「マローボーン家の掟」は2017年のスペイン・アメリカ合作映画。日本での公開は4月12日。
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:セルヒオ・G・サンチェス
キャスト:
ジョージ・マッケイ
アニヤ・テイラー=ジョイ
チャーリー・ヒートン
ミア・ゴス
マシュー・スタッグ
原題:Marrowbone
製作年:2017年
製作国:スペイン・アメリカ合作
配給:キノフィルムズ
上映時間:110分
参考サイト:映画.com
あらすじ
森の中にたたずむ大きな屋敷で、不思議な5つの掟を守りながら暮らすマローボーン家の4人兄弟。忌まわしい過去を振り切り、この屋敷で再出発を図る彼らだったが、母親が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、明るい日々への希望はもろくも崩れ出す。父親の死体を隠した屋根裏部屋からは不気味な物音が響き、鏡の中には怪しい影がうごめき、やがて掟が次々と破られていく。心身ともに追いつめられた兄弟の長男ジャックは、妹や弟たちを守るため、ある決断を下す。(映画.com)
感想
悲惨な家庭環境の4人兄妹
※結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
ローズは殺人犯の夫サイモンから逃げるように4人の子供とともにイギリスからアメリカに引っ越してきました。しばらくしてローズが病に倒れ亡くなってしまいます。こうして屋敷での子供たちだけの生活が始まりました。そんなある日、父のサイモンが屋敷にやってきます。そこから時間は6か月後に飛び、4人兄妹はいまだに屋敷で生活を送っていました。やがて、末っ子のサムが鏡に映る謎の人物を目撃したり、ジェーン、ビリーが立て続けに屋根裏にひそむ何かに襲われかけたりと屋敷で次々とおかしな出来事を体験することに…というお話。
母が病気で亡くなり、父親が殺人犯でやっと逃げられたかと思うとすぐに見つかってしまう。とにかく、4人兄妹の家庭環境を考えるとかわいそうでいたたまれなくなってしまう映画です。ただひたすらかわいそうで途中、見るのがきつくなってきた場面も。そんな4人が幸せにしている場面では涙が出そうになってきます。とくによかったのは、長男ジャックと三男サムが地元の女性アリー(ジャックの恋人)と少し離れたお互いの家でライトを使ってモールス信号(?)のやり取りをしている場面。ここは思わず泣いてしまいました。終盤にはどんでん返しも用意されており驚くことができます。このどんでん返しで明かされる真実がさらにキツイです…。サイモンが屋敷にやってきたシーンがバッサリ切られ、いきなり6か月後に時間が飛ぶわけですが、終盤でサイモンがきた後の出来事が明かされるわけです。実は、このときサイモンは屋敷にいたジェーン、ビリー、サムを殺してしまいます。ジャックはそのことを知り、あまりのショックに現実逃避するため自分の頭にジェーンたち3人の人格を創りあげました。それ以降、劇中で映されるジェーンたちの姿はジャックが演じたものだったのです。本当に悲惨すぎてみるのがきつくなってきます。ラストは、ずっと屋根裏で生きていたサイモンが屋敷にやってきたアリーを襲ってしまい、悲鳴を聞いたジャックがその場に駆けつけライフルでサイモンを撃ち殺します。それから12か月後、ジャックの多重人格の症状は治まっていました。ただし、ジェーンたちの人格自体が消えたわけではありません。3人はジャックの中で生きているというせめてもの救いのあるラストですね。ジャックとアリーは2人で屋敷に仲良さそうに住んでいるというのも本当によかったな!と思いました。
総評
なんとも悲惨なお話で心を揺さぶられました。どんでん返し展開もあるのでストーリー的にもなかなか楽しめます。というわけで評価は8/10としました。
ストーリー紹介
登場人物
ローズ:自分の夫が殺人を起こす。4人の子供とともにイギリスからアメリカに逃げてきた。
ジャック:4人兄妹の長男。
ビリー:4人兄妹の次男。
ジェーン:4人兄妹の長女。
サム:4人兄妹の三男。
アリー:ジャックの恋人
サイモン:ローズの夫。複数の殺人事件をおこし、服役していたがのちに脱獄する。
アメリカに引っ越してきた5人の家族
イギリスからローズとその4人の子供たち(ジャック、ビリー、ジェーン、サム)がアメリカの田舎に引っ越してきます。そこはローズが幼少期を過ごした、マローボーン家の屋敷でした。
家族の過去
ローズは屋敷に着いてすぐ、家族に起こった過去を忘れ新しい人生を始めなさいと、子供たちに伝えました。ローズの夫であり4人の子供の父親であるサイモンは凶悪な殺人鬼で、刑務所に投獄されるもその後脱走していたのでした。
ローズが亡くなる
ローズは病気のため亡くなってしまいました。彼女は亡くなる前に長男のジャックを呼び子供たちを託しました。さらにローズが亡くなったことをジャックが21歳になるまで周りに公開しないように伝えていました。
サイモンがやってくる
ある日、屋敷の窓に一発の銃弾が撃ち込まれます。ジャックたちの父親サイモンがやってきたのでした。
それから6か月後…
サイモンが屋敷にやってきてから時間は6か月後に飛びます。4人兄妹はいまだに屋敷で生活をしていました。
母の死がバレそうになる
ある日、ジャックはトム・ポーターという弁護士にマローボーン家の屋敷を引き継ぐためにローズのサインと200ドルの手数料が必要だと告げられます。母が亡くなっていることは隠し通さなければならないためジェーンたちと協力し、サインをでっちあげ、さらに父サイモンが強盗した際に被害者から奪った“呪われた金”に手を付けることになりました。こうしてなんとか母の死を外部に知られることなくすみました。
屋根裏にひそむなにか
ジェーンが天井に空いた穴に手を入れアライグマをなでていると屋根裏にいる何かに手をつかまれます。その後、ビリーも屋根裏に入りなにかに襲われかけます。その何かとは彼らの父親サイモンだったのです。
4人兄妹の秘密
アリーはジャックの書いた日記を読み、彼ら4人兄弟の真実を知ることになります。それは6か月前、サイモンが家にやってきて銃弾を撃ち込んだ日の出来事です。サイモンが家にやってきたことに気づいたジャックは外にいたサイモンのもとに行き金をもって帰らそうとします。その際、もみ合いになってしまいジャックは崖から転落。そのあいだにサイモンは家にいたジェーン、ビリー、サムを殺してしまいます。ジャックが家に戻るとそこには3人の死体がありました。あまりにもショッキングな出来事にジャックは自分のなかにジェーンたち3人の人格を創りあげました。その日からジャックは(頭の中にいる)3人と生活を始めます。
アリーが家にやってくる
時間は現在に戻ります。ジャックの日記を読んだアリーが家にやってきました。そこで見たのは1人4役を演じるジャックの姿でした。アリーはジャックに話しかけますが取り合ってもらえません。
屋根裏に入るアリー
アリーは物音がした屋根裏へと入りました。そこにはサイモンがいてアリーに襲い掛かてきます。アリーは大声で助けを求めます。その声を聞いたジャックが屋根裏に駆け付けます。そして、サイモンを持っていた銃で撃ち殺します。
多重人格の症状がおさまる
それから12か月後。アリーは医者からジャックの診察の結果を聞いていました。ジャックの多重人格の症状は見られないと医者はいいます。
4人兄妹の写真
アリーとジャックは屋敷で暮らしていました。アリーはジャックに以前撮った4人兄妹の写真を手渡しました。(おわり)
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 4K ULTRA HD&エクステンデッド版ブルーレイセット (初回仕様/3枚組/”MINALIMA”豪華ブックレット付) [Blu-ray]
売り上げランキング: 1,026
メリー・ポピンズ リターンズ 4K UHD MovieNEX [4K ULTRA HD+ブルーレイ+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
売り上げランキング: 194
コメント