「ランニング・デッド/THE RUNNING DEAD」映画感想(ネタバレ)この主人公、強すぎ…


今回は2020年10月7日にリリースされた「ランニング・デッド/THE RUNNING DEAD」を鑑賞しました。

キャンプにやってきた父娘がゾンビに襲われるゾンビサバイバル映画。

小規模ではありますが、いいところも多い映画で結構気に入りました。

さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

幼い娘とキャンプにやってきたトム。しかし、あたりを突然ゾンビに囲まれてしまう。トムは娘を助けるため、大群が取り囲む中、生存スキルを発揮して生き延びるために戦うが…。

スタッフ・作品情報

監督:デビッド・マタロン

原題:THE CLEARING

製作年:2020年

製作国:アメリカ

上映時間:84分

キャスト

リアム・マッキンタイア
アンドリー・スミス
スティーブン・スワドリング
サイデル・ノエル

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中4.1点(554件の評価)。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

トムは、娘のミラと些細なことで口げんかになってしまい、関係を修復するためにふたりでキャンプに行くことになります。

帰りたいと不機嫌なミラと、何とかミラを説得しキャンプを楽しもうとするトム。そんなふたりを大量のゾンビが襲います。トムは、停めてあったキャンピングカーに逃げ込みますが、ミラは別の方向に走っていきます。キャンピングカーはゾンビに囲まれ、トムがミラを助けに行けるような状況ではありません。

トムは、キャンピングカーに群がるゾンビとの攻防を何日も繰り返しながら、ミラを助ける機会をうかがいます。

そんなある日、キャンピングカーに近づいてきた一体のゾンビがミラの来ていたジャケットを持っているのを発見。

トムは、ミラが死んだと考え、絶望し、銃を口にくわえますが、直前で思いとどまりました。


ここから重要なネタバレあり


トムは、キャンピングカーから車に飛び移り、発進させその場から逃げようとしますが、ゾンビに邪魔され、車は少し走ったところで木に衝突。ゾンビに囲まれ、どうしようもなくなり、仕方なくキャンピングカー近くにあったガスボンベを銃で撃ちます。これで、その周辺にいたゾンビは全滅。

トムは、歩いてミラを探し回り、無事再開を果たしました。

ここでエンディング。

感想

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

キャンプをしていた父娘がゾンビに襲われるワンシチュエーションのサバイバルゾンビ映画。

小規模で、展開もよくある感じですが、魅力的な要素のおかげでそこそこ楽しめました。父娘のわだかまりが丁寧に描かれる序盤。その後、父娘がゾンビに襲われ父はキャンピングカーに立てこもり、どこかへ逃げて行った娘を助けるチャンスをうかがう、と。キャンピングカーでのトムとゾンビの攻防がメインとなるワンシチュエーションのサバイバル映画です。トムがゾンビに襲われるシーンは勢いがあり、ちょっと笑ってしまうレベルで最高にイイです。ゾンビのメイクにもこだわりがあってここまで気持ち悪いゾンビはなかなかない。オチは、盛り上がりに欠けていて、もっとどうにかできたんじゃないかとは思います。

ということで上記のポイントについて語っていきます。

仲の悪い父と娘

序盤は父と娘の険悪な関係が描かれています。のちに父娘が離れ離れになる展開へのセットアップですね。小学生高学年ぐらいの娘・ミラのキャラは、この年代ならではの繊細さがよく描かれていて、親に対して抱く気持ちもリアルでイイ。ミラは、父親のトムが実はキャンプじゃなくて自分の友達と遊びに行きたがっていたということを指摘するシーンは観ている僕もドキッとしてしまいました。このあと、ゾンビに襲われ、ふたりは離れ離れになるわけですが、こうして事前に父と娘の関係を丁寧に描いたおかげで、トムの娘を助けたいという思いが観客にも響くようになっています。

ワンシチュエーションのサバイバル映画の魅力

本作を観てワンシチュエーションサバイバル映画は面白いと改めて感じました。

キャンプをしていたトムとミラがゾンビに襲われ、トムはキャンピングカーに逃げ込み、一方、ミラは別の方向に走って逃げていき姿を消してしまう。トムは、ゾンビに囲まれているキャンピングカーに立てこもりながらミラを助ける方法を模索していく。このように、本作はキャンピングカーとその周りが舞台のワンシチュエーションのサバイバル映画です。世界を大きく使って、ゾンビから逃げ回るゾンビ映画もいいですが、こういうワンシチュエーションならではの魅力というものもあります。なんといっても、挑戦と失敗を繰り返すのみのシンプルな展開が最大の魅力。常に危険にさらされている状況なので、余計なドラマが入り込む余地がなく、映画自体のテンションを高いまま維持しやすい。そのおかげで、観客は、観終わった後にどっと疲れるぐらい集中できて、濃厚な鑑賞体験が味わえます。

本作では、トムがゾンビに囲まれている状況を打開しようと、ゾンビの待つキャンピングカーの外に出て、その結果ゾンビに襲われるという「挑戦と失敗」が何度も繰り返されます。もうこれだけでも、結構な満足度ですが、それだけではありません。本作最大の特徴と言えると思いますが、主人公のトムがめちゃくちゃ強いのです!トムは体幹が強いのか複数のゾンビに組みつかれても競り負けしません。こんだけたくさんのゾンビに一気に襲われたら、普通のゾンビ映画だったら完全に食われてるか、最低でも体のどこかを噛まれるかしていると思います。でも、トムはゾンビを素手でボコスカ殴り無傷で生還。これが何度も繰り返され、どんどん楽しくなっていき、僕のほおは緩みっぱなし。ゾンビと戦うときには、毎回これでもかという危機感をあおる音楽がかかり、ゾンビを殴るときの効果音もコメディ、いやコントっぽい。映画自体のトーンはまじめだけど、こういう抜けのよいバカっぽさも持ち合わせていて、非常に愉快な映画になっています。こうして記事を書いている今も思い出してわらけてきます。

トムはゾンビを知っている?

わらけてくる、というか、なんか面白くてにやけてしまう要素はほかにもあります。それは、トムがゾンビというものを知っているのか?ということ。これだけだとわかりづらいと思うので詳しく説明します。ゾンビ映画には、ゾンビという概念が存在する映画と、存在しない映画があります。その世界にゾンビ映画やゾンビゲームなどが既にあって、「フィクションだったはずのゾンビが本当に現れた!」というスタンスなのが、「ゾンビ」という概念が存在する映画。一方、「ゾンビ」という概念が存在しない映画の場合、「腐っていてヒトを襲う人間のような何か」を劇中のキャラがみてもそれをゾンビだとは思わないし、その世界ではゾンビを「ウォーカー」とかいう別の名前で呼んでいます。

本作の場合、この世界に「ゾンビ」というコンテンツが存在するのかしないのか、はっきりと明かしていません。トムも、(一人劇なので当然ですが)「あれはゾンビだ」とかいうセリフを言わないため、彼が劇中のゾンビをどういう存在だと思っているかもわかりません。でも、彼はゾンビに襲われたあと、自分の体に噛まれた跡がないかと確認したり、噛まれないように手足に布を巻くというゾンビ映画でよくみかけるゾンビ対策を施す。

トム、明らかにゾンビのこと知ってるし、ゾンビ映画も観てるやろ!

でも本当にゾンビというものを知っているかは最後まで謎のまま。このように、襲ってくるゾンビに対する認識は明示しないけど、キャラはゾンビを知っているような行動を見せる。このアンバランスさがおもしろい。

気持ちの悪いゾンビ

ゾンビの体にはウジ虫が湧いていて、それがやたらと強調されるカットも多いです。ゾンビがこれほど気持ち悪い映画もなかなかないように思います。腕にウジ虫が湧いていて、もののけ姫のアシタカを思わせるゾンビなんかもいました。もののけ姫のキャッチコピーは「生きろ」。本作のジャケットにあるキャッチコピーも「生きろ」。これはもしかしてこのアシタカゾンビから発想されたキャッチコピーでは…ってそんなわけないですね。

気持ち悪いゾンビが見たかったら本作はおすすめです。


ここから重要なネタバレあり


オチは残念

オチは弱くて盛り上がりに欠けます。トムがキャンピングカーの周りのゾンビを一掃して、歩いてミラを探し回り、隠れていたミラと無事再開。この場面、ミラが襲わている状況でトムが助けるという展開を入れたほうが絶対盛り上がると思うんですが。ただ、隠れたところを見つけてエンディングというのは少し寂しい。

総評

テンションの高いゾンビとのバトルが楽しいゾンビ映画でした。ワンシチュエーションサバイバル映画としてもなかなかいい出来でした。ゾンビ自体のメイクの気持ち悪さも必見です。欠点はほぼありませんが、オチが弱いのは気になりました。あとは、規模が小さい映画なので、世界を広く使ったゾンビ映画が好きだという方は、物足りないと感じるかもしれません。

ということで、評価は8/10としました。

参考サイト:ゲオ宅配レンタル

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