「グッドボタン 暴走する若者たち」映画感想(ネタバレ)インスタでいいねを求めて大惨事

今回は2020年にアマゾンプライムにてリリースされた「グッドボタン 暴走する若者たち」を鑑賞しました。

インスタの「いいね」稼ぎに夢中になるあまり取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう高校生を描いたスリラー映画です。

SNSのこわさもさることながら、子供が育つ環境の重要性を訴えてくる作品だと感じました。なかなかおすすめな一本です。

さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。

「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。

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あらすじ

スクールカーストを賭けた投稿バトルが殺人事件へと発展する!

スタッフ・作品情報

監督:ニック・エヴァーハート

原題:instapsycho

製作年:2020年

製作国:アメリカ

上映時間:86分

キャスト

ニッキー・ウェラン
マッケンジー・ヴェガ
キム・ディレクター
ローラ・ウィッジンズ
ジョシュ・ケリー

映画サイトでの評価

海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中4.5点(233件の評価)。

国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中2.8点(1件の評価)。

ストーリー紹介

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

・主人公は高校生のマディ。彼女は同級生のケリーと親友。

・ある日、ケリーが同じ学校に通うサーシャにバカにされる。

・ケリーはインスタでサーシャの悪口を書いた投稿をする。

・サーシャもそれに対しケリーにやり返す。

・ケリーはインスタについた「いいね」の数でサーシャに勝ちたいとだんだん過激な行動をとるようになる。

・そんなある日、マディはケリーやもう一人の友人・エヴァと人気のない崖の上にやってきて「いいね」を稼げそうな動画を撮ることに。

・それは、崖の端ぎりぎりを歩いて度胸試しをするという内容。

・ケリーは半ば無理やりにエヴァに崖の上を歩かせるが、途中で滑落して死亡してしまう。

・ケリーは自分が逮捕されるとエヴァが一人でその場にやってきて落ちたように見せかける。

・その後、エヴァの死体が見つかり警察の捜査が始まる。


ここから重要なネタバレあり


・ケリーはサーシャがエヴァを殺したように工作し、サーシャは警察に連行される。

・マディーはケリーの行き過ぎた行動についていけなくなり、ケリーと距離を置くようになる。

・ケリーはマディーも陥れようとする。

・マディーはケリーがエヴァ死亡の原因である証拠を撮影する。

・ケリーは警察に捕まる。

ここでエンディング。

感想

※まずは重要なネタバレなしで行きます。

ジャケットは、登場キャラ(と盛り上がりシーン)が映っているデザインですが正直あんまりいいジャケットではないと思いました。格子状で区切られたデザインが少しダサい…。タイトルも「グッドボタン」という字面がなんか間抜けでこちらもセンスを感じません。ちなみに中央に大きく映る女性は主人公の母親、右上がサーシャ、そこから時計回りにケリー、学校の先生、で・・・左下で不敵な笑みを浮かべる女性は誰だ?(笑)、そして、上にいって主人公のマディーとなっています。

僕は無類の「SNSがテーマの映画」好きでして・・・。アマゾンプライムをあさっていたら偶然「“いいね”欲しさに暴走する」映画らしい本作を発見して、そのまま即再生ボタンを押したほどです。軽薄なキャラがバカ騒ぎしているパリピ感あふれる作品が「SNSがテーマの映画」には多くて、このタイプの映画があるとつい見てしまうんですよね・・・。

SNSがテーマの映画はやはり面白い

少し気になるところはあるものの、SNSがきっかけとなり暴走していく高校生を描いたスリラー映画としてなかなか面白い作品だと思いました。

高校生のケリーが同じ学校に通うサーシャというヤツからいやがらせを受ける。ケリーは一泡吹かせてやろうとインスタにサーシャをバカにする動画を上げる。そこからお互いにインスタで攻防が続いていき・・・というのが導入。僕の好きな「SNSを使ったバカ騒ぎ」が拝めるのはこのあたりですかね。

ここでポイントなのはお互いがやりあうというより、ケリーのやり口がえげつなさ過ぎて、サーシャが一方的にいじめられているように見えてくること。生徒が大勢いる中でチアリーダーにサーシャの悪口を言わせるとか正直ドン引きですよ…。ケリーはほかにも継父にクスリを盛って殺したうえで自殺したことにして、インスタで「自殺しようか悩む人の相談窓口はこちら」みたいな動画を上げていいね稼ぎをしてたりと、とにかくやべぇ・・・。

ケリーの行動はどんどんエスカレートし「いいね」稼ぎのための動画撮影時に取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう。「いいね」をもらうために高校生ならこれぐらい危険なことをしそうというのが普通にありえそうで怖い。劇中で学校の先生たちが愚痴を漏らしていますが、大人になったあとにSNSが登場した世代からすると、SNSにどっぶりな今の学生たちというのは理解不能な感じなんでしょうか?あまりSNSを利用しない僕としては「使い方を間違えなければそれほど怖いものではないんじゃね?」と軽く考えていますが、学校の先生や子を持つ親からしたら気が気じゃないのかもしれませんね。ジャケットで主人公・マディーではなく、その母親が一番大写しになっているのは親から見たSNSの恐怖の話でもあるから、かもしれません。


ここから重要なネタバレあり


子供はどういう環境で育つべきか?

このようにSNSの怖さを描いた映画でもあるんだけど、最終的な着地を見るに子供を育てる環境の重要さを訴える映画のように思えました。

ケリーはいくつもの里親の元を転々としてきたという過去があり、そのことが彼女の人格形成に大きく影響している。ケリーはどうやらあまりいい里親に巡り合わなかったらしい。劇中にも登場する現在の里親からも愛情をもって育てられているようには到底見えないですね。ケリーの常軌を逸した行動もそんな劣悪な環境で育ってきた彼女なりの処世術である、と本人が言っています。

一方、ケリーのダメな里親との対比として登場するのがマディーの母親。赤の他人であるケリーに対しても我が子のように愛情をもって接する心の広さを持つ、非常に理想的な保護者、もとい庇護者というか。自分の親がこんなだったらまた違った人生があったかもしれない、とまぁケリー自身もそんな感じのことを言っています。マディーの母親、見た目や自分の子供に向ける顔の表情など、とても洗礼された感じがして正直めちゃくちゃ好きなキャラです。ケリーにぶん殴られてもなお彼女のことを想い、まだやり直せるからと諭す姿は感涙モノでした。

オチは蛇足か?

一度目の鑑賞でオチの部分はいらねんじゃね?と思いましたが、この記事を書くうちに少し考えがかわったのでその辺りを語りたいと思います。どういうオチかというと、マディーの家に恋人が車で迎えに来て、マディーの母親が見送る中ふたりは車でプロムに向かうというもの。ケリーは逮捕されて当然プロムには参加できないはずなので、このオチだと「きちんとした環境で育った人間(マディー)だからまっとうな高校生ライフを送れた」という風に見えて結構残酷な話じゃないか?と思いました。

ただ、少し考えが変わりました。この映画はどちらかというと親(大人)視点から見た映画。子を持つ親が「SNSというある意味危険なツールが普及しきった世界」でなんとか自分の子供を守った、という。ということで、あのラストはマディーの母親が娘を無事プロムに送り出してやれたという大人目線でみるとまだ納得できるかな。

総評

SNSがテーマということでもっとポップな作風かと予想していましたが、意外にもシリアスなトーンで教訓が前面に押し出された感じのスリラー映画でした。ケリーの行動がどんどんエスカレートしていく一連のシーンは怖いと同時にテンションが上がってくる。ケリーのサイコな言動もなかなかゾッとするものがありました。

オチは少し納得いかないけど、基本的には面白い作品です。アマゾンプライム会員なら無料で観ることができるのでよかったらぜひ!

ということで、評価は8/10としました。

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