「死体語り」映画感想(ネタバレ)雰囲気は独特で良い

「死体語り」は2018年のブラジル製ホラー映画

結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

作品情報

監督:デニソン・ラマーリョ

キャスト
ダニエル・ドゥ・オリベイラ
ファビウラ・ナシメント
ビアンカ・コンパラート

原題:THE NIGHT SHIFTER

製作年:2018年

製作国:ブラジル

上映時間:111分

感想

全体に漂う独特の嫌な空気感はかなりいい。ただ物足りないところも。

死体安置所で夜勤をしているステーニョは、死者とコミュニケーションを取ることができる力を持っていた。ある時、彼は死者から秘密を明かされたことで危機に陥ってしまう。

※最初から重要なネタバレありでいきます。

いつもはネタバレなしとネタバレありを分けていますが、今回は最初からネタバレありでいきます。

ステニオは妻を間違って死なせてしまったことで、あの世から蘇った妻に仕返しされる…という話。

まず、序盤がいい。遺体を運び込む男ふたりがものすごく不謹慎で思わず笑ってしまいそうに。こういう不謹慎ネタで始まる映画ってワクワク感が普通の映画の何倍にも増してツボです。このあと起きる惨事への期待感が高まるんですよね、登場キャラがふざければふざけるほど。

遺体安置所で働くステニオは死者と会話する能力があり、遺体の処理を行うときなど死者とコミュニケーションをとってアレコレ他愛もない会話をしたりステニオにとって重要なことを教えてくれたり。遺体安置所で働く男がそこに運び込まれる死者と夜な夜な会話をしているという設定がまずいいですね。なんかいやなこと起きそう感がバリバリでホラー映画としては最高の設定じゃないですか?

死者が話すときは心の声としてではなく、実際に口や顔の表情を動かして話すスタイル。これがなんとも不気味でいいんですな…。別に遺体役の役者に演じさせることもできそうなのに、あえてCGで作ってるようで、しかも微妙にチープで、逆にそれが独特で嫌な怖さを生んでいました。

なかには自分が死んでいることに気づいていない死者もおり、未練のようなものを語る場面はなかなか切ない気分になりますね。ステニオは、ときには「妻に伝えてほしいことがある」といった死者の願いを聞いてやったりもしているらしい。

ステニオはある死体から「お前の嫁浮気してるぞ」と教えられ、ギャングを騙し妻の浮気相手、ジャイミを殺させることに。しかし、ギャングはジャイミと一緒にいたステニオの嫁・オデッテまで殺してしまう。ステニオは例の能力を使い、死んでしまったオデッテに「自分がギャングをけしかけて結果お前までも殺してしまった」と正直に告白。それに切れたオデッテは復讐のためあの手この手でステニオやその子供を追い詰めていく。アメリカとかだとオカルトホラーといえば悪魔がよく登場しますが、本作の場合は死者の怨念がテーマになっておりそこはかなり素晴らしい。悪魔って個人的には馴染みがなく、ゾッとする怖さを感じられないんです…。その点、死者の怨念だと日本の文化的にも馴染み深いし、身近に感じられますからね。それにしてもステニオだけではなく、その子どもたちにも手を出すとは死者の恨みって怖い…。彼らはオデッテの子供でもあるわけで。息子は口が悪く生前のオデッテに対し、ぎょっとする暴言を吐いたりと反抗的な少年ではありますが、そこまでするかね…?

ホラー映画的な恐怖描写としては遺体がしゃべるときの気持ち悪さは上記したとおりです。あとは遺体のディテールをしっかりと見せてくれたり、オデッテに殺されたと思われるギャングの遺体の口に皮膚片が詰め込まれていたりとか、コケオドシ的ではなく精神的にいや~な気持ちにさせる描写が特徴ですかね。死者となったオデッテの得体のしれない禍々しさをビンビンに感じました。付け加えると凧糸を張り巡らされた部屋をステニオが通り抜けるとことか思わず体に力が入ってしまいました(笑)

と、アメリカ的ホラー映画とは少し趣の違う本作をかなり楽しんでみていたのですが、ラストあたりでオデッテが人間に憑依してステニオに襲いかかる展開は正直ガッカリ…。なんか急にありきたりな映画になったな、と感じました。

オチの展開で、オデッテやジャイミなど劇中でステニオの行動が発端となって死んだ人々が走るステニオの後をついてくるシーンは不気味で良かったんですが・・・。

総評

基本的には面白い!独特ないや~な雰囲気があり精神的に削られてくるタイプのホラー映画です。ただ、終盤はありきたりになってそこがちょっと残念でした。

というわけで評価は8/10としました。

ストーリー紹介

遺体安置所で働くステニオ。彼には、死体と話すことができる能力がありました。

そんななか、ある死体から妻・オデッテの浮気を知らされます。そこで、嘘の情報をギャングに教え、オデッテの浮気相手・ジャイミを殺させます。

しかし、予想外だったのはその時ジャイミと一緒にいたオデッテも一緒に殺されてしまったことです。

帰らぬ人となったオデッテと遺体安置所で対面したステニオは、自分がジャイミをギャングに殺させたことを打ち明けます。

オデッテはステニオに指輪をつけられるという嫌がらせをされたまま埋葬されることに。

その後、ステニオの周りで不可解な出来事が頻発します。実はステニオを恨んだオデッテがあの世から蘇り復讐を果たそうとしていたのでした。

オデッテはふたりの子どもを連れ去られたくなければ、ジャイミの娘・ララを殺せとステニオに伝えます。オデッテはステニオが人殺しであることを子どもたちに知らしめたかったのでした。

ステニオはララを殺すのを拒否します。

やがて、オデッテはララに憑依し、ステニオやその子どもたちに襲いかかります。

ステニオは、以前オデッテの遺体にはめた指輪が、ララの指にある事に気づきます。

その指輪を外すとララは我に返りました。

ステニオは子どもたちに自分がジャイミを殺させるためにギャングをけしかけたと正直に話します。

そして、オデッテが子どもたちに危害を加えないよう、ララに子どもたちを託し家を出ていくことにします。

家を出て走り出したステニオの後ろをオデッテやジャイミたちがついてきていました。

おわり

参考サイト:ゲオ宅配レンタル


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