「プリズン・ルーム」は2016年のフランス製スリラー映画。
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:オリヴィエ・アブー
キャスト:
ドリ・デイビス
ロクサーヌ・フェルナンデス
ビクトリア・ダイアモンド
アレックス・カディラ
ジェフリー・アッペルボーン
エリサ・アロッカ
原題:MADAME HOLLYWOOD
製作年:2016年
製作国:フランス
上映時間:115分
感想
残念ながらつまらない…。
モデルのキャンディスは、ある夜自分の部屋に侵入者の気配を感じる。既に外部との連絡も取れず、部屋に閉じ込められていた彼女の前に、監禁された親友の姿が映し出され…。
※【重要なネタバレなしの感想】とその後【重要なネタバレを含む感想】が続きます。
スーパーモデルのキャンディスはマダムハリウッドと名乗る人物によって自宅に閉じ込められてしまう。マダムハリウッドはキャンディスの両親や友人を人質に取り、キャンディスに対し様々な要求をしていく。。。的スリラー。
序盤あたりの人質に対する仕打ちシーンは神経を逆なでされるような描写で見ごたえがありますが、よかったのはそこだけで後はなんか乗れねぇな、と思いながら観てました。
人質に対する仕打ちとは、マダムハリウッドなる人物がキャンディスに言うことを聞かせるためキャンディスの友人を人質にとっていろんなひどいことをする(もしくはする素振りを見せる)場面のこと。身動きが取れない人質に対し、穴あけドリルを口の中に突っ込むとことか見ててこっちまで苦しくなってきましたよ…。口にドリルが触れてケガをするわけではありませんが非常に嫌な描写です。なぜここまで嫌かというと、虫歯治療で使う小型ドリルを思いだしたかもしれません。あの治療用ドリルでさえそこそこの痛みがあったわけですから、あそこまで巨大口径のドリルを食らったら。。。と考えると怖くて怖くて。あとは、人質にネズミの餌らしき汚い液をかけそこにネズミを放ち、人質の体をかじらせようとするとことかも嫌ですねぇ…。そういえば人質に酸をかけようとする場面もありました。あらかじめマネキンに酸をかけるわけですが、その溶け方がかなり気色悪い。
まぁこのように良かったところをあげてきましたが、それ以外は正直面白くない。しかも上映時間が115分と長め。90分にまとめてくれたら先述の「人質に対するひどい仕打ち」シーンがあるので、そこそこおもしろかった程度の評価になっていたと思いますが…。
※ここから重要なネタバレを含みます
マダムハリウッドがスーパーモデルのキャンディスを家に閉じ込めた理由は、モデルという職業がその人物の人間的な生き方を犠牲にして成り立っていることをキャンディスを通じて世間に表明することでした。劇中でも描かれているように、モデルのスレンダーな体形にあこがれた人々が強迫観念的にダイエットを繰り返し健康を害してしまうといった問題が実際に起こっているらしい。その問題に立ち向かうマダムハリウッドの行動はわかります。ただ、本作の場合、その問題点が前に出すぎて、映画的なドラマがあまり描かれないため観ていても全然入り込めない感じがあります。監督のメッセージや主張だけを見せられているような感覚といえばいいのか・・・。社会的な問題を描いていてそれ自体は興味深いのですが、そればかりが全面展開されると胸やけがしてきます。
総評
モデルの負の側面に焦点を当てたスリラー映画。ただ、主張ばかりが前に出てドラマ部分がうまく描けていない感じがします。人質に対する仕打ちシーンの嫌な感じは必見であります。
というわけで評価は6/10としました。
ストーリー紹介
スーパーモデルのキャンディスは何者かによって自宅に閉じ込められてしまいます。マダムハリウッドと名乗るその人物は、キャンディスの両親や友人のルネを人質にとり、キャンディスを思いのままに操ります。
マダムハリウッドはキャンディスにフライドチキンやチョコレートなど普段は体を気にして食べないものを食べるよう指示。また、髪の毛や眉毛を切らせ、キャンディスのモデルとしての尊厳を踏みにじるようなことばかりを命令します。
マダムハリウッドは最後に、キャンディスに対しモデルという職業についてのスピーチ原稿を書かせ、それをマスコミの前で発表するよう要求。
キャンディスは、モデルとして歩んできた人生が間違いだったといった内容のスピーチをマスコミの前で行います。
こうして、人質となっていたキャンディスの両親や友人のルネは解放されます。
後日、キャンディスのもとにモデル業界の知り合いであるリサという女性が訪ねてきます。
実は、このリサがマダムハリウッドの一人だったのです。
リサはキャンディスにもマダムハリウッドにならないかと持ち掛け、次のターゲットであるモデルの女性の写真を見せました。
おわり
参考サイト:ゲオ宅配レンタル
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