「スケアクロウ トウモロコシ畑の獲物」映画感想(ネタバレ)カカシ職人が現れてからつまらなくなるホラー映画

今回は2020年9月9日にリリースされた「スケアクロウ トウモロコシ畑の獲物」のレビューです。前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

バカンスをエンジョイするため湖へ向かっていた男女4人。しかし、彼らは危険な場所であることを知るよしもなかった。そこには、ヨソ者を恨む復讐鬼“カカシ職人”がいた。

スタッフ・作品情報

監督:スチュアート・ストーン

原題:Scarecrows

製作年:2017年

製作国:カナダ

上映時間:85分

キャスト

ハンナ・ゴードン
マイク・テイラー
ウメド・アミン
マオール・ジフ
ジェイソン・J・トーマス

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中4.1点(528件の評価)。レビュー数も少ないですが、評価も4.1とかなり低め。

国内大手レビューサイトフィルマークスでは5点中1.6点(4件の評価)。こちらも評価が1.6で超低めですね。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

主演は若者男女の4人組。アッシュとイーライ、デヴォンとファーブジーがそれぞれカップル。

彼らは、週末の休みに車でビーチを目指していました。ビーチの手前で車を降り、歩いて現地に向かうことに。


ここから重要なネタバレあり


その道中にはトウモロコシ畑と小屋があり、その持ち主の男にイーライとデヴォンが捕まってしまいます。その後、ファーブジーも捕まってしまいます。その男は捕まえたイーライたちをカカシに仕立て上げトウモロコシ畑に配置します。畑には他にもカカシが立っていますが、それらはすべて男によって捕らえられた人間でした。男はなぜこのような行動を続けているのか。妻を畑に侵入した者に殺された男は、その復讐として畑に侵入してきた人間をカカシにしていたのでした。

唯一男から逃げ続けていたアッシュでしたが、やがて男に捕まり彼女もカカシにされ畑に配置されてしまいました。

ここでエンディング。

感想

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

前半の殺人鬼に出会うまでは超楽しく、出会ってからはとたんに面白くなくなるスラッシャーホラー。意外とこのパターン、多いような気がしないこともない。旅先で若者がバカ騒ぎしている前半はバカだなーと笑えるんだけど、メインとなる殺人鬼に襲われる場面になると急につまらなくなり、前半のバカ騒ぎが恋しくなってくる。

バカ騒ぎシーンといえばやはり、湖で泳ぐシーン。まず、湖を発見し、青空を背景にして喜ぶ主演4人を捉えたショットが無駄に美しくて笑えてくる。ここは、本当に爽やかな美しさがあって感動するレベルであり、そして、映画に似つかわしくなくて笑えてくる。その後、お調子者の男・ファーブジーがおもむろに服を脱ぎ始めるあたりから超軽い音楽も流れたりなんかしてどんどんテンションが上ってくる。結局4人とも湖に入り、来ていた服を脱ぎイチャイチャを始める、と。ホラー映画でバカ騒ぎする若者を観るのが好きな僕としてはこのあたりのシーンは至福のひとときであります。このあとにある、ケガをして痛さに顔を歪めるファーブジーの顔芸、用を足すときに気張るファーブジーの顔芸なんかもみどころです。この映画、カップルを入れ替えていちゃついたり、明らかに事件の匂いがする人間の親指をなかったことしようとしたり、全体的に不謹慎なあたりも僕としては好みですね。

そんなこんなで、後半以降は本作においての殺人鬼=カカシ職人(あらすじではカカシ職人と紹介されているのでそれをそのまま使います)が登場します。本当ならここから更に盛り上がっていくはずなんですが、本作の場合ここがあまりにもショボく逆に盛り下がっていきます。人間を捕まえカカシにするというのが間違いなく本作のキモで面白い部分だと思います。面白い設定を考えついたのはいいが、後に続く展開を思いつかなかった感じですかね。カカシ職人は、ただ人間をクスリで動けなくして布をかぶせ畑に設置するだけ。このカカシ職人の狂気が垣間見えるとか別にないし、特筆するような面白みはありません。カカシにする過程で釘を手に打ったりする痛い描写があって、ここでもっと痛いことをして見せればもう少し面白くできたかも知れません。カカシ職人が人間をカカシにする動機も語られますが、カカシ職人の息子からちょろっと説明がある程度。それにしてもこの息子のキャラはとってつけた感は異常です。カカシ職人自身は喋らないので、彼の動機を語らせるために登場したのがこの息子ですね。ほぼこのためだけに用意されたようなキャラです。監督自身、この息子の存在を上手く扱いきれていない感すらあります。というのも息子は畑でアッシュを見つけ、小屋に連れて行くものの、父であるカカシ職人にアッシュを差し出すわけでもない。行動に一貫性がなく何がしたいんだこの男は?と思わず突っ込みたくなってきます。


ここから重要なネタバレあり


ラストシーンでは最終的にアッシュも捕まり、カカシとして畑に立てられます。そこには、カカシにされた他の人間たちが同じように並んでいました。このシーンは不気味な感じが出ていてよかったかなぁと思いますが、まぁ怖かったのはここぐらいですかね。

総評

前半は若者のバカ騒ぎが超絶楽しく、後半で一気にテンションが下がるホラー映画です。個人的には前半でそこそこ満足できましたが、若者のバカ騒ぎフェチでない人からすると何一ついいところのないク○映画になってもおかしくないことでしょう。

ということで、評価は8/10としました。

参考サイト:ゲオ宅配レンタル/IMDB/フィルマークス

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