「ザ・メッセージ(I STILL SEE YOU)」映画感想ネタバレ(10/10点)幽霊が当たり前にそこにいる世界

今回は「ザ・メッセージ」を鑑賞しました。

幽霊が当たり前のように存在する世界に生きる高校生が見知らぬ幽霊から受け取ったメッセージの謎を追っていくミステリーホラー映画。

幽霊の描き方や世界観が魅力でかなり楽しめました。

個人的な評価は10/10点です。

作品情報

監督:スコット・スピアー
出演: ベラ・ソーン、リチャード・ハーモン、ダーモット・マローニー
原題:I STILL SEE YOU
製作年:2018年
製作国:アメリカ
リリース:2021-08-20
上映時間:98分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.8/10点、「フィルマークス」3.4/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
政府のある研究所で爆発事故が起き多くの人々が命を落とす。この事故以降、爆発があったエリア周辺に“残存者”が現れはじめる。

残存者とは、人が亡くなった後の幽霊のような存在。感覚や思考を持たないホログラムのようなもので、同じ時間・同じ場所に現れ、現実世界にいかなる影響も及ぼすことができない。

残存者を生み出した爆発事故から10年後。

高校生のロニーは爆心地から20kmほど離れた場所に暮らしていた。

ある日、ロニーが浴室でシャワーを浴びていると残存者が現れ鏡にRUN(逃げろ)というメッセージを残して消えてしまう。それは初めて見る残存者で、自分に危害を加えようとしていると考えたロニーはクラスメイトで残存者オタクのカークに助けを求める。

後日、ロニーとカークが浴室でその残存者の撮影に成功。その顔を画像検索にかけ調べるとブライアンという人物であることが判明。ブライアンはメアリーという女性を殺したということを知る。メアリーが殺されたのは4年に一度ある、うるう日2月29日で、それはロニーの誕生日でもあった。

毎朝食卓に現れるロニーの父親(残存者)がクレアという人物もうるう日に殺されたというメッセージをロニーに示していたため、ロニーはカークとともに爆心地である研究所を訪れる。

ロニーたちはそこで爆発を起こした原因である研究の責任者スタイナー博士を発見。彼曰く、あの世とこの世とをつなぎ、死者を生者の体を使って蘇らせる研究をしていて、想像を超える大きな穴ができてしまった結果あのような大爆発が起きたという。ブライアンはそのときの研究助手で、ほかの人の体を使いクレアを蘇らせようとしていたのではないかとスタイナー博士は付け加えた。

つまりブライアンは、クレアと誕生日が同じ人間であるロニーを使って、ふたりの誕生日である2月29日にクレアをこの世に蘇らせようとしていたのだった。今現在の日にちは2月27日でうるう日は2日後に迫っていた。

ロニーは、カークが別件でトラブルになり手が離せないため、高校の教師ビットナーに助けを求める。

ビットナーはロニーの家の一室を残存者であるブライアンが入り込めないように改造し、ロニーに2月29日が終わるまでそこにいるよう指示をする。

そのころ、カークはビットナーがスタイナー博士のもとで例の研究をしていたことを知る。この時の爆発でビットナーは娘のエバを失っていた。

カークはビットナーの自宅に行き、彼の様子をうかがっていたが、見つかり穴に埋められる。

そのころ、一連の“うるう日殺人事件”の犯人がビットナーだと悟ったロニーは、部屋から逃げ出す。

ロニーは氷の張った湖にたどり着いたところで、ビットナーに捕まる。ロニーが足元の氷を割り二人とも湖に落ちてしまう。

ロニーはビットナーに体を引っ張られ溺れそうになるが、ブライアンに引っ張り上げられ地上に浮上。ビットナーはそのまま湖に沈んで行ってしまう。

穴から氷の上に這い上がれずいたロニーだったが、そこへ穴に埋められたはずのカークが現れ助けられる。彼は、自分の残存者である父親に穴を掘って助けてもらっていた。

後日、カーク付き添いの元、父親の墓参りに行ったロニーだったが、そこには残存者となったビットナーがおりロニーたちの方を見つめていた。

感想

政府の研究所で爆発事故が起き、その影響で残存者と呼ばれる幽霊のような存在が生み出されてしまう。その事故から10年後。高校生のロニーの前に見知らぬ残存者が現れ、逃げろというメッセージを残し消えてしまう。自分になにか悪いことが起きるのではないかと考えたロニーはその残存者のことを調べ始めるが…という内容。

・幽霊の設定や世界観が面白い

残存者の設定や、残存者が存在する世界自体の描き方が妙にワクワクしてくる作品。正直この部分だけでもう十分この映画を見た価値があったなと思いました。

残存者の設定としては、

感覚を持たない
意識的思考もない
過去の投影である
ホログラムである
同じ時間、同じ姿でしか現れない
現実世界に影響を及ぼせない

・・・などと劇中で説明されています。

他のホラー映画に出てくる幽霊とはまた違う幽霊像になっていて、残存者の説明が出るたびワクワクですよ!よく幽霊の正体は何かという話の中で「幽霊ってのは人間が死に際に残した念である」みたいな話があるのですが、それに少し似た幽霊像ですね。

そして、残存者がいる世界の描き方も面白い!「幽霊が出た!!!!」なんて驚くことすらなくて、もうそこに当たり前にいる存在であるという描き方なんです。主人公のロニーなんか全く動じずに毎回おばあさんの残存者を自転車でひいてますからね。なかなかショッキングなモーニングルーティンです。あと、授業中に残存者が現れるシーンは最高でした。ロニー含め生徒が授業を受けていたら、端っこの席にいつのまにか残存者がいて生徒たちが少し動揺する、という。ホラー映画で、一度にこれほど多くの人間が幽霊を目撃するシーンてあまりなくとてもフレッシュな描写です。しかも、この場面で生徒たちのリアクションがそこまで大きくなく、幽霊が当たり前にいる世界の異様さを感じます。面白い世界観だなと感動してしまったシーンです。世界の描き方といえば冬の寒々しさや独特の音楽チョイスなどがとてもいい空気感を醸し出しています。ついでにいうと、ロニーが爆心地に向かうあたりからの雰囲気も抜群に良いです。立ち入り禁止区域に入ったあたりから警告音が流れ出し、無数の車が当時のまま残されていたりして。さらに爆心地に近づくと、また違う時代の残存者が大勢街を歩いていて、別の映画を見ているのかというぐらい雰囲気がガラッと変わっています。

・エンタメ映画としてイイ出来

一通り世界観の説明が終わった後は、主人公ロニーの前に現れた残存者の正体やその目的を探るミステリー的展開になっていきます。残存者がくれたヒントなどを頼りにどんどん真相に近づいていく様子はなかなか興味深いです。うるう日を重要なポイントにしてそこを中心に話を転がしていく手腕もうまいですね。

事の真相が明かされたあとも、サプライズ展開や残存者をうまく絡めた決着など見どころがたくさんあります。

※ここからは重要なネタバレを含みます

ロニーやカークが終盤で残存者から助けられる展開はベタながらグッときてしまいました。ロニーが頭の中で見る父親の映像とか特に良かったな。亡くなったばあちゃんもオレのことみていてくれてるかなぁ…と思いをはせました。

思考も感情もないとされてきた残存者たちにも実はちゃんと意思があって、世界に影響を及ぼすこともできたわけです。ラストのあたりで原題の「I STILL SEE YOU」が、ロニーやカークの亡くなった父親が「おまえのことまだ見ているよ」という意味だとわかります。そして、さらにそれが反転するラストカットはうわっという驚きと、ゾッとする恐怖感、後味の悪さが襲ってきます。死んで残存者になったビットナーがロニーに対しての「おまえのことまだ見ているよ」という意味になるわけですね。

まとめ

もうとにかく世界観が好きすぎる!

自分好みの世界観で、エンタメとしてもよくできているかなり面白いホラー映画という感じです。

普通のホラー映画とはちょっと変わった幽霊の描き方、そして幽霊のいる世界の描き方が見たい方には特におすすめです。

また、エンタメとしてもよくできていて、ジンと来るいい話でもあるので結構万人受けするんじゃないかと思います。気になった方はぜひ!

というわけで評価は10/10点としました。

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