「ハイルシュテッテン ~呪われた廃病院~」映画感想(ネタバレ)Youtuberが廃墟で肝試しするPOVホラー


ハイルシュテッテン〜呪われた廃病院〜(字幕版)

「ハイルシュテッテン ~呪われた廃病院~」は2018年のドイツ製POVホラー映画。

結末までのネタバレを含むのでご注意ください。

作品情報

監督:マイケル・デイビット・ペイト

キャスト
ゾンヤ・ゲルハルト
ティム・オリバー・シュルツ
リサ・マリエ・コロール
エミリオ・ザクラヤ
ティミー・トゥリンクス

原題:Heilstatten

製作年:2018年

製作国:ドイツ

上映時間:89分

感想

youtuberが出て着て大騒ぎする箇所など面白いところは多いが、全体的には平凡な作品に…。

ベルリン近郊にある悪名高き結核患者療養所・ハイルシュテッテン。その廃墟で、あるYouTuberグループが“24時間肝試しチャレンジ”に挑むというファウンド・フッテージが開始されるのだが…。

※【重要なネタバレなしの感想】とその後【重要なネタバレを含む感想】が続きます。

youtuberがかつて結核患者療養所として使われた建物に侵入し肝試しをしながらその様子をカメラに収めていく、というPOVスタイルのホラー映画です。

POVホラーとしての出来は?

まずは、純粋にPOVホラーとしての出来について書いていきたいと思います。手持ちカメラで撮影されたPOVの特性を生かした撮影方法やカメラワークが多用されており、結構ビビらされた箇所も多く満足度は高めです。例えば、撮影者が自分にカメラを向けているときその背後に霊が唐突に映る、という箇所。ベタな演出ではありますが霊の映るタイミングやSEによってしっかりと驚かせてくれます。一般的なカメラではなく熱感知カメラによる撮影も所々挟み込まれており、その色味の独特さが不気味さを醸し出しておりゾッとする恐怖感がありました。あとは、顔が血で真っ赤に染まった状態の撮影者が自分の顔にカメラを素早く向けたことで、画面に真っ赤の顔がドアップで映って思わずギョッとしてしまいました。細かいあたりですがなかなかの丁寧な演出と言えるのではないでしょうか。逆に、POVスタイルであることの弱点も目立ちました。「なぜ、危機的な状況でもカメラを手放さず撮影を続けているのか?」これは多くのPOVホラーでツッコミどころとして挙げられることであり、製作者側は「カメラについているライトを使っているだけでカメラでの撮影が目的ではない」という理由付けをしていることが多いです。本作もまさにこの「ライトが必要だから」で不自然さを解消しようとしていました。この理由付けには若干引っ掛かるところもありますが、POVホラーを多く見るうちにあまり気にならなくなってきました。ただ、それにしてもまだ違和感が残るシーンがあります。それは、霊から逃げる場面で自分の顔にカメラを向けるシーン。ライトが必要でカメラを使っているんだったらなぜ自分の顔を照らす必要があるのか?ライトで常に行き先を照らしていたほうがいいと思うのですが。あと、一息つく場面でカメラを自分が映るように置くシーン。ここも製作者側の意図を感じてしまい気が散ってしまうところです。

軽薄なyoutuberが出てくるけど…

僕は軽薄なyoutuberがでてくるホラー映画が大好物でありその点で本作にはある程度高い評価をつけてしまいます。ドッキリTVというチャンネルを運営するコンビyoutuber、フィンとチャーリーが序盤から飛ばしていて最高です。彼らはいたる所に侵入してはそこで24時間過ごすという動画を製作しており、遺体安置所に侵入してマルバツゲームをするところは不謹慎すぎる(笑)。さらに、安置されていた死体を保管場所から引き出し一緒に記念撮影して、こともあろうか楽しそうに死体がクサイと言う始末。死体安置所にある死体を前にしてクセェと言ってしまう映画あんまり観たことないですよ…。ところで、こういう場所で安置されている死体って実際にクサイのだろうか…。そんなこと考えたこともありませんでしたが改めて考えてみると本当にクサイのかもしれない…とかいろいろ考えがめぐってくる結構嫌な描写ですね。このコンビyoutuber、序盤でこの調子ならこの後も期待できぞ!とワクワクしながら観ていたわけですが、正直死体安置所のシーンがピークだったかな…。いや、チャーリーの方は最後のほうまで軽薄キャラを貫いてくれるのですが、フィンのほうがハイルシュテッテンで肝試しを始めてわりとすぐにまじめキャラになってしまうのです。いや、もともとはまともなヤツで、動画の再生数を求めるあまり現在のオチャらけたスタイルになった、と言ったほうが正しいかもしれません。いずれにせよyotuberが大騒ぎするシーンは僕の期待度より少なめとなっており少し残念に感じました。


重要なネタバレあり


余計なキャラ多すぎ…?

本作は登場人物が多いわりに役割がいまいちハッキリとしないキャラが多く、そのせいでストーリー自体も薄められているという印象です。まず、何の役割かわからないキャラが2名ほどいます。そして、上記したようにフィンというおちゃらけyoutuberが急にまじめになってしまいます。まじめになったからと言ってそこで興味深いドラマが生まれるわけでもなく…。テオという元恋人に未練があり肝試しに参加したマーニーという女性キャラが最後まで生き残ることになるため一応の主人公と言えるかもしれませんが、それにしても目立たないキャラです。オチを考えるとテオ、そしてテオと因縁のあるフィンの対立をメインにしたほうがストーリーがわかりやすくメリハリもついたかなと思います。オチというのは、実は肝試し中に起きたすべての霊現象はテオが仕組んだものだったというもの。彼は肝試しでほかの人間がビビる姿を映した映像、そして彼自身が拳銃自殺をした映像を一本の動画にまとめyoutubeで公開するのが目的でした。動機についてはイマイチはっきりしませんがテオはフィンとは昔なじみでもともとふたりは一緒に動画制作をやっていたが途中からフィンはチャーリーと組むようになってテオとしてはそのあたりに不満があったらしい。だから、このテオとフィンの確執をもっとしっかりと描いたうえで、すべてはテオの仕業だったという例のどんでん返し展開を迎えたほうがもっと効果的だったのではないでしょうか。

総評

はっちゃけたyoutuber描写があるのでそこそこの満足度があります。ホラーとしてもビビることができる箇所もあり見ごたえはありました。というわけで評価は7/10としました。

ストーリー紹介

ベルリン郊外にある結核患者療養所“ハイルシュテッテン”。現在は廃墟となり観光での立ち入りは禁止となったその建物に肝試しをしようと若者のyoutuberたちがやってきました。

メンバーは現場のことをよく知るテオ、そして彼の手引きのもとついてきたチャーリーとフィンのコンビyoutuber、その他、ベティやエマ、そして元恋人であるテオに未練があるマーニーなどです。

何カ所にもカメラを仕掛けて回る一行ですが、やがてベティが血まみれの女性の霊を見て大騒ぎに…。テオによるとベティのみたそれは過去にそこに入院していた患者106号という女性で、ひどい仕打ちを受けたため病院自体を呪ったのだといいます。その後、彼女はこの建物で殺されてしまっています。

その後も霊による怪現象は続き、連れ去られる者、殺される者などが続出。そんななかマーニーはなんとか霊に捕まらずあちこちを逃げ回っていました。と、その最中、霊に連れ去られたはずのテオを手術室のような場所でを発見。その傍らには霊のメイクをした女性(イリーナ)もいました。そして、手術台にはチャーリーやフィンが寝かされており、次々とテオによって痛い目に遭わされていきます。なんとこれまでの霊現象はすべてテオがでっち上げた嘘だったのです。

テオはマーニーを発見し、建物の外まで追いかけますが逃げられてしまいました。テオは建物に戻り、イリーナにこれまでの肝試しの映像を編集し一本の動画にまとめyoutubeにアップロードするよう指示。そして、カメラを回しながら拳銃で自殺してしまいます。イリーナはその映像も含めた一本の動画を作りyoutubeにアップロードしました。

おわり

参考サイト:ゲオ宅配レンタル/Amazon


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