「モンスター・パーティ」映画感想(ネタバレ)盗みに入った家にいたのはある依存症に苦しむ人々だった

今回は2020年10月7日にリリースされた「モンスター・パーティ」を鑑賞しました。

金を盗みに入った家で恐ろしい目にあうスリラー映画。

雑な描写が目立つ映画ですが、豪邸で開かれているパーティに集まる人々の設定が面白く引き込まれます。

さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

空き巣で小銭を稼ぐキャスパー、友人のアイリス、その彼氏ドッジの3人組。ある日、キャスパーはギャンブル依存症の父親が抱えた借金を返済するため、大胆な犯罪計画を持ちかける。それは丘の上にある豪邸の大金を盗むというものだった。

スタッフ・作品情報

監督:クリス・フォン・ホフマン

原題:MONSTER PARTY

製作年:2018年

製作国:アメリカ

上映時間:89分

キャスト

サム・ストライク
ヴァージニア・ガードナー
ブランドン・マイケル・ホール
キアン・ローリー
ロビン・タニー

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中5.5点(3159件の評価)。

国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中3点(8件の評価)。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

主人公はキャスパーという少年。彼は、アイリス、ドッジとともに窃盗を繰り返していました。その目的は、彼の父が抱える多額の借金をエモリ―という男に返すためです。

ある日、キャスパーがエモリーの店に行くと、そこで彼の父がボコボコに殴られていました。エモリ―は1万ドルを期限までに返さなければ、彼の父親を殺すといいます。

キャスパーは父を助けるため、ある家から金を盗もうと考えました。それは、大金持ちのパトリック・ドーソンと、その家族の住む家。その家でパーティが行われるとき、アイリスはそこで給仕などの仕事をしていました。

計画はこうです。パーティが行われる日に執事として働きに来たように見せかけ、すきをついて金庫から金を盗む。

キャスパーは、アイリス、ドッジとともにドーソンの家に到着し、パーティの準備を始めます。

そのパーティに集まっていたのは、元“殺人依存症”の人々。依存症を克服したことを祝うのがそのパーティの開催理由でした。

パトリック・ドーソンの息子・エリオットも元依存症の一人。しかし、彼は、殺人の衝動を抑えきれずドッジをトイレで殺してしまいます。その騒ぎを聞きつけ、パーティ参加者たちが集まってきます。そこへ、アイリスやキャスパーもやってきます。殺人現場をみてしまったふたりを殺すためパーティ参加者たちが追いかけてきます。


ここから重要なネタバレあり


パトリックの娘・アレクシスはそんなふたりを家から逃がしてやろうとします。しかし、その途中、アイリスが殺されてしまいます。

それでもキャスパーたちは、見つからないようにこっそりと、家の外を目指します。そして、ふたりの前に立ちはだかるパトリックを殺し、玄関から屋外に飛び出します。しかし、そこでエリオットにつかまってしまいます。

キャスパー、アレクシスは、椅子に縛り付けられたままプールに落ちてしまいます。そこへ、アレクシスの母・ロクサーヌがやってきてエリオットを包丁で刺した後、ふたりをプールから助け出します。

キャスパーは、この家で起きた大惨事を忘れる代わりに10万ドルと車をロクサーヌからもらいます。そして、もらった車で父が監禁されている店まで行き、父を捕らえていた人間たちを殺してしまいます。

ここでエンディング。

感想

※今回は重要なネタバレなしで行きます。

窃盗に入ったはいいが、そこにいたのはやばい奴らで…というスリラー映画。この設定、「窃盗に入った家にいたのは盲目の超強いおじいさんだった」という『ドント・ブリーズ』を思い出しますね。あとは、豪邸の中でたくさんの人間に命を狙われるという「レディオアノット」も連想しました。

“殺人依存症”の人々が集まっている設定が面白い作品です。彼らの中には印象に残るぶっ飛んだキャラもいて、そのあたりも楽しい。残虐描写も結構多いけど、予算のせいか、あまりちゃんと見せてくれないのは残念ではありました。

というわけで上記のポイントについて語っていきます。

“殺人依存症”の集い

主人公が窃盗に入ったのが、よりにもよって“殺人依存症”の人々が集まる家だった・・・という設定が面白い。元薬物依存症の患者たちが集まって、薬物を絶った方法を語るのは映画でよく見かけますが、本作はそのノリのまま「もう〇年以上人を殺してません!」的な会話が行われる。そんななか、ひとり殺人の衝動を抑えきれなかった男が、主人公キャスパーと一緒に盗みに入っていたドッジを殺してしまいます。そのことをキャスパーたちに知られてしまう。元殺人依存症の面々は、もう見つかったなら殺すしかねぇ!と水を得た魚のようにキャスパーたちを追い回しはじめる。武器を手に取る彼らのニッコニコな表情を見るとなんだかこちらまで楽しくなってきます。

残虐描写はしっかりと見せてほしい

刃物とかで人を殺す場面が結構多いのですが、その場面をカメラであまりちゃんと映さないのは少し物足りません。「見せないことで逆に想像を掻き立てる手法」というよりは、予算の関係で見せることができないという感じ。それでも、ドッジがエリオットに殺される場面は、その場面を見せないことの効果が出ていて、狂気を感じました。そういえば、このエリオットの見るからにやべぇ顔つきは最高でしたね。はじめて登場した時から何かやらかすだろう感が半端ない。

強烈なキャラ達

エリオットのほかにも、ヤクがキマリすぎでずっと笑い続ける男とか、ドーソン家に“飼われている”顔がぐしゃぐしゃなやつとか、印象に残るキャラも多いですね。マイロという、“殺人依存症”患者の支援者っぽいキャラがいて、彼は依存症ではないのかなと思っていましたが、ある男を殺す場面で必要以上に殴っている描写を見ると、彼自身も実は依存症だったのかなと思ったりもしました。パトリックの妻・ロクサーヌも何気に印象に残ります。依存症患者が集まってパーティが行われるということを憂鬱に感じているときのロクサーヌの疲弊している目つきがいいんですな。これから、とんでもないことが起きそうだという感じがビンビン伝わってきます。

総評

やはり“殺人依存症”患者の集いという部分はキャッチーで面白く、全体の満足感は高い。ただ、ここちょっと雑じゃない?という部分も。先ほど挙げたように残虐描写というかアクションの見せ方がぎこちない。変なところでカットを割っていて見づらいんですよ。あとは、キャラがかぶってるのもちょっと雑かな。と、その前にアレクシスが“殺人依存症”患者なのかどうかわからないのもちょっと雑だな。まぁ、彼女も患者ということにして話を進めます。“殺人依存症”患者だけど、まともなキャラとして、パトリックの妻・ロクサーヌと、この夫婦の娘・アレクシスがいるんですが、まともなのはどっちかにした方が面白いと思いました。キャスパーがアレクシスに恋心を抱く描写があるから、アレクシスをまともキャラとして残し、ロクサーヌは完全にイカレタ母親として、アレクシスに襲い掛かるとかそういう感じがよかったかな。

と、まぁこんな感じで気になるところもありましたが、観ていて元気になる作品なので結構おすすめです。

ということで、評価は8/10としました。

参考サイト:ゲオ宅配レンタル

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