今回は2020年12月2日にリリースされた「僕を憐れむ子守唄-呪われたベッドNO.6-」を鑑賞しました。
ある小児病院の夜勤をはじめた医師が6番ベッドで男の子の霊を目撃する・・・というホラー映画。
恐怖描写自体は控えめながら、素晴らしい演出の数々に魅了されてしまいました。
さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。
「ストーリー紹介」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。
あらすじ
夫の紹介で、小児病院の夜勤医師の面接に向かったビアンカ。院長から前任者が飛び降り自殺で亡くなったことを聞いたビアンカは恐怖を覚えるが、主人の面子を潰さないためにも辞退することができず…。
スタッフ・作品情報
監督:ミレーナ・ココッツァ
原題:Letto numero 6/BED NUMBER 6
製作年:2019年
製作国: イタリア / アルゼンチン
上映時間:112分
キャスト
カロリーナ・クレシェンティーニ
アンドレア・ラッタンツィ
ピア・ジョルジオ・ベロッキオ
カルラ・カッソーラ
映画サイトでの評価
海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中6点(20件の評価)。
国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中1.8点(3件の評価)。
ストーリー紹介
※まずは重要なネタバレなしで行きます。
・主人公は医者のビアンカ。
・彼女は小児病院で夜勤の仕事を始める。
・子供たちが入院している部屋の6番ベッドのあたりで男の子の幽霊(ミケーレ)を目撃する。
・ミケーレは何らかの理由で母親を探していた。
・ビアンカはミケーレの母親(レティツィア)を特定し小児病棟に連れてくる。
・ミケーレが幽霊となった理由。
・彼はレティツィアの再婚相手に嫌われ、精神科病院(ビアンカが勤めるその小児病院のこと。もともとそこは精神科病院だった)に入れられる。ある日、レティツィアがミケーレに会いにやってくるがスタッフに止められ引き返す。病院から去っていく母親を見たミケーレは絶望し一室から飛び降り自殺してしまう。
ここから重要なネタバレあり
・そして現在。レティツィアは小児病院で幽霊となったミケーレと再会。ミケーレのいる世界に行くため部屋から飛び降りて死んでしまう。
・ミケーレはそのことに満足した様子で、ビアンカの元から消える。
ここでエンディング。
感想
※まずは重要なネタバレなしで行きます。
ジャケットに映るのは舞台となる小児病棟と幽霊の少年・ミケーレ。タイトルがとても長くわかりづらいのが好きではない・・・。
主人公が勤める小児病院に男の子の幽霊が現れ母親に会いたいと訴える・・・その理由とは?!という、ホラーとしてはとてもオーソドックスな話。そして、ジャンプスケアとかでバリバリ怖がらせてくるタイプのホラー映画でもないです。じゃあ結論、つまんないってこと???というとそうではありません。なんというか、画の撮り方とか見せ方などがめちゃくちゃよくて、そういう演出でぐいぐい引っ張っていくタイプの映画でした。
演出力で見せる映画
演出がとにかくイイ!言ってしまえばよくある話でありホラー演出も控えめながら演出の力のおかげで最後まで見ていられる。
例えば、不安をあおる音楽。象徴的でスタイリッシュなカット。キリスト教系の病院ということで神父やシスターが登場し、その荘厳な感じもかなりいい。この映画を観て気づきましたが、ホラー映画とシスターの例の衣装は相性がいい!ホラー映画に出てくるあの衣装ってどこか不気味さを感じませんかね?「死霊館のシスター」の何が良かったかといえばシスターのあの衣装だったな、と改めて思います。
本作の演出に話を戻しまして。そんなかでも最もよかった演出は主人公が見る「夢シーン」。「幽霊を見たと思ったらそれは夢で、ベッドで目が覚める」という演出はホラー映画において定番で、このシーンを見ない心霊ホラーの方が少ないんじゃないかと思うほど頻出する演出ですが、本作はその見せ方がうまい!実際に自分も見そうな悪夢でリアリティがあるというか。これは実際に観てもらうのが早いですが、夢と現実をつなぐ短いカットを入れてあえて違和感を残すような夢シーンになっています。この夢シーンは計2か所あってどちらもよくて、正直もっと見たいと思ってしまった。この監督には夢を題材にしたホラー映画を撮ってほしいと本気で思いました。
総評
演出が素晴らしい!どこか神聖な雰囲気すらあるホラー映画。恐怖描写は弱いのでその辺りで好みは分かれそうですが僕は好きな映画です。
ということで、評価は9/10としました。
参考サイト:ゲオ宅配レンタル
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