」と周りに宣言せずにいきなり言うからびっくりするんですよね。もう一箇所同じようなシーンがあって、カメラが仕掛けられていたことをテイラーに黙っていようという話で落ち着いていたのに、これまたいきなりテイラーに「カメラが仕掛けられてたんだけど」と言ってしまう。ミナのキャラはこういういきなりな行動で観客をギョッとさせる面白さがあります。

予想を裏切る要素で楽しませてくれる本作ですが、普通に笑えて面白いという場面もあります。特にジョシュ関連はかなりいいです。彼はまず顔つきからして最高ですし、底抜けの明るさは見ていて楽しく、そして何よりそのバカさ加減がたまらなく面白い。ジョシュの独断で貸別荘に犬を連れて行くことになるのですが、それを知ったチャーリーとジョシュの車内でのやり取りなんかニヤニヤが止まりません。恐竜が隕石で絶滅したという話になってジョシュが「原始人は隕石が衝突して怖かったかな?」とつぶやき、チャーリーに「原始人と恐竜が共存してたと思う?」とツッコまれるシーンは一番の爆笑ポイントですね。チャーリーがツッコむまでの間も絶妙です。ジョシュ以外で笑える場面を上げておくと、ミッシェルが半ケツのテイラーを見て取る”舐めモーション”とか、ずさんすぎる死体遺棄とかも良かったですね。

まとめ

意外性重視で観客を楽しませるタイプのスラッシャー・ホラーという印象。

自分好みでかなり面白い作品でしたが、意外性を重視をしすぎて何も起きない時間が長く、終盤が盛り上がりに欠けるのは事実なので好みが分かれそうです。

先の展開が読めないことが面白いと感じられる人は楽しめるのではないかと思います。

というわけで評価は10/10点としました。

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