今回は2020年11月6日にリリースされた「ライブリポート」を鑑賞しました。
警察官の主人公・ペニーが誘拐犯を追うアクション映画。
あえての大味さが魅力となっていて個人的にはなかなか楽しめました。
さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。
「ストーリー紹介」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。
あらすじ
誘拐された少女の救出に命を懸ける警察官・ペニーは、配信サイトのレポーター・エイヴァによる追跡捜査の生配信を許可する。その映像はSNSで拡散され…。
スタッフ・作品情報
監督: スティーブン・C・ミラー
原題:LINE OF DUTY
製作年:2019年
製作国:イギリス / アメリカ
上映時間:99分
キャスト
アーロン・エッカート
コートニー・イートン
ジャンカルロ・エスポジート
ベン・マッケンジー
映画サイトでの評価
海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中5.3点(4953件の評価)。
国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中3.3点(177件の評価)。
ストーリー紹介
※まずは重要なネタバレなしで行きます。
・町をパトロール中だった警察官のペニー。
・彼は、誘拐犯が逃走中との無線連絡を受け、追跡を開始する。
・犯人を追い詰めるが、犯人が銃を向けてきたため仕方なく撃ち殺す。
・ペニーは誘拐犯の捜査を指揮していた警察署長のトムに呼び出され、停職を命じられる。
・誘拐されたのはトムの娘・クローディア。トムの元に、もう一人の犯人から泣き叫ぶクローディアの映像が送られてくる。
・クローディアは、水槽のような場所に閉じ込められ、そこに水が注がれていく。満水になり息ができなくなって死ぬまで約60分。
・停職となったペニーだったが、独自に犯人の捜査を開始する。
・そんなペニーの前にエイヴァという女性が現れる。
・エイヴァは、大手マスコミが取り扱わない事件などを報道する「ザ・ピープル.com」というウェブサイトを運営している人物。
・今回の誘拐事件をかぎつけ、犯人を射殺したペニーに接触してきたのだった。
・エイヴァはペニーの独自捜査に付き添い、その様子を動画としてリアルタイムにネット配信することに。
・さらにその動画はテレビ局の報道番組でもそのまま放送されることになる。
・そのテレビを見ていた誘拐犯がペニーたちの元にやってきて銃を乱射する。
・その犯人・ディーンはペニーが撃ち殺したもう一人の犯人・マックスとは兄弟で、ペニーを殺しマックスの敵討ちを果たそうとしていた。
・ペニーは格闘の末にディーンを倒し、ディーンは救急車で病院に運ばれることに。
・ペニーたちは、クローディアを見つけ出すため、ディーンやマックスの実家に向かう。
・家の中でクローディアの居場所の手掛かりを探していると、救急車ごとディーンが突っ込んでくる。
・彼は、乗せられていた救急車を奪いペニーを殺そうとやってきたのだった。
・ディーンは自分の妹が過去の事件でトムに見殺しにされたと考えており、その復讐のためにトムの娘を同じ目に合わせようとしていた。
ここから重要なネタバレあり
・ペニーたちは、ディーンに追い詰められるが、やってきたテレビ局のヘリに乗り込みその場から逃げようとする。
・しかし、ディーンもヘリにしがみつきもみ合いになる。何とかディーンをヘリから突き落とすことに成功。
・クローディアが死ぬまであと5分ほどになり、あきらめかけていたペニーたち。
・そこで、ペニーはディーンが残した言葉から、クローディアが墓地にいると突き止める。
・ヘリでそのまま墓地に行き、墓の土を掘り始める。ライブ配信を観ていた一般市民たちも手伝いに参加し、無事クローディアを助け出すことに成功する。
ここでエンディング。
感想
※今回は重要なネタバレなしで行きます。
これは面白い!!!ジャケットは、アーロンエッカートの迫真の顔のアップが印象的で、マジメな映画かと思いきや・・・。実際見ると、笑えるセリフも多い非常にポップなアクション映画です。
確信犯的な大味映画
ポップなアクション映画であり、もっと言うと確信犯的な大味映画という感じです。監督や脚本の力量不足でそうなったというより「大味な映画を作ろう」と企画段階で決められていたような…そういう映画だと僕は感じました。もちろん実際のところどうなのかわかりませんが。
突っ込みどころや、展開のバカっぽさなどを隠す気もなく、というかむしろその荒唐無稽さをウリにしているような気がします。そこが「抜けのいいバカ映画」として非常に楽しめました。これから本作の突っ込みどころや詰めの甘さについて語りますが、それらは本作にとってプラス要素である、ということをご理解ください・・・。
大味と感じる最大の要因は犯人のキャラでしょう。主人公が誘拐犯の居場所を見つけるため情報を集めていく…という筋で進みますが、途中で復讐に燃える犯人側から主人公の元にやってきてくれる。しかもその登場の仕方がド派手なカーアクションで最高。そこには主人公を取り囲む大勢の警察官もおり、案の定、犯人VS警察官の激しい銃撃戦に発展。なんか、スーパーヒーロー映画に出てくる、サイボーグ化して装甲が高くなったヴィランみたいな大胆な戦い方だな・・・。そのあとも、犯人は主人公たちがいる家に救急車で突っ込んできたりと、かなり積極的なアプローチを見せます。
大味な点はほかにもあって「主人公の独自捜査をリアルタイムでライブ配信する」という根幹のアイディアもなんか少し雑な描き方になっています。ライブ配信をするのは主人公に同行しているエイヴァ。もう一人の主人公といっていい重要キャラですね。彼女は「大手メディアでは取り上げられない事件を検閲なしで多くの人に届ける」ことを信念として日々情報発信を行っています。そしてその一環として主人公の独自捜査に同行し、その様子をリアルタイムで生配信する、と。ぶっちゃけこの捜査のライブ配信ってデメリット大きくねぇか?と思います。確かに大手メディアがやらなそうな取材スタイルだし、リアルタイムで検閲不可なので彼女の信念通りではあるんですが…。上記のように犯人側からこちらにやってきて警察官結構死んでるし、犯人にこちらの情報が突き抜けで危ない目に合う場面も多い。一応、ラストでライブ配信をみていた一般市民が応援に駆け付けるという「ライブ配信のメリット」をみせてバランスを取ろうとしていますが、どう考えてもデメリットが大きいだろ、と。
普通に笑えるネタも多い
上記のように突っ込みどころや疑問がわいてくるところが多く、そこが「バカやなぁw」とゲラゲラ笑えるポイントなんですが、一方で普通にギャグとして笑えるネタも多い。野次馬に気を取られて事故を起こす場面とか。ここ犯人はまったく関係ないですからね。(しかもクラッシュが無駄に激しい)あと、映画でよくある「一般市民の車を拝借する」展開が何度も繰り返されるとか。ペニーとエイヴァの年齢差を生かしたジェネレーションギャップネタとか。ここなんか小気味のいいセリフの応酬のなかでふたりの仲が深まっていくさまをさりげなく織り込んでいてバディ物としてもいい映画だなと感じました。
総評
大味映画であることは間違いないが、そこが魅力というタイプの映画。そして、この大味さはおそらく製作者の意図通りだ、というのが僕の予想です。
主人公役のアーロン・エッカート氏やトム役のジャンカルロ・エスポジート氏などのイイ役者のおかげで、コメディ寄りにもなりすぎずにちゃんとハラハラできる、いいバランスの作品に仕上がっていると思います。
突っ込みどころなんかも含めて笑いながら楽しめる作品だと思いますので、時間があればぜひ観てみてください。
ということで、評価は8/10としました。
参考サイト:ゲオ宅配レンタル
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