「ストレンジ・アフェア」映画感想(ネタバレ)予想のつかない展開が面白いスリラー


今回は2020年月日に公開・リリースされた「ストレンジ・アフェア」を鑑賞しました。

ロニーが死んでから5年後、その家族のもとにロニーの元恋人・メリッサが現れ、兄の子供を妊娠していると言う。果たしてその真相は?!

これは非常に自分好みで面白い作品でした。

さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

フィリップの兄の事故死から5年、家族の元に兄の恋人メリッサが突然現れ兄の子供を授かったと言う。果たして真実は−−

スタッフ・作品情報

監督:ローワン・アターレ

原題:Strange But True

製作年:2019年

製作国:カナダ

上映時間:2019年

キャスト

ニック・ロビンソン
マーガレット・クアリー
エイミー・ライアン
グレッグ・キニア
ブライアン・コックス
ブライス・ダナー
コナー・ジェサップ
ジャナヤ・ステファンズ
メナ・マスード
サラ・アレン

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中5.8点(2744件の評価)。

国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中3.2(132件の評価)。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

フィリップは、自転車事故で足に大けがをして、現在は母・シャーリーンが住む家に一緒に住んでいます。

そんなある日、ひとりの女性が家を訪ねてきます。

その女性は、5年前の自動車事故で亡くなったフィリップの兄・ロニーと付き合っていたメリッサです。

メリッサは、現在妊娠していて、おなかにいる子供はロニーとの間に出来たと話します。しかし、ロニーが亡くなったのは5年前。時期的にロニーの子供である可能性はほぼありません。

しかし、メリッサはロニー以降に付き合った人間はおらず、霊能者にも相談し、その結果、ロニーの子供だという確信を持っていました。

メリッサは、両親との関係がうまくいっておらず、実家を飛び出し、現在は田舎にある一軒家でひとり暮らしをしていました。近所に住むビルとゲイルの夫妻とは親子のような関係となり、頻繁に交流しています。


ここから重要なネタバレあり


ある日、ゲイルは自宅の地下室でビルのものと思われる睡眠導入剤を発見します。そして、その薬でビルがメリッサを眠らせ襲ったのだと勘づきます。メリッサのおなかにいるのはビルとの間の子供だったのです。

ゲイルがそのことでビルをとがめます。二人はもみ合いになり、ゲイルが階段を転げ落ち、首の骨が折れて死亡してしまいます。

一方そのころ、フィリップはメリッサの家を訪れ、彼女の妊娠について話をしていました。その後、メリッサの陣痛が始まり、フィリップが車で病院に連れていくことになります。車に乗り込んだところで、メリッサは、ビルとゲイルを呼んできてほしいとフィリップに伝えます。

フィリップはビルたちの家に行き、ビルとその横に倒れているゲイルを発見します。

そこに、行き先も伝えず外出した息子を心配したシャーリーンから電話がかかってきます。メリッサのところに来ていることを話した後、スマホを下に落としてしまい、すぐにビルが銃をもって追いかけてきます。

そして、しばらく逃げた後にフィリップは捕まってしまいます。

シャーリーンと、その元夫のリチャードは、ビルたちの家にやってきて、そこで、ゲイルの遺体を見つけます。さらに、近くの木材加工所でビルと、生き埋めにされかけたフィリップを発見。追い詰められたビルは自分の銃で自殺します。

自分で車を運転し病院にたどり着いたメリッサは、赤ちゃんを出産しました。後日、赤ちゃんに会うため、フィリップ、シャーリーン、リチャードがやってきてました。

ここでエンディング。

感想

※はじめから重要なネタバレありで行きます。

ロニーが死んでから5年後、その家族のもとにロニーの元恋人・メリッサが現れ、兄の子供を妊娠していると言う。果たしてその真相は?!というミステリー映画。

これは面白い!事前に一切情報を入れずに観たほうが楽しめるタイプの映画なので、鑑賞したあとにこの感想を読んでくれるとありがたいです。


ここから重要なネタバレあり


予想のつかない展開

「すでに死んでいる男性の子供を宿した」という設定からして、もう最高に引き付けられます。メリッサとしては、ロニーの死後に他に付き合った人はおらず、父親の心当たりがない。霊能者にも見てもらって、本気で死後の世界にいるロニーとの子供だと信じている、と。じゃあ、この話はオカルト系に進んでいくのかなと思いながら鑑賞を続けます。このあとの話は、ロニーの母・シャーリーン、そしてロニーの弟・フィリップがそれぞれ妊娠の理由を探っていくパートになっています。シャーリーンはメリッサの話を信じておらず、あくまで現実的な方面でメリッサがロニーの子を授かった理由を探っていく。一方、フィリップはメリッサの言うことを完全には否定せず、メリッサが頼った霊能者に会ったりしていく。この段階では、まだこの映画がどういう展開で話がすすんで、どういう着地をするのか検討がつきません。オカルト要素を含んでいるので幽霊が出てくるホラーになるんだろうか?とか、それとも、メリッサが妊娠したと嘘をついてフィリップたち家族を陥れたいんだろうか?とか、それとも別の理由が・・・?と。話の方向が見えず、混乱させられる感覚が好きな僕は、本作を非常に楽しめました。

明かされた真相に唖然?

シャーリーンが妊娠の理由を探るうちに、元夫・リチャードとメリッサがひそかに交流があったことが明らかになり、余計話が複雑になっていく。また、メリッサの近所に住む老夫婦なんかも登場し、さらにさらにややこしい話へ・・・。もうこの辺の展開は、混乱させられるのが好きな僕としてはたまらなく面白い。

そして、いよいよメリッサ妊娠の真相が明かされます。ここは観た人誰もが驚くはず…。僕としては、なんとなく高次元の話を絡めた素敵な理由があるんだろうと思っていましたが、実際には下世話で胸糞の悪い話で、呆れて同時に恐ろしくもなった。観終わった後に振りかえると、真相はあまりにも単純。フィリップやシャーリーンの調査シーンをバサッと切っても、話の展開上は問題ない。真相は彼らの調査とは関係ないところで明らかになるわけだから。ただ、この映画は、大切な家族の一人を亡くしたあとの家族を描く話でもあるので、必要ないシーンではない。シャーリーンはロニーを亡くしてから職を失ったり、常に周りに当たったりとかなりロニーの死をずっと引きずっています。フィリップも、ロニーの死をきっかけにして事故にあった(というか起こした)ということが明らかになるし。リチャードもロニーのことを思いメリッサに金銭的な支援をしていたり。家族の死がどれほど残された家族を悲しませるのかがよく伝わってくる映画だと思いました。

ラストシーンは後味悪い

ラストシーンは、多くの方が、かなり戸惑うんじゃないかと思います。メリッサが無事出産し、赤ちゃんを見にフィリップたち家族がやってきて、ハッピーエンドっぽい雰囲気のまま終了。ロニーがその赤ちゃんの父親ではないし、もう真相を知る者は誰もいない。彼らにとっては死後の世界にいるロニーが父親ということになっている。なぜこういうラストにしたんだろう。知らないほうがいいこともあるというメッセージなのか?それにしてもメリッサが妊娠した理由はあまりにもひどくすっきりと受け入れられるものではないし。あるいは、家族を亡くした人間は、たとえそれまで信じていなかった超常的な出来事であっても、そこに亡くなった家族の存在を感じると結局は信じてしまうという人間の弱さを描いているのか。イマイチ話がつかめません…。まぁ、とにかく、家族を亡くしたつらさは伝わってきたので、製作者としてはそれでよしと言う感じかもしれません。

総評

先の読めない展開、明かされる真相のどぎつさ、など自分に合った映画で最初から最後までめちゃくちゃ楽しめました。

ちなみに、2回目鑑賞すると、ビルとメリッサが一緒に登場する場面は全部こわい。帰宅したビルが「世界で一番好きなふたり、いやふたりと半分だ」と言うところとか、「男は人生の経験を後世に伝え残したいと願う」とメリッサに言うところ。一回目とは、見え方が違ってゾッとする恐怖感が味わえます

ということで、評価は10/10としました。

参考サイト:IMDB/フィルマークス/テアトルシネマグループ

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