今回はNETFLIXで配信中のスラッシャーホラードラマ「スクリーム シーズン1」をご紹介します。
本作は1996年の大ヒットホラー映画「スクリーム」のドラマ版です。現在、シーズン3まで作られており(日本での配信はシーズン2まで)、これから紹介するシーズン1は10話構成となっています。
この記事では、ストーリーとキャラの紹介、見た感想をお届けします。結末について触れた部分があるので、ご注意ください。
あらすじ
正体不明の人物がかつてレイクウッドで起こった殺人事件の犯人を思わせる出で立ちで、この町に住む主人公エマの周囲の人間を次々と殺していく。犯人はエマとその母マギーにある恨みを持っていて、この親子を精神的に追い詰めながら最後に殺すつもりだった。真犯人はいったい誰なのか?!
登場人物
(↓ジョージ・ワシントン高校の生徒)
エマ・デュヴァル:ウィルと付き合っている女子高生。主人公。母親はマギー。
オードリー・ジェンセン:バイセクシャルの女子高生。ノアと仲が良い。
ノア・フォスター:殺人鬼オタクの男子高生。ホビーショップで働いている。
ブルック・マドックス:教師のブランソンと付き合っている女子高生。父親はクイン・マドックス。
ウィル・ベルモント:エマと付き合っている男子高生。バスケットボールに打ち込んでいる。
キーラン・ウィルコックス:アトランタから転校してきた男子高生。父親は保安官のクラーク・ハドソン。
(↓その他の大人たち)
マギー・デュヴァル:エマの母親。検視官。
クイン・マドックス:ブルックの父親。市長を務めている。
パイパー・ショウ:ネットラジオ「犯罪の真相」でパーソナリティを務める女性。
ストーリー紹介
各話で起きた主な出来事を紹介します。ネタバレにご注意ください。
第1話 秘密と嘘
・レイクウッドという小さな町にあるジョージ・ワシントン高校の生徒ニーナが自宅でマスクをかぶった人物に殺される。
・ニーナが死んだことで、ブランドン・ジェームズという男の再来だと噂されはじめる。通説では、こう言われていた。ブランドンは醜い外見で家に引きこもり、外出時は必ずマスクを着用していた。デイジーという女性に恋をしハロウィンパーティーで勇気を出して話しかけるがマスクを取った瞬間デイジーに叫び声をあげられる。周りにいた酔っ払いがデイジーを守るためブランドンをリンチする。この件をきっかけにブランドンは5人の生徒を殺害。後日、レン湖の桟橋でデイジーと会うが周辺で待機していた警察に銃で撃たれ湖に沈んでしまう。
・ニーナの友人でもあった高校生エマの家の玄関に差出人不明のプレゼント(動物の心臓)が置かれる。デイジーという人物宛てでこれはエマの母マギーの別名である。
・エマに謎の人物から脅しめいた電話がかかってくる。
第2話 やあエマ
・オードリーとのキス動画が拡散され精神的にまいっていたレイチェルがマスクの殺人鬼に殺される。
・ネットラジオ「犯罪の真相」でパーソナリティを務めるパイパー・ショウが番組内でニーナ殺人事件を取り扱うことになり、エマやノアたち高校の生徒にインタビューを始める。
・マスクの殺人鬼がニーナの死体と自撮りした動画がジョージ・ワシントン高校の生徒のスマホに送られてくる。
・エマに再び不審な電話がかかってくる。
第3話 ゲームへの招待状
・エマはブランドンがエマの母マギーに恋をしていたことを知る。
・エマの友人であるライリーが警察署の屋上で殺人鬼に殺されてしまう。
第4話 追い打ち
・ニーナ殺害の容疑者として追われていたタイラーの車が川で見つかる。中からは首無しの死体と殺人鬼のマスクが見つかる。
・エマが殺人鬼から受け取ったメッセージをヒントにエマ、オードリー、ノアの3人は廃病院へ向かう。そこはブランドンが顔の整形手術を繰り返し受けた病院だったことが判明。さらに、エマたちは殺人鬼のマスクとタイラーのものと思われる生首を発見する。
第5話 暴露
・教師のブランソンが宿題のデータの中にマルウェアを仕込んでいた証拠をノアがつかむ。宿題データをダウンロードするとその端末のカメラで撮影が遠隔で行えるようになる。ニーナとライリーの二人もこの1件に関与していた証拠も見つかり、口封じのためブランドンが二人を殺したのではないかとノアとオードリーは考える。
・ウィルとジェイクが世に出回ったらまずい動画をネタにブルックの父であるクインを恐喝し金を奪い取る。しかし、ジェイクの恐喝のやり方に納得がいかなかったウィルがジェイクに文句を言い二人は仲たがいする。
・クインに対する恐喝をウィルが一人でやったことだとジェイクはブルックに嘘をつく。その動画の中身はビニールに包まれた遺体をクインが車のトランクから引っ張り出しているものだった。ブルックはその遺体が自分の母ではないかと疑う。
第6話 裏切り
・廃病院で見つかったマスクにオードリーのDNAが付着していたことから警察はオードリーが一連の殺人事件の犯人ではないかと考え、彼女の取り調べを行う。オードリーはこっそりとエマに電話し、ニーナが殺害された日に自分が映った映像が入ったSDカードを壊してほしいと依頼。エマとノアはオードリーの家でSDカードを発見し、警察が家に立ち入る前に持ち去る。中身は、キス動画をニーナに撮られ拡散されたことにオードリーが怒り、殺してやると息巻く姿だった。
・マギーは自分が子供時代に住んでいた家までエマを連れていく。その隣にはブランドンが住む家もあった。マギーとブランドンは幼馴染で、高校時代に恋人だったケヴィン(マギーの元夫)とうまくいっていなかったマギーに対し別れるようにブランドンは説得していた。それを知ったケヴィンはブランドンと喧嘩になり殺されかける。しかし、世間で言われている、ブランドンが生徒を何人も殺したことはうそだとマギーは言う。そのあたりの事情を聴こうとマギーはレン湖の桟橋にブランドンを呼びだすが、それを知ったケヴィンが警察に通報しブランドンは撃ち殺されてしまう。マギーはブランドンの死を自分のせいだと後悔していた。
・エマは、刑事に対しオードリーが無実であると嘘を交えながら訴えかけ、オードリーは釈放される。
・ウィルはクインへの恐喝の罪を償うため、巻き上げた金と動画ファイルをクインに返す。ウィルは特ダネを探していたパイパーをその後ろでこっそりと待機させ二人のやり取りを聞かせていた。クインが帰った後、ウィルたちのもとに殺人鬼が現れ、二人を襲う。パイパーは後ろに倒れ頭を打ってしまう。ウィルはナイフで刺され、そのままどこかへ引きずられていく。
第7話 手のひらの上で
・エマ、ブルック、ジェイク、ノアの4人は行方が分からなくなったウィルを探すため、彼のケータイのGPSを頼りに閉鎖済みのボウリング場にやってくる。建物の中で重傷を負ったウィルを発見。その後、マスクの殺人鬼に襲われたジェイクがナイフで刺されるが命は助かる。そこへ警察が駆け付けてきて、殺人鬼は逃亡する。
・エマは家に遊びに来ないかとウィルの家に誘われ車で家を訪れるが、刃物のついた農機具の前に体を縛られた状態で座らされるウィルを発見。エマが助けようと近づくと、足元のワイヤーにつまずき農機具の刃物がウィルに振り下ろされ死亡する。
第8話 亡霊
・ブルックはパイパーと協力し父のクインが死体を運ぶ映像を警察に見せる。クインが殺人鬼だと考えた警察は彼を容疑者として留置所に収容する。
・エマはウィルの残酷な死に方にショックを受け、幻覚をたびたび見るようになる。
・マギーとブランドンの間に子供ができていたことをエマが知る。そのときマギーは16歳と若く、生んだ後赤ん坊を養子に出したという。エマは養子がこの町に戻ってきて殺人を行っているのではないかと疑い始める。
・オードリーとノアがブランソンのものと思われるナイフを発見し警察に知らせる。警察はブランソンを署に連行する。
第9話 ダンス
・マギーとブランドンの間にできた子供が誰か探るため、エマはパイパーとともにブランドンの母キャシーの元を訪れる。キャシーはブランドンの息子が最近会いに来たという。エマがそれはセスという名前かと聞くとそうだとキャシーは答える。
・オードリーはレイチェルがかつて撮影した映像の中に、ニーナ殺害の前日にキーランがニーナとバーにいた映像を見つけ、キーランが殺人鬼ではないかと疑い始める。オードリーはエマにその映像のことを話すが、彼女は信じなかった。しかし、パイパーがエマの元にやってきて、ブランドンの息子はセスではなく、キーランの間違いだったことを告げる。
・留置場からブランソンが脱走する。
第10話 真相(最終話、犯人の正体)
・ハドソン・クラーク保安官がマスクの殺人鬼に殺される。
・ブルックの家にブランソンがやってきて、自分から留置場から逃げ出したのではなく殺人鬼がやってきて逃がされたことをエマに弁明する。ブランソンはその後どこかに姿を消す。代わりに殺人鬼が現れる。
・ブルックの家にエマ、ブルック、ジェイク、キーラン、ノア、オードリーが集まる。ブルックとオードリーが襲われるが無事だった。
・エマが電話で殺人鬼からレン湖の桟橋に呼び出される。殺人鬼の要求通り一人で桟橋に行くと、そこにはマギーが縛られた状態で椅子に座らされていた。そこに殺人鬼が現れ、マスクを取る。殺人鬼の正体はパイパーだった。パイパーは自分の父親ブランドンがマギーのせいで撃たれて死んだことや、自分がマギーに捨てられたこと、エマだけが幸せに生きてきたことを恨んでいた。パイパーはエマとマギーを殺し、その罪を車のトランクに押し込んでいるブランソンに罪を着せようと考えていた。マギーがパイパーに殺されかけたそのとき、オードリーが現れパイパーを銃で撃つ。パイパーは湖に落ちるが再び水面に姿を現したためエマが銃を手に取り頭を撃って殺す。
・トランクの中にいたブランソンが生きたまま保護される。
・パイパーの死によって一連の殺人事件が終幕を迎えるが、ウィルとパイパーを襲ったマスクの人物が誰なのかいまだ謎のままである。
感想
ここからは、「スクリーム シーズン1」の感想です。
一言でいうと…
なかなか面白い!ただし、4話まで我慢する必要あり!
というのが率直な感想です。
なぜ4話まで我慢なのかというと、
3話までは世界観やキャラ説明の描写が大半を占めていて物語の進みが遅いんですよね。
あと、しつこい描写にもイライラが溜ります。たとえば、ニーナを殺したのはタイラーではないと視聴者は知っているのに(ニーナのいるプールにタイラーの生首が落ちてくるシーン)、まだ真相を知らない劇中のキャラはタイラーが犯人か?という件を追っています。視聴者からすると、とっくに真相を知っていることについて長々と時間を取られている感じがしてイライラしてきます。レイチェルの死は他殺か自殺かの件も同様ですね。レイチェルが殺されるシーンを視聴者は先に見せられていますから。
このように、3話までは正直退屈です。
でも、4話から急に面白くなります。
もっと詳しく言うと4話の廃病院にエマ、オードリー、ノアが忍び込むシーンからですね。このあたりから、犯人にやられっぱなしだったのがこちらから犯人の実像に迫っていく展開にシフトしていくんですよね。
さらに、エマたちの身近な人物から犯人候補が何人も現れて犯人探しが加速していくので、もうたのしくてしょうがない!
また、学園を舞台にした作品らしく、友人関係、恋愛関係の変化を描いた人間ドラマとしても素晴らしいです。とくに、もとは仲の良かったエマとオードリーの関係が悪化し、犯人と対峙する過程で、再び絆が深まる場面は思わずウルっと来てしまいました。
エマ(左)とオードリー(右)
※ここからは犯人の正体に触れています。ネタバレにご注意ください。
真犯人も予想もしていなかった人物でまんまと騙されました。
個人的にコイツ怪しいなという人物は2人いました。
まず一人目がジェイクですね。7話のボウリング場で肩のあたりを刺されているジェイクがエマたちに発見されるのですが、犯人に襲われる描写自体はないので、ジェイクの自作自演かなと思ったんです。まぁ理由としてはそれだけなんですが(笑)
もうひとりは、キーランです。まず、2話でエマとウィルの仲を引き裂こうとするような描写があり、なんかこいつ胡散臭いなと思いました。でも、この胡散臭さは犯人っぽさをにおわせるミスリードだと思い犯人候補からは外しました。しかし、それこそ7話のボウリング場で犯人が逃げたのと入れ替えにキーランがやってくるので、あれやっぱりこいつか…?と疑い始めました。そのあと、実際にキーランが犯人だとほかのキャラに疑われる展開になるので、僕は最終話までキーランが犯人だと信じていました。
でも、実際の犯人はご存じの通りパイパー。
全く気づきませんでした。目立たないキャラならともかく、がっつりと出番も用意されているのに…。
ジャーナリストというキャラ設定で彼女がエマたちにあれこれ詮索するようなシーンに違和感がなかったからでしょうか。
いや、パイパーがマスク姿の人物に襲われる場面があるのでそれが原因ですね。この時点で完全に犯人候補から外していました。
殺人鬼がもう一人いたってオチはアリか???
そう思いましたが、ブランドンのマスクが何枚も作られたという説明(第4話)が犯人が複数いることを暗に示唆しているともとれるので、個人的には納得しました。
後で見返すと、パイパーが犯人だというヒントはあちこちに散りばめられてるんですよね。
・オードリー「犯人は女かも?」(第4話)
・パイパー「自分の父は殺されたが、警察が犯人の捜査をしなかった」(第5話)
・パイパー「全容を知らないと真実は見えない」(第5話)
・マギー「自分とブランドンの間に子供ができて生まれてすぐ養子に出され、その子の性別もわからない」(8話)
上記のように、この手の殺人鬼は男であるという先入観に突っ込みを入れる発言や、パイパーに殺された父がいたこととブランドンを結び付けられる設定など、注意深く見ていたらパイパーが犯人かもと気づけるヒントはあるにはある・・・。
でも、まぁ正直わかんないですよね。
最終話で殺人鬼がマスクを外しても一瞬誰かわからず(眼鏡をはずしていたので)、時間差でパイパーだと気づいた時の衝撃よ・・・。
そんなこんなで、パイパー死亡により一連の殺人事件は幕を閉じることになる…というわけにはいきません。ウィルとパイパーを襲ったもう一人の人物は誰だったのかという謎が残されたままなんです。
シーズン2ではおそらくそのあたりの謎が明かされていくことになるでしょう。見終わったらまた感想を書きたいと思います。
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