「ゴーストランドの惨劇」映画感想(ネタバレ)観た後の精神状態がヤバい映画

「ゴーストランドの惨劇」は2018年のフランス・カナダ制作のホラー映画。監督は「マーターズ」「トールマン」のパスカル・ロジェ。主役のベス(大人)を演じたのはクリスタル・リード。子供時代のベスは「ブリムストーン」のエミリア・ジョーンズが演じています。

結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

作品情報

監督:パスカル・ロジェ

キャスト
クリスタル・リード
アナスタシア・フィリップス
エミリア・ジョーンズ
テイラー・ヒックソン
ロブ・アーチャー
ミレーヌ・ファルメール

原題:Incident in a Ghostland

製作年:2018年

製作国:フランス・カナダ合作

上映時間:91分

感想

観終わった後少し精神状態がおかしくなったほどの作品です。

人里離れた叔母の家を相続し、そこへ移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。奔放で現代的な姉ベラとラブクラフトを崇拝する内向的な妹ベスは、双子でありながら正反対の性格だった。新居へ越してきた日の夜、2人の暴漢が家に押し入ってくる。母は娘たちを守るため必死に反撃し、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにしてしまう。

※結末までのネタバレを含むのでご注意ください

心動かされまくる映画

結論を言うと超おすすめの一本なのでぜひ観てもらいたいです。衝撃的でエグめな内容の作品なので人は選ぶと思いますが…。個人的には観た後の精神的負担が結構大きく疲れ切ってしまいました…。心が動かされた度でいうと近年で一番の作品です。

中盤のある大きな仕掛けが本作の特徴で、ただのホームインベージョン映画では終わらない特別な一本に仕上がっています。

男女二人組が家に侵入してきて返り討ちにした場面から、時間は16年後へ。主人公ベスはホラー小説家として生活し、結婚し子供も出来と幸せな生活を送っているシーンがじっくりと描かれます。しかし、その幸せな生活はベスの妄想で、我に帰るとそこには侵入してきた男女二人組がおり、母親は殺されていて、姉のベラは人形のように扱われ…とあまりに悲惨な現実が待ち受けていました。「幸せな妄想」と「むごい現実」との落差が大きすぎて、この真実が明かされた時の衝撃は物凄いものでした。その後、ベスはベラと共になんとか家を抜け出し、道路を通りかかった警察官に助けを求めます。ベスに完全に感情移入している自分としては助かて良かったと安堵した場面ですが、なんと女のほうが追いついてきて警察官を殺したうえでベスたちを再び家に連れ戻してしまいます。ここでもうい一回ベスが妄想側に行ってしまう展開になります。憧れの人物ラヴクラフトに自分の書いた本をほめてもらうという内容ですが、観客としては現実を知っている分、胸を締め付けられる非常に残酷な場面です。妄想の中でベラの助けを求める声を聞いたベスは意を決して自ら現実世界に戻る選択をし、女に首を絞められているベラを助けます。ここはもうテンションが激上がりするシーンで最高でしたね。その後、突入してきた警察官によって男女は射殺され、姉妹は無事助け出されます。ベスたちがもう一度捕まってしまうあたりから「もしこの映画がバッドエンドだったら自分は精神的にヤバイかもな」と思いながら観ていたのでその点はほんとによかったです。本作は、夢見る人間の未来を暴力によって断ってしまうことの残酷さを文字通りの画として観客に見せつける映画でした。

一通り見事なストーリーの話をしましたが、忘れてはいけないのが家に侵入してくる男女の不気味さでしょう。観る人に嫌悪感、拒絶感を与える演出、演技が満載でだんだんフラストレーションがたまってきます。幼児的な男の方はもちろんですが、女の方もどこか不穏さを感じるルックスでこういうホームインベージョン系の映画の中でもキャラの立った侵入者に仕上がっていました。この男女はベスやベラを人形に見立て服を着せたり化粧をして“人形遊び”をするわけですが、特に嫌なのは姉妹の化粧した顔の気持ち悪さです。顔全体は白塗りで、頬や口には赤を塗っているその見た目はホラー的にゾッとしてしまう怖さがあります。あと、本物の人形が並べられている部屋のおぞましさが異常です…。手作りなのかいびつで決してかわいらしいとは言えない人形の中にベスが座らされ、男が“人形遊び”をする場面は超怖くて見ごたえがあります。ここはかなりの名シーンと言ってもいいと思いました。

ベスの妄想シーンはいわば後のサプライズに向けた前振りであり下手な演出なら退屈になりそうな場面ですが、そのあたりも抜け目なくちゃんとハラハラするようになっています。現実の世界で起きていることを妄想の世界に部分的に反映させることで心霊ホラーテイストに仕上げ、それがものすごく不吉で恐ろしいものになっています。このように全編にわたり一切退屈するような場面がなく、ずっと緊張感を持ったままドキドキしながら鑑賞することができました。

総評

近年見た中で一番心を動かされた映画でした。ホラーとしても一級の作品でかなりおすすめな映画でした。というわけで評価は10/10としました。

ストーリー紹介

登場人物

ベス:ラヴクラフトにあこがれる少女。

ベラ:ベスの姉。

ポリーン:ベスとベラの母。

何者かに襲われる家族

ポリーンは叔母から人里離れた家を相続し、娘二人(ベス、ベラ)とともその家にやってきました。3人が家の中を見て回っているところ、突然家に入ってきた見知らぬ男女に襲われてします。ポリーンは娘たちを守るべく侵入者ふたりに立ち向かい両方をナイフで刺します。

それから16年後

それから16年後。ベスはホラー小説家として成功をおさめ、結婚し子供もできて…と幸せな生活を送っていました。一方、ベラは事件のトラウマによる苦しみと戦いながら、母親とともに事件の起きた家で暮らしていました。ある日、ベスはベラに頼まれその家に帰ることになりました。家に着くとそこにはあの事件にいまも怯えるベラの姿がありました。

ベスが目を覚ますとそこは…

ソファーで寝ていたベスが目を覚ますと彼女はあの事件が起きた日に戻っていました。大人になって送っていた日々はただの妄想だったのです。ポリーンが押し入ってきた男女二人を刺して娘たちを助けたというのもベスのみた幻覚で、実際にはポリーンは女の方に首を掻っ切られ亡くなってしまっていました。男女はベスたち姉妹にかわいらしい洋服を着せ化粧をし“人形ごっこ”をして遊びます。姉妹は何とかその隙をついて家から逃げ出し、道路を通りかかった警察官に助けを求めます。しかし、警察官が本部へ無線連絡をしていたところに女が追いついてきて警察官を殺し姉妹は再び家に連れ戻されてしまいます。

現実に戻り姉を助ける

ベスは再び“大人になり夢をかなえた自分”の妄想に浸ります。そこにベラの助けを求める声が聞こえてきました。ベスは意を決して現実にもどりベラの首を絞めている女に掴みかかります。そこへ先ほど連絡を受けた警察官がやってきて男女を射殺し姉妹を助け出しました。

参考サイト:映画.com

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