「モルグ 死霊病棟」映画感想(ネタバレ)夜間警備中の病院で悪霊に襲われる

今回は2020年9月2日にリリースされた「モルグ 死霊病棟」のレビューです。前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

警備員のディエゴは運転しながら恋人と電話をしていて、誤って人を轢いてしまう。気が動転したディエゴは逃げるように立ち去るが、その夜、臨時の仕事である病院の夜勤警備をすることになり…。

スタッフ・作品情報

監督:ウーゴ・カルドゾ

原題:MORGUE

製作年:2019年

製作国:パラグアイ

上映時間:81分

キャスト

ウィリ・ヴィジャルバ
マリア・デル・マル・フェルナンデス

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中5.6点(25件の評価)。

国内大手レビューサイトフィルマークスでは5点中2.4点(75件の評価)。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

主人公は警備員のディエゴ。彼は車で恋人の家に向かっていた途中で人をひいてしまい、救護も通報もすることなく自宅に逃げ帰ります。

その後、非通知の電話があり、ゴンザレスの代わりに病院の夜勤に入れと勤める会社から指示があります。

仕事現場となる病院でゴンザレスから簡単な仕事内容の説明を受け、仕事を引き継ぎます。

ディエゴの仕事は、ある部屋でモニターを見ながら建物に異変はないか監視することです。

仕事を初めて早々に、フードをかぶった男が勝手に侵入してきたので追い払います。他にも、ポルターガイスト現象や見知らぬ人影が横切ったりするなど厄介な出来事が続きます。

その後もモニターにさきほどのフードの男が映ったのでその見回りで遺体保管室に入ると、そこにあったはずの遺体が亡くなっていることに気づきます。その直後、ドアが閉まり完全に部屋に閉じ込められてしまいます。その部屋で、ディエゴは多くの幽霊に襲われる恐怖体験をします。


ここから重要なネタバレあり


やがて、ディエゴは意識を失い、別の警備員に起こされます。なくなっていた遺体も元の場所に戻っていました。

その後、仕事仲間からの電話で、ディエゴはその夜、本来は工場現場に派遣されるはずだった事が判明。出勤前にかかってきた「病院の夜勤に入れ」という電話は何者かによる嘘だったのです。

不可解に感じたディエゴが死体を確認するとそれは、仕事内容の説明を受けたゴンザレスのものでした。ディゴがひき逃げした人物はゴンザレス。彼の恨みがディエゴを病院の勤務に導いたのでした。

何者かの気配に気づきディエゴが後ろを向くとそこには死んだはずのゴンザレスが立っていました。ディエゴは部屋から逃げ出そうとしますがゴンザレスによって部屋に引き戻されてしまいます。その部屋にフードの男が鍵をかけます。

フードの男が上着を脱ぐと下に来ていたのはディエゴと同じ警備員の制服でした。更に彼の体は透けており、人間ではない別のなにかのようでした。

ここでエンディング。

感想

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

丁寧に作られたホラー映画

病院の夜間警備中に幽霊に襲われるという、超常現象系ホラー映画です。ホラーとしての作り込みは緻密で、丁寧なホラー映画という印象。霊が本格的に襲いかかってくる前に、モノが少し動くとか人影が背後に現れるとか「予兆シーン」を重ねて恐怖感をだんだんと高めていく。なかでも、複数の人間が廊下を歩く姿が監視カメラに見切れるシーンとか描き方の素っ気なさが効いていてなかなか怖い。ほかにも、ちゃんと怖いシーンは多く、前半ながら既にホラーとして十分すぎるほど怖い。ただこの「予兆シーン」が頻発し過ぎで、なかには全く怖くないものもあってだんだんと鬱陶しく感じたりもします。たとえば、蛇口から水がチョロチョロ出るとか、窓がパカパカ開くとか、ほぼ恐怖は感じないです。後半ではバンバンとたくさんの幽霊が登場して主人公に襲いかかってきます。この幽霊たちの正体は病院に安置されていた死体だと思われますが、そのビジュアルは深い傷を追っていたりして不気味で良いです。それが暗闇のなかで近づいてくるとかなり怖く感じます。しかもそれが何度も続くので、僕としては超楽しませてくれて嬉しい限りです。


ここから重要なネタバレあり


ストーリーも楽しめる

「前半のアレが実は〇〇だった!」的なサプライズ展開も複数あって、ストーリー面でも楽しませてくれます。序盤で主人公のディエゴに勤め先の会社から電話があり、舞台となる病院の夜間警備をすることになるわけですが、それがある人物によって仕向けられたものだったことが判明します。実はディエゴに車でひき殺された男・ゴンザレスが霊となって復讐するためにディエゴの勤務先を工場から病院に変えたのでした。しかも、このゴンザレスは序盤で病院での夜勤の仕方をディエゴに教える普通の人間として登場しています。まさかの展開ですね。それが明らかになる場面ではディエゴの目の前にゴンザレスの遺体があって更にディエゴの背後には霊となったゴンザレスが立っているという画もゾッとしてよかったです。

もう一つのサプライズ。警備中に病院に侵入してうろついていたフードの男が実は人間ではなく霊的な存在だったのです。先程、ゴンザレスがディエゴに電話をしたともとれる書き方をしましたが、おそらく直接電話をかけたのはこのフードの男ではないでしょうか。彼は、病院の霊にとっての小間使い的な立ち位置で、ディエゴが警備する病院に現れうろちょろしていたのも霊から指示を受けてやっていたのでしょう。そう思った根拠はこうです。病院内をうろちょろするフードの男がディエゴに向かって「これも仕事だ」と言ったり、霊たちを怖がっているような発言もしているし、なにより霊のためにディエゴを部屋に閉じ込めたりもしているからです。ではなぜフードの男は霊に協力していたのか?これも憶測ですが、劇中でディエゴが体験したことをフードの男も既にひと通り体験していた説、あると思います。ディエゴが人をひき殺したように、彼も故意でないにしろ人を殺してしてしまう。その被害者は今回の舞台となる病院に安置される。被害者は霊となり、「フードの男」に復讐するため彼に嘘の電話をかけ、その病院の警備をさせる(ラストに映る服装からフードの男も警備員だったことがわかる)。そこで、フードの男は被害者に襲われ、霊体となり劇中で描かれるように霊の小間使いとなった。ラストで彼が半透明になったのは、ディエゴを霊に捧げるという仕事を終え、霊に許され、成仏している最中であることを示している。ということで、ラストで霊に襲われたディエゴが今度はフードの男の後釜として霊のパシリになる、と…。

総評

王道でしっかりと怖い、とてもいいホラー映画です。終盤ちょろっとしか幽霊が姿を現さないタイプのホラーもありますが、本作は幽霊がバンバン出てきて驚かされるタイプ。急な音と霊のどアップで生理的にびっくりさせられるジャンプスケアが多用されているので、万人受けしやすいのではないでしょうか。若干、描写の重ね方がクドいと思った箇所もありそこはマイナスポイントです。ストーリー上のサプライズがいくつも乗っかているので、そっちの方向でも楽しませてくれます。

書き忘れていましたが、遺体が部位ごとに切り離されて保管されているシーンなんかもあって、ここは顔を背けたくなるほどリアルで最高でしたね。

ということで、評価は9/10としました。

参考サイト:ゲオ宅配レンタル/IMDB/フィルマークス

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