今回は「タイムリミット 見知らぬ影」を鑑賞しました。
車に座席から離れると起爆する爆弾を仕掛けられ車から降りられなくなった男が犯人の指示通り身代金を集めることになるが…という内容。
ハラハラできる場面も多くおすすめできる1作です。
個人的な評価は/10点です。
作品情報
監督:クリスティアン・アルバルト
出演:ヴォータン・ヴィルケ・メーリング、ノラ・ウエッツ、ジャスミナ・アル・ジハイリ、クリスティアーネ・パウル、ファーリ・ヤルディム
原題:Steig. Nicht. Aus!
製作年:2018年
製作国:ドイツ
リリース:2020-07-29
上映時間:109分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.8/10点、「フィルマークス」3.7/5点。
ストーリー紹介
感想
カールという男が車で自分の子供たちを送っている最中に、謎の男から脅迫電話を受ける。その男は、カールの車に座席から離れると爆発する仕組みの爆弾を仕掛けたという。カールは子供たちを助けるため犯人が要求する金額を集めることになるが・・・。
自分や子供が乗っている車に仕掛けられた爆弾を解除するため犯人と攻防する姿を描いた、「スピード」っぽいサスペンス映画です。
・しっかりとハラハラさせてくれる良作映画
車の中というワンシチュエーションで観客の緊張感を途切れさせない・飽きさせないというのは結構難しいと思います。その点、本作はうまくいっているところとうまくいってないところがあったと感じました。
やはりなんといっても、爆弾が仕掛けられた車に乗った状態で犯人の要求に応じていく、というそもそものコンセプトが面白いしハラハラしますよね。コレ自体よくある設定ではあるんですが、色々と危機的状況をぶっこんで、観客を飽きさせません。息子が怪我をして一刻をも争う状況をつくったり、さらに警察に車を包囲させ、息子の治療を遅らせたり。観ていて、まどろっこしいけど、そこが面白い!伝統的建造物が多く立ち並ぶ地域の中にある広場というロケーションも重厚さがあって映画としての華やかさがあります。爆弾処理班が車に仕掛けられたのがどんな爆弾か調べ、車から子供たちを救助しようとする場面もかなりの緊張感があり良いですね。
また、「静」と「動」をうまく操り観客をワクワクさせ続ける手腕は素晴らしい。車を走らせながら犯人の要求を聞く序盤、警察に囲まれ停車している時間の長い中盤、そして、警察の包囲を抜け再び車を走らせる。この、動→静→動の構成がまさにジェットコースターに乗っているようで楽しくなってきます。しかも、終盤の車を走らせる場面、カールの車と警察車両をワンカットで捉える超こだわりのあるシーンでさらにテンションが上ります。
カールのこれでもかという追い詰められっぷりも見どころです。車に爆弾が仕掛けられたという危機的状況なのに、さらに妻が不倫していることを知ったり、会社を解雇になったり。自分がこれだけ追い詰められたら正気でいられるだろうかとついつい考えてしまいます。またいいのが、カール役の俳優の声ですね。しゃがれているといえばいいのか特徴的な声で大声でなにか叫ぶときの悲壮感が観ていて苦しくなってきます。
・専門用語が多くて退屈に感じた場面も
いい所も多い映画ですが、ここちょっとな…と思うところもありました。
まず、カールが犯人に大金を支払うため、自分の勤める会社の社員に電話をかける場面。非協力の原則とか共同経営者の電子署名とか、オフショア無記名口座とか、自分にとって馴染みのない用語などがたくさんでてくるので、いまいち何を言ってるのか頭に入ってこない…。デティールを語ることで話にリアリティが出そうとしているのはわかりますが、もうすこしわかりやすい内容にしてほしかった。というか、このカールが会社の人間や妻と話をしている場面は絵的に退屈ですね。ただ電話しているカールの顔が映るだけなので。爆弾を仕掛けられた車というシチュエーションを生かしたアクションとか観たかったですけどね。
まとめ
きっちりハラハラさせてくれる乗り物に爆弾仕掛けられた系スリラー映画です。
基本的には見どころの多い映画で、キアヌ・リーヴスの「スピード」系映画が好きなら楽しめると思います。
難点としては専門用語が出てきて話がややこしいところがあるのと、上映時間が長いことです。
というわけで評価は7/10点としました。
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