「アトラクション」映画感想ネタバレ(8/10点)遊園地で殺人鬼に狙われるスラッシャーホラー

今回は「アトラクション」を鑑賞しました。

遊園地に遊びに来た男女が殺人鬼に命を狙われるスラッシャーホラー。

この手の恐怖体験アトラクション系ホラーが個人的にツボでなかなか楽しめた一作です。

個人的な評価は8/10点です。

作品情報

監督:グレゴリー・プロトキン
出演:エイミー・フォーサイス、レイン・エドワーズ、ベックス・テイラー=クラウス
原題:HELL FEST
製作年:2018年
製作国:アメリカ
リリース:2021-07-21
上映時間:89分
映画サイトでの評価:「IMDB」5.5/10点、「フィルマークス」3.0/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)
ハロウィンの日。移動遊園地で行われる恐怖体験イベント、ヘル・フェストにナタリーやその友人たち計6人のグループが参加する。

その遊園地に本物の殺人鬼が入り込み、目を付けた女性の後を追って、お化け屋敷の中に入る。そのお化け屋敷のなかを進んでいたナタリーたちが殺人鬼が出くわす。

ナタリー達は女性が殺人鬼に殺される場面を目撃することになるが、それも演出のうちだろうと助けることなくその場を後にする。

殺人鬼はナタリーを次のターゲットに選び、彼女のあとをつけまわし始める。また、ナタリーと一緒にいた友人たちも命を狙われることになる。

ナタリーの友人たちが次々と殺人鬼に殺されていき、生き残ったのはナタリーとブルックのみ。

ふたりは、襲い掛かってくる殺人鬼の腹を刃物で刺してその場から逃げ出す。そこへ警察が到着しふたりは保護される。

一方、殺人鬼はそこから姿をくらまし、その後、何事もなかったかのように娘のいる自宅に帰る。

感想

・恐怖体験アトラクションホラー好きとしては満足度高めな一作

移動遊園地を訪れた男女のグループがマスク姿の殺人鬼に襲われるというスラッシャーホラー映画。

「主に若者がお化け屋敷や恐怖の館などの恐怖体験施設で本当に命を狙われてしまう」という、ホラーとしては定番の恐怖体験アトラクションモノです。

若干の中だるみは感じましたが、遊園地のワクワク感、舞台を活かした驚かせ方、殺人シーンのグロさなど良い点が多くなかなか楽しめた一作でした。

本作でまずよかったのは、舞台となる遊園地のワクワク感ですね。遊園地自体がかなり大規模でその中で様々なイベントが行われていて、いろんなお化け屋敷もある。もうそれだけでワクワク感があるし、ここでのちに惨劇が起こるのかと思うとさらにテンションが上がってきます。また、テイラーというひょうきんな女性キャラが全力でイベントを楽しんでいるのをみるとこちらまで楽しくなってきます。

ちょっと話は変わりますが恋人一歩手前の主人公ナタリーとギャビンが遊園地で遊んでいるシーンのぎくしゃくしたやりとりは見ているこっちが気まずくなって来るほどで、このあたりのキャラの肉付けも丁寧だなと思いました。ギャビンが殺される場面をみて感じるハラハラ感は「ナタリーとイイ感じになっていたのに…」という無念さがあるからですね。最初の犠牲者がギャビンというのもなかなか鬼畜だなと思ったりもしました。

恐怖小屋という舞台をうまく生かして恐怖をあおってくる点も素晴らしい。主人公グループは恐怖小屋に入りモンスターなどに扮した演者に驚かされるわけですが、犯人がそのなかに混じっていつ襲い掛かってきてもおかしくないからずっと恐怖感があるわけです。つねに気が抜けず緊張感が途切れないようになっています。なかでもナタリーが一人でコースターに乗っていてそこにマスク姿の人間が現れるシーンなんかはとてもいい。ナタリーが乗っているコースターにマスクの人間も乗っかって出てくるところはシュールな面白さ、怖さなどいろんな感情がわいてくる名シーンだと思います。

主人公グループが一人一人殺人鬼に殺されていくわけですが、ちゃんと殺されるところを見せてくれてそのどれもがグロいし、痛そうでとても良いと思います。でかいハンマーで頭、グシャとか、目にナイフ、ズブとか。特に良かったのはギロチンですね。実際にギロチンで殺されるわけではなく、ギロチンの刃が首に落ちてくるのですが刃が鋭利になっておらず首に数センチほどめり込んで止まるという描写です。首が一気に落とされるよりも痛そうに感じるイヤな描写ですね。

中盤あたりでは中だるみしてくる場面がありました。みんなでお化け屋敷を巡っている場面あたりですね。ギャビンが殺されて以降、次の犠牲者がでるまでにそこそこ時間がかかっています。お化け屋敷のモンスターたちに驚かされる描写でタメを作っているという言い方もできますが、もう少しテンポよく展開していってほしかったところです。

※重要なネタバレあり

オチも切れ味があってよかったです。殺人鬼が自宅に帰るとそこにはそれぞれ別種のマスクが何枚も置いてある。この殺人鬼は何度も同じような方法で殺人を繰り返していたことがわかります。しかも家には幼い娘もいて、どうやらこの殺人鬼は良き父親でもあるっぽいことが示されます。なかなかイヤなオチになっています。

まとめ

わくわく感のある恐怖体験アトラクション・スラッシャーホラーという感じです。

若干中だるみは感じるものの、ちゃんと恐怖感も味わえますし、遊園地自体が持つ高揚感もあります。殺される場面をしっかりと映してくれるのもイイです。

というわけで評価は8/10点としました。

ここからは余談ですが、このタイプのホラーって過去にもたくさん作られていて、以下のような作品の感想記事を書いています。

モンスター・フェスティバル
ヘルアトラクション 絶叫館
ザ・ハロウィン
トラウマ・ゲーム 恐怖体験アトラクション
ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷

この中でおすすめは「モンスター・フェスティバル」と「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」ですね。

「モンスター・フェスティバル」は本作と同じく遊園地が舞台で絵的には非常に似ています。ホラー映画のメタなネタが多数登場するメタホラーなのでホラー映画好きなほど楽しめるのではないかと思います。

「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」は過激な描写は少ないけど、そこが逆に「このレベルなら現実世界のどこかにありそう」と個人的に感じて、そこが気に入った理由です。キャラの立たせ方とか、演出のキレとかもよくてそこそこ金をかけて作られたことが伝わってきます。

もし本作が気に入ったら上記の作品、特に「モンスター・フェスティバル」がおすすめです。

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