「HEX 地上4500m消失領域」映画ネタバレ感想 まさかの展開が面白い

映画「HEX 地上4500m消失領域」のあらすじと観た感想を紹介します。

結末のネタバレがあるのでご注意ください。

作品情報

スカイダイビングを行った人々に起こる不可解な死の謎に迫るスリラー映画。

ひとりでスカイダイビングを楽しんでいたサラは、ペイソンという男性からチームに加入しないかと誘われる。サラが加わったチームは高難易度のヘックスという隊形に挑戦し2回目の挑戦で見事成功させる。しかし、降下中に突然ペイソンが消えてしまう異常事態が発生。その後、ペイソンの捜索が行われるがその姿は見つからなかった。さらに、ヘックスを行ったメンバーが次々と不可解な死を遂げ・・・。

2022年製作/89分/アメリカ
原題:Hex

あらすじ

ある事故から10年後

チームでのスカイダイビング中にある人物が死亡する事故が起こる。

それから10年後。

サラはひとりで行うソロのスカイダイビングを楽しんでいた。

ある日、その姿を見たペイソンからチームでスカイダイビングをしないかと誘いを受ける。最初は断るサラだったが、ペイソンの熱意に負けてチームに加わることとなる。

元々いたメンバーであるペイソン、リサ、グレッグ、ウェイド、エバンのチームにサラが加わり6人となったことで、ペイソンは人数が6人必要な“ヘックス”という隊形で飛ぼうと提案。

ヘックスを行う

飛行機で上空高くにやってきた一行は、出口から飛び出しお互いに手をつなぎ輪っかを作った。そして、全員が一気に体の向きを180度変えるヘックスを行うが失敗に終わる。

その翌日、二度目の挑戦が行われ見事成功させた。しかし、喜びもつかの間、ペイソンが突然その場から瞬間移動したかのように姿を消してしまう。サラたちが着地したあと、ペイソンの捜索が行われるがどこにも見当たらなかった。

次々起こる不自然な死

そんななか、ヘックスを行ったエバンやグレッグが相次いで不自然な死を遂げる。

サラは母に助けを求め、かつてヘックスを行ったスカイダイバーたちが原因不明の死を遂げたことを聞かされる。サラは、自分の仲間が次々と亡くなるのはヘックスが原因であると考えた。

その後、リサも自宅で起きた爆発事故で命を落とした。

サラとウェイドはヘックス経験者でありながら現在も存命のクリスのもとを訪れる。

一連の事件の真相

クリスは昔の出来事を語り出した。彼にとっての初のスカイダイビングは最高の気持ちだったが2度目からはもうそこに感動はなかったという。それは、自分にスカイダビングの才能がなく、自分の限界を超えた時に得られるような快感が味わえないからだった。そこで、空の悪魔ラニスロと契約した。クリスが考案したヘックスを行った者は死んで、その命やスカイダイビングの技量はクリスのものになるという。一方、ラニスロはヘックスを行った者の魂を手に入れる。

ウェイドは多くの命を撃ったクリスに向けて銃を撃つが、その瞬間銃が暴発しウェイドの顔に金属片が刺さり死んでしまう。

サラは突然、ヘックスを行う前の飛行機が墜落しそうになっているビジョンを見る。

クリスは、サラに真実を告げる。実は今ここにサラはいない、という。ヘックスを行う前の墜落しかけの飛行機内にいるのが本当の現実であり、こうしてクリスと会っている“いま”はサラが死ぬ前にみている悪夢だった。ヘックスの魔力によって自分の死を覚悟したときの場所と時間にとどまり、実際に死ぬまで悪夢と現実の間をさまよい続けていたのだった。

現実でサラはまさに死ぬまで猶予が残されていない状態だった。クリスはサラに死から逃れる方法を教えた。それはペイソンの高度計を持ってスカイダイビングを行うこと。

死から逃れるために

サラは言われたとおりにスカイダイビングを実行。パラシュートを開くが上手く開かず、予備を使ってなんとか地上に無事に降り立つことができた。こうしてサラが死の運命から逃れたかと思われたそのとき、ペイソンが近寄ってくる。サラは悟った。これは、現実ではなく悪夢の方の世界だと。

その直後、サラは現実に戻る。飛行機から飛び降りたがパラシュートが開かず、そのままの勢いで地面にたたきつけられサラは死んでしまった。

サラの遺体にペイソンとクリスが近づいてきて、高度計を回収する。クリスがサラに言った「ペイソンの高度計をつけて飛べば命が助かる」というのは嘘だった。

ペイソンとクリスは車でその場を去っていく。ペイソンが実は空の悪魔ラニスロであることがここで明らかになる。

感想

まさかの超自然的スリラーだった!

スカイダイビング中に起きるトラブルを描く現実ベースのスリラーかな?

最初の30分ぐらいはそう思って観ていました。

しかし、ダイビング中に人が忽然と姿を消すというまさかの事態が発生!なんと超自然的なスリラーだったのです。

何の事前知識もなしに観ていた映画で「えっそういう話だったの?」と驚かされることが好きな自分としては、ここまではかなりワクワクする展開です。

また、スカイダイビングでヘックスを行ったメンバーがのちに次々と死んでいくというそのあと流れもさらに良いです。

スカイダイビング中に人が消え、不可解な死が起こる。事情が一切把握できずいったい何が起きているんだ?と困惑させられる話運びが最高です。こういう超自然的な存在が登場するスリラー・ホラー映画ってそれがどんな存在なのかわからない方が想像が掻き立てられてより怖さが増します。

この映画を観ていて思い出したのはファイナル・デスティネーションシリーズ。姿かたちのみえない何かによって人々が死に追いやられる、この胃がモヤモヤする恐怖感はまさにファイナル・デスティネーションで味わったものでした。ファイナル・デスティネーションが好きな人なら観てみる価値があるかもしれません。

話を戻します。後半ではスカイダイビング中の失踪やその後の不自然死などの謎が明かされるわけですが、それまでの事情が把握できないゆえの恐怖感はここで消え、面白さも半減していきます・・・。しかも、その謎に関する設定がすこし複雑で、わかりづらいのも難点です。死の間際に現実と悪夢を行き来するという展開自体は面白いのですが、もっと整理してくれよ、と悪態をつきたくなります。

まとめますと、人々を食い物にする超常的な何かの正体がなかなか見えないゆえの恐怖感はぜひ味わってみてほしいポイントです。後半は、何かの正体が明らかになって面白さが目減りすることと、設定のややこしさが惜しいところでした。

ファイナル・デスティネーションが好きな方ならぜひ観てほしいです。さっき挙げた点に加え、飛行機の墜落もまさに1作目にありましたし、リサがタバコの火をつけて爆発が起きて死ぬシーンなんてファイナルデスティネーション的事故死描写そのものです。おそらくこの監督はファイナルデスティネーションが大好きなのでしょう。・・・って、こんなこと書いてたらまたファイナル・デスティネーションが観たくなってきたので今日はこの辺で失礼します。

左がHEX、右がファイナルデスティネーションのジャケット。ファイナルデスティネーションのあの骸骨をモチーフにしています。