「フューリーズ 復讐の女神」は2019年のオーストラリア製ホラー映画。
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:トニー・ダキノ
キャスト:
エアリー・ドッズ
リンダ・ゴー
テイラー・ファーグソン
原題:The Furies
製作年:2019年
製作国:オーストラリア
上映時間:82分
感想
これは普通に面白かった!
高校卒業を控えたケイラは、ある夜、友人のマディと共に何者かに連れ去られてしまう。見知らぬ森で目を覚ましたケイラは同じように森を彷徨う女性たちと出会い…。
※最初からネタバレ有りでいきます。
個人的に「拉致された一般人が強制的に殺し合いをさせられる」系映画が何故かあまり好きになれません。おそらく、映画自体が人工物なのにさらにそのなかで人工的な設定を作り殺し合いをさせるというのがどうも嘘っぽくて乗れないというか、あまり怖く感じないわけです。
本作も一見ただの殺し合いゲームモノかと思いきやそこへ色んな要素を加えなかなか面白い作品に仕上げてきていました。まず、マスクをかぶった殺人鬼モノ要素が1個乗っかっていますね。主人公は謎の人物に拉致され見知らぬ森の中でマスクの殺人鬼に襲われることになります。しかも、殺人鬼は一人だけじゃない!どうやら8人ほどおり、殺人鬼同士も殺し合いをしているではありませんか…。このあたりの展開はそうきたかとテンションが上がってきます。さらに、面白いのは襲われる女性たちと殺人鬼たちがそれぞれ二人一組のペアになっている点。劇中では美女と野獣と表現されていましたが、殺人鬼はペアの女性を守りつつ(女性が死ぬとそのペアの殺人鬼も死ぬ)他の女性を殺していきます。このようになかなか凝った設定をたくさん盛り込みグイグイ観客を引き込んでいきます。
殺すときのゴア描写にもこだわりを感じました。特に最初に犠牲になる女性とかウワァ・・・という死に方ですごいです。斧を顔の側面に突き立てられじわじわと斧が肉に食い込み終いには顔全面の肉が全て削ぎ落とされてしまうという死に方です。他の犠牲者も色んなバリエーションで殺していくのでだんだんそこを注目しながら見るようになっていました。
殺人との攻防もなかなかスリリングで見ごたえがありました。殺人鬼は体格もよく武器を持っているので恐怖感がありますが、そこへ立ち向かっていくのはものすごくテンションが上ります。そして、無事倒したときのカタルシスはなかなかでしたね。
主人公の成長もこの尺の映画の割に真面目に描こうとしていると感じました。それが映画としてプラスかどうかは別ですが…。主人公は子供の頃から意識障害があり、友人のマディに依存する形で生きてきました。それが、このような殺し合いゲームに参加させられマディのいない状態で、今度は自分が別の人間(ローズ)を助ける側になります。まぁこのあたり、うまくドラマが描けている気はあまりしませんが、この尺でそれを描こうとしているのはなかなかすごいなぁと思いました。
あと細かいとこでいうとケイラとペアの殺人鬼のマスクが生理的な嫌悪感のある気持ち悪さで良かったですね。鉄っぽいマスクにところどころ穴が空いていてそこからなんかカスみたいなものが見えている(あれなんなんでしょうか?)デザインです。
あとはラストに殺し合いゲームをVRデバイスで見ている男が登場しますが、多分あんな映像をVRでみたら1分ぐらいで酔ってしまいますね。
総評
殺し合いゲームに色んな要素を加え超面白い作品に仕上げてあります。尺も実質1時間17分ほどですがそれを感じさせない満足感があります。これはなかなかおすすめです!
というわけで評価は9/10としました。
ストーリー紹介
大学への進学を控えたケイラは幼馴染のマディと遊んでいました。するとふたりはいきなり謎の人物に拉致されてしまいます。
ケイラが目を覚ますとそこは見知らぬ森で、そこにはマスクをかぶった殺人鬼から逃げ惑う女性達もいました。
ケイラは、森を抜け荒野へと逃げていこうとしますが、謎の装置に近づくと爆音がしてそれ以上進むことが出来ません。
殺人鬼も複数人おり、殺人鬼同士でも殺し合いが行われています。
ケイラは、ある殺人鬼の言動からこの殺し合いゲームのルールを推測します。殺人鬼たちと女性たちはそれぞれ二人一組のペアで、殺人鬼はペアの女性を守りつつ、その他の女性を殺すことを目的としているというのです。ペアの女性が死んでしまうとその殺人鬼は頭に埋め込まれた爆弾が爆発し死亡してしまいます。
そして、この殺し合いゲームは殺人鬼や女性たちの目に埋め込まれた装置によって監視されていました。
ケイラは金鉱近くにいるマディを助け、出口から一緒に逃げようと計画します。
途中、出会ったローズという女性とともにマディのもとへ向かい無事再開を果たします。そして、出口を目指しますがそこにあるはずの出口はどこにもありません。そこへマディのペアである殺人鬼が現れます。ちょうどそのタイミングでケイラの持病である意識障害がおこり、彼女は意識を失ってしまいます。
ローズはケイラを助けるためマディを殺し、そのペアである殺人鬼も頭部が吹き飛び死んでしまいます。
意識の戻ったケイラは、マディの死を目の当たりにし取り乱し、ローズに罵声を浴びせます。ローズは大声を上げその場を去っていきました。
ケイラは謎の装置をくぐり抜けるため、自らの目をえぐり取ります。こうして、ケイラはその場から逃げ出すことに成功しました。
後日、ケイラはある男の家に密かに侵入します。その男は、ケイラたちの殺し合いゲームをVRデバイスを使って鑑賞し楽しんでいました。ケイラはその男を痛めつけ他の会員の情報を聞き出し復讐を果たそうとしていたのでした。
おわり
参考サイト:ゲオ宅配レンタル
コメント