「インサイド」は2016年のスペイン・アメリカ合作スリラー映画。監督は「ハーモニー・オブ・ザ・デッド」、「スペイン一家監禁事件」のミゲル・アンヘル・ビバス。主演のサラを演じたのは「バーニング・クロス」、「悪魔の棲む家」のレイチェル・ニコルズ。「屋敷女」というフランス映画のリメイク作品です。
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:ミゲル・アンヘル・ビバス
キャスト:
レイチェル・ニコルズ
ローラ・ハリング
アンドレア・ティバダル
ベン・テンプル
スタニー・コペット
原題:Inside
製作年:2016年
製作国:スペイン・アメリカ合作
配給:ショウゲート
上映時間:89分
あらすじ
間も無く出産を控え、幸せ絶頂の夫婦を襲った不運な衝突事故。夫は帰らぬ人となり、妻サラは補聴器ナシでは耳が聞こえない障害が残った。一緒に生き残ったお腹の子の誕生だけを心の支えに暮らしているサラだったが、ある晩、見知らぬ女が現れ、彼女を殺そうと襲い掛かってくる…。
感想
※結末までのネタバレを含むのでご注意ください
オススメなホームインベージョン映画
犯人の狙いのゾッとする怖さやラストの悲しさなど心を揺さぶられるスリラー映画でなかなか楽しい一作でした。ハラハラするサスペンスシーンも多く、全然集中力が途切れず一気に最後まで観ることができました。
対向車との衝突事故を起こし、夫を亡くした妊婦のサラ。ある日彼女の家に謎の女性が侵入してくる…。その女の目的とはいったい?!というお話。
後で書くように重大な欠点がある作品ですが、ホームインベージョン映画としてなかなかスリリングで楽しく観ることができました。ホームインベージョンもので個人的に好きなシーンは、犯人が普通に訪ねてくる振りをして家に上がり込もうとする場面。本作でもその場面はきっちり用意されており見せ方も不気味で満足感が強いです。その後、犯人の“女”が侵入してきて主人公に襲い掛かるわけですが、寝ている主人公に点滴を打つという不可解なシーンもとても怖い。“女”を演じた役者の顔つきも不穏な感じでいいですね。主人公の家に知り合いがやってくる場面のサスペンスシーンはハラハラします。ラストに“女”が取る行動も人間味を感じる悲しいオチになっていました。
今作の欠点
スリラー映画において犯人側にもやむにやまれぬ事情があって“事件”を起こしている場合、人間味を持たせるために犯人を少々隙がある人物として描くことがあります。そして、その事情はだいたい後半あたりにサプライズとして明かされます。そのため事情が明かされるまではどうしても犯人の弱さ、段取りの悪さが気になってしまいます。本作に登場する“女”もある事情で狂人になってしまった元はまともな人物で、戦闘力のスゴイ軍人などではないので主人公と戦うとき圧倒的な力の差を見せることもありません。必然的に戦い方も泥臭くなってしまいます。終盤あたりに“女”側の事情が明かされますが、その事情を知らされるまでは「こいつ犯人のくせにどうも弱くてマヌケだな」と感じてしまいました。なので、家に主人公の知人なんかが次々とやってきてこの“女”に殺される展開は余計マヌケに見えてします。このように犯人を隙のある人物にしたことが今作の欠点になっていました。
総評
ハラハラするホームインベージョン映画で楽しむことができました。犯人側にも事情があったというツイストも聞いておりストーリーも良いです。ただ、弱点として犯人がマヌケに見える瞬間が多々あったというのは少しマイナスかなと思います。というわけで評価は7/10としました。ちなみに本作は「屋敷女」のリメイク作とのことで、後日観た後に両作品を見比べた感想をこちらに追記したいと思います。
ストーリー紹介
登場人物
サラ:妊婦の女性。車を運転中によそ見をして対向車と正面衝突する事故を起こしてしまう。
マット:サラの夫。事故の際死亡してしまう。
女:サラの自宅に侵入してくる女性。
交通事故を起こしてしまった女性
出産が間近に控えていたサラ…。彼女は車を運転中によそ見をして対向車と衝突事故を起こしてしまいます。助手席に乗っていた夫は死亡…。お腹にいた赤ん坊は無事で、サラも一命をとりとめたものの難聴の障害が残ってしまいます。
家に侵入してきた“女”
夫を亡くしたサラは、悲しみに暮れながらもなんとか日常生活を取り戻そうとしていました。そんなある日の夜、サラの就寝中に見知らぬ“女”が侵入してきます。その“女”は分娩を誘発する薬をサラに注射…。しばらくして目を覚ましたサラは目の前にいる“女”に気づきもみ合いになったあと浴室に逃げ込み鍵をかけます。その後、彼女の友人や母親、警察官が次々とサラの家にやってきますが、“女”に殺されたり、サラ自身が間違えて殺してしまったりと、助かるチャンスをことごとく逃がしてしまいます。
“女”の目的
サラは何とか隙をついて家の外に飛び出します。そして、助けを呼ぼうと向かいの家に駆け込みました。住人がいないか探して回っていたサラはその家の異変に気づきます。そこには自宅でくつろぐサラを盗み撮りした写真や、分娩方法についての文献などが置いてありました。その家には、サラの様子を監視するために“女”が住んでいたのです。実はその“女”はサラが起こした事故の対向車側に乗っていた人物でした。その時彼女は妊娠していましたが、事故のせいで死産となってしまったのです。そこで、その復讐のためサラの赤ん坊を奪おうと今回の事件を企てたのでした。
“女”の見せた行動
異様な雰囲気の家に驚いていたサラのもとに“女”がやってきます。サラは再び家から外に逃げますが、カバーで覆われた庭のプール上で“女”に捕まってしまいます。もみ合いになった際、“女”の持つ刃物でカバーが破れふたりはプールに落下。サラがおぼれ意識を失いかけるなか、“女”は刃物でカバーを切り裂いてサラをその穴から地上に持ち上げ助けます。“女”自身はそこで力尽きプールの底に沈んでいってしまいました。サラがプールの上に這い上がったあと陣痛が始まり、赤ん坊が生まれてきました。
おわり
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コメント
なんかツッコミどころ多い映画でした。主人公母親と犯人間違えるなんてどんくさすぎるしあんなおばさんひとりに大の男や警察官が弱すぎるし
ハラハラというより最後までイライラして観ていました