今回は2020年12月2日にリリースされた「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」を鑑賞しました。
若者たちが立ち寄ったお化け屋敷でほんとに恐ろしい目にあってしまうホラー映画。
「恐怖体験アトラクション」が題材のホラー映画としてツボを押さえた作りでそこそこ楽しめますが、物足りないところもありました。
さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。
「ストーリー紹介」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。
あらすじ
ハロウィンの夜、郊外のお化け屋敷に出掛けた6人の大学生。携帯電話を預けて入場すると、残虐なショーを目撃する。そこは殺人鬼が作った真のホラーハウスで…。
スタッフ・作品情報
監督:
スコット・ベック
ブライアン・ウッズ
原題:HAUNT
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:92分
キャスト
ケイティ・スティーブンス
ウィル・ブリテン
ローリン・マクレーン
映画サイトでの評価
海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中6.3点(20223件の評価)。
国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中3.1点(51件の評価)。
ストーリー紹介
※まずは重要なネタバレなしで行きます。
・ハロウィン当日。女子大学生のハーパーは友人たちと一緒にとあるお化け屋敷に遊びに行く。
・そのお化け屋敷は人を痛めつける演出や雰囲気のある内装があまりにもよくできえいた。
・そのことに驚きつつもスリルを楽しんでいた一行だったが、そのお化け屋敷は本当に人に危害を加え最終的に殺してしまう場所だったと判明。
・ハーパーの友人たちが次々とお化け屋敷の仕掛け人に殺されていく。
ここから重要なネタバレあり
・ハーパーはネイサンとともにお化け屋敷から逃げ出す。
・後日、ハーパーを殺そうと彼女の自宅にお化け屋敷の仕掛け人がやってくる。
・ハーパーはそれを事前に予測しおり、お化け屋敷にあったのと同じトラップを設置したうえでその仕掛け人を出迎えた。
ここでエンディング。
感想
ジャケットにはお化け屋敷のマスクをかぶった脅かし役の一人がデカデカと映っています。
たまたま訪れたお化け屋敷で繰り広げられる殺人ショーが実は本当の殺人だった!というホラー映画。僕の好きな「恐怖体験アトラクション」系ジャンルの一種です。お化け屋敷やら見世物小屋などの恐怖体験ができるアトラクション施設で本当の殺人が行われていた、というやつですね。このブログでレビューした中では以下のような作品がこのジャンルに当たります。
・「トラウマ・ゲーム 恐怖体験アトラクション」
・「ヘルアトラクション 絶叫館」
・「モンスター・フェスティバル」
恐怖体験アトラクションホラーのツボを押さえた作り
この手の映画が面白いのは、恐怖アトラクションをワイワイキャッキャとはしゃいで楽しんでいた人物があるポイントから本当の恐怖を味わうことになる、その「ギャップによる怖さ」。
そして観客にとっても身近な存在であるアトラクション施設を起点に恐怖体験が描かれるため観客がその恐怖を「自身に起こる恐怖」として捉えやすいこと。
以上の2点がこのジャンルの面白さかな、と。
一方、僕はこの手のジャンルには大きな弱点もあると思っています…。かっちり制御された舞台が用意されていてその中で襲われ殺されていくのでどこか手のひらで踊らされている感じがつきまとうというか…。もっというと、映画のフィクション性が強調されて「どうせこの映画作りもんやし…」としらけてしまう・・・。
…と、このように良い面も悪い面もある「恐怖体験アトラクション」ホラーですが、その中でも本作はいい出来の方だと思います。この手の他の映画に比べて明らかに予算が多く色々と作品を練る時間もあったということでしょうか。僕が上で挙げた良い点に関してはしっかりと作り込み、悪い点はある程度カバーされていると感じました。
まず何よりも、そこが本当に殺人が行われるお化け屋敷であると主人公たちが気づくまでにしっかりとタメがある。また、残虐描写がマイルドなことや殺人鬼が強すぎないこともリアル感があって「こんなお化け屋敷なら世界のどこかに実在しそうだ」とギリギリ思えて観客にとって身近に感じられる点もよし。最初、残虐描写がマイルドなのは苦手な人への配慮プラス年齢制限をできるだけ避ける意図があるのかと思っていましたが(実際その意図もあるとは思うけど)どちらかというと上述の理由によるものかなと思いました。
フィクション性が強調されてシラケる問題もお化け屋敷の脅かし役に脱出を手引するキャラや実は乗り気じゃないキャラを配置し意外性をだすことで予定調和感を払拭してある。
少し気になるところも…
この手のホラーの良い点を伸ばし悪い点をカバーしている本作ですがそれでもちょっと物足りないと思った部分もありました。まずは上にも書いた残虐描写ですね。他の映画ならもっとエグい感じの描写を拝めますが本作はそこが弱い。あとは殺人鬼がガチで殺しに来てないように見えて彼らがそこまで怖く見えない点。顔にインプラントしたりして見た目はいい感じに狂っていてイイのですが、ただそれだけですね。
総評
「恐怖体験アトラクション」モノとしては良い出来の方の作品。残虐描写がマイルドなのは残念ですが、そのマイルドさが逆にリアル感があり「このお化け屋敷、どこかに実在しそうだ」と思わせてくれる。殺人鬼たちが強すぎないのも同じくリアルに見せる演出かなと思いました。このように良い面悪い面がトレードオフの関係で成り立っている作品だと感じました。
ということで、評価は8/10としました。
参考サイト:ゲオ宅配レンタル
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