「ナンシー」映画感想(ネタバレ)いい映画を観た


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今回は2020年月日に公開・リリースされた「ナンシー」のあらすじ・スタッフ・キャストの紹介や、僕自身の感想を述べていきたいと思います。

結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

スタッフ・作品情報

監督:クリスティーナ・チョウ

原題:Nancy

製作年:2018年

製作国:アメリカ

上映時間:86分

キャスト

アンドレア・ライズボロー:ナンシー

スティーヴ・ブシェミ:レオ

ジョン・レグイザモ:ジェブ

アン・ダウド:ベティ

海外での評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中6.2点(2435件の評価)。意外とそこまで評価が高くないなと言うのが僕の印象。

国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中3.3点(366件の評価)。こちらもそこまで評価が高いというわけではありませんね。

あらすじ

親の顔も知らず闇の中で生きてきたナンシーの特技は、嘘をつくこと。ある日、TVで行方不明の娘を捜す夫婦を見た彼女は、その娘の30年後の似顔絵が自分に似ていることに気付き…。

ストーリー紹介

ナンシーはパーキンソン病を患う母と一緒に暮らしている女性です。

そんなナンシーは、あるブログを運営していました。彼女がそこに記していたのは「自分は妊娠していて胎児は病気にかかっている」という嘘の内容です。ある日、そこにコメントをしてきたジェブという男性がいました。ジェブの娘は生まれてすぐ死亡、そのことが原因で妻とも離婚していました。ジェブは、ナンシーのお腹の中にいる胎児が病気にかかっていることを気にかけコメントをしてくれたのでした。ナンシーとジェブは実際に顔を合わせ、お互いのことを話し、ふたりの絆は深まっていきます。

そんなある日、ナンシーの母が脳梗塞で死亡。パーキンソン病の患者は脳梗塞の発症リスクが高くなってしまうのです。

そこへ追い打ちをかけるように、ナンシーはジェブに妊娠していないことがばれて愛想をつかされてしまいます。

自宅でテレビを見ていたナンシーはあるニュースに惹きつけられます。それは、娘が5歳のときに行方不明になった両親にインタビューするという内容でした。そこでは、「少女(ブルック)が大人になったらこういう顔になるだろう」というCGの写真が映し出されます。それを見たナンシーはその成長したブルックの顔が自分とそっくりであることに気づきます。ナンシーはニュースに出ていた夫婦の自宅に電話をかけ、自分の顔写真を送ります。その写真を見たブルックの母・エレンはナンシーが行方不明になった自分の娘かもしれないと感じ、自宅にナンシーを招きます。

ナンシーは車で夫婦の家を訪れます。エレン、そして、その夫のレオに迎えられ食事をごちそうになります。そこで、ナンシーは改めて自分がブルックであるかもしれないという話をふたりにします。この食事中にナンシーは、親子関係を証明するために検査技師が明日家に来てDNAの採取をするという話を聞かされます。ナンシーは検査をされるのを嫌がって帰ろうとしますが、説得されて夫婦の家に泊まることになります。

翌日、検査技師が家にやってきて唾液の採取を行いました。検査には2,3日かかるということで、ナンシーはその日も家に泊まることになります。


ここから重要なネタバレあり


数日後。ナンシーはエレンが検査技師と電話をしている場面を目撃します。エレンの様子からどうやらナンシーはブルックではなかったようです。ナンシーはエレンにばれないように黙ってその場を離れます。その後も、エレンは検査結果をナンシーに伝えず、態度もそれまでとは変わりません。

その日の夜、ナンシーは夫婦の前で「隠していたことがある」、と神妙な顔で話し始めましたが、エレンはそれを途中で止め、「私達がいるわ」とナンシーに優しい言葉をかけます。

寝泊まりしている部屋に戻り、しばらくベッドで何かを考えていたナンシー。しばらくして、荷物をまとめ夫婦には何も言わず家を後にします。

ここでエンディング。

感想

主人公のナンシーにものすごく感情移入してみてしまった。とてもいい映画でした。

ナンシーに惹きつけられる

主人公のナンシーに惹きつけられ完全に感情移入していました。映画上の登場人物ではなく、仲のいい知り合いレベルで観てました。それはこの映画がナンシーのことを深く知りたくなる構成になっているから。

ナンシーは「自分が行方不明になった少女・ブルックかもしれない」と、その少女の両親に申し出て家を訪れます。そこで、自分がブルックかもしれないと思った理由などを語るわけですが、そこで言ってることがそれまでのシーンで描かれていることと違わないか?と気づきます。ナンシーいわく、「パスポートを作るときに出生証明書を確認したけどなかった」と。でも、出生証明書がなかった事に気づいたのはブルックの件をニュースで聞いた後です。その後も「あれ、ナンシーが言ってることおかしくね?」ということが続きます。やがて、このナンシーという人間は自分がブルックではないとわかっていて、あえて嘘をついて「エレンたち夫婦の娘になろうとしている」んだと気づきます。僕は、映画を観ている間そんなナンシーの言っていることが信用できず、逆にナンシーの真意を考えるようになりました。さらに、彼女は本当はどんな人間なんだろう、ということにも意識が向かいました。だから、ナンシーが映画内の登場人物という遠い存在ではなく、自分の身近にいる知り合いのような感覚になっていったわけです。ナンシーが嘘つきあることは序盤で示しつつも、そこを強調するわかりやすいキャラ付けはせず、観客がナンシーのつく微妙な嘘をきっかけとして彼女はどんな人間だろうと興味を抱くようになる、巧いつくり。個人的にはナンシーに感情移入するあまり、彼女の飼い猫が戻ってくる場面では思わず「よかったなぁ」と声に出していました笑

血縁があることは重要か?

ナンシーは小さい頃に行方不明になったブルックなのか。ナンシーと、ブルックの両親(エレン、レオ)に血縁関係があるのかDNA検査をしてその結果を待つことに。ナンシーはエレンたちの家に泊まり“血縁のある家族として”この夫婦と絆を深めていきます。しかし、ナンシーはブルックではないので、検査結果が出るまでの束の間の家族関係となるわけです。でも、同じ家で暮らすうちに、ナンシーと夫婦は(特にエレンの方は)お互いにとって大切な存在だと感じるようになります。しかし、数日のうちに検査結果が出て、血縁関係があるかどうか判明してしまう。血縁関係というキーワードに囚われ苦しむ登場人物達を観るうちに「血縁があるかどうかは重要なことか?」と自然と思えてきます。自然と思えてくるというのがこの映画のうまいところですね。うまいといえば、猫を使った演出ですね。ブルックがいなくなったのは子猫を見つけ一人で走っていってしまったから、ですが、それがもう一度再現される場面があります。ナンシーがいなくなった飼い猫を森の中に探しにいくところです。エレンは森に消えていったナンシーを必死に探します。このときエレンは、もしかしたら、自分の娘かもしれないナンシー(=ブルック)ではなく、今そこに存在するナンシーという人間を探していたんじゃないかと考えさせられ、思わず感動してしまいました。(ブルックがいなくなったときのエピソードはこのシーンの後で明かされるので後から思い返す形ですが)。レオはナンシーがブルックではないと思っているぽいですが、そんなレオが”自分の娘ではない”ナンシーにどれぐらい心を開いたか、を示す演出としてナンシーの猫を家のどこまで入れるかで表すと言った細かい演出もあります。

総評

ナンシーという存在が身近に感じられ、彼女と一緒に喜んだり悲しんだりする感覚になりました。それぐらい、自分にとって忘れがたい作品となりました。今後も、何度もみかえすんじゃないかと思います。

個人的には、万人受けする作品かと思ってましたが、他のレビューサイトなどを見ていると意外と評価分かれる映画なのかもしれませんね。ジャケットからもなにか陰惨な事件を描いたスリラーっぽい印象を受けますが、実際にはドラマ映画なので、そのギャップでダメだ!となった人もいるかも。

ということで、評価は10/10としました。

参考サイト:ゲオ宅配レンタル/IMDB/フィルマークス

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