「ガール・オン・ザ・サード・フロア」映画感想ネタバレ(9/10点)やたらと汚いハイテンションなホラー!

今回は「ガール・オン・ザ・サード・フロア」を鑑賞しました。

ドンは田舎町に購入した古風な家を購入し、改修を始めるがそこで怪奇現象が起き始める…というオカルト系ホラー映画。

後半のハイテンションな恐怖描写のつるべ打ちが見どころの作品で、個人的にはかなり楽しめました。ただ、とにかく汚いので生理的に受け付けないという方もいるとは思います。

個人的な評価は9/10点です。

作品情報

監督:トラヴィス・スティーブンス
出演:フィル”CMパンク”ブルックス、トリエステ・ケリー・ダン、サラ・ブルックス、エリッサ・ダウリング、カレン・ウォディッチ、トラヴィス・デルガド、マーシャル・ビーン
原題:GIRL ON THE THIRD FLOOR
製作年:2019年
製作国:アメリカ
リリース:2021-02-10
上映時間:92分
映画サイトでの評価:「IMDB」4.6/10点、「フィルマークス」3.2/5点。

ストーリー紹介

ストーリーの流れを知りたい方はこちらをクリックしてください。(ネタバレを含みます)

ドン、リズの夫婦はこれから生まれてくる子供と一緒に住むための古びた一軒家を購入。

ドンは妊娠している妻のリズを前の家に残し、一足早く引っ越ししてきて家の修繕を行うことになる。

家の中で気に入らなかった部分のリフォームを行っていたドンだったが、取り壊した壁から女性ものの服やカツラが見つかる、粘度の高い液体がシャワーから出てくるなど不可解な出来事に遭遇する。

そんなある日、家の敷地にサラという謎の女性が現れドンはサラと一夜を共にすることになる。

その後も、サラは何度も家を訪ねてくる。一晩だけの関係のつもりだったドンは正直に妻と子供がいるからもう家に来るなとサラに告げる。

その後ドンの飼い犬が何者かによって殺される事件が発生。ドンはサラを犯人だと疑い彼女を後ろから殴り殺してしまう。

しかし、サラの死体は忽然と消え、彼女は再びドンの前に現れる。異様な姿をした別の女性もどこからともなく現れ、彼女たちによってドンは痛めつけられることになる。

その後、リズがその家に引っ越してくる。サラはリズの前にも現れ、かつてその家で起きた出来ごとを語る。

そこはもともと売春宿で、サラはそこで行われるショーのスターだった。しかしある日サラは死亡してしまう。しかし、その遺体は墓には入れられず、その宿の壁の中に隠されてしまう…。

リズは、サラや謎の女性が迫ってくる中その家から何とか逃げ出す。

そして、後日その家を改めて訪れサラの遺体を見つけ出し、墓へ埋葬する。

月日は流れ。リズは赤ちゃんを出産しその家でひとりで育児を始める。

ある日、赤ちゃんがベッドで一人になったところで天井裏からドンが赤ちゃんの方を見ていた。

感想

・古風な家に引っ越してきたはイイが…

古風な家を購入し引っ越して来たらそこで怪奇現象が起こり始め…という導入部分はオーソドックスなホラー映画という感じ。

得体のしれないブツが壁の中から見つかったりするなど、気味の悪さもあって呪われた家ホラーとしてもいい出来です。

主人公のドンがどこからともなく現れた女性と一夜を共にしたあたりの後半パートからは、それまでの落ち着いたゆっくりめのトーンから一転し非常にハイテンションなムードに。それまでにもあったきったない液体噴出描写が頻出するようになっていき、さらに、壁の中に脈打つ肉片あるいは人の顔を発見したりと、あたかもその建物自体が一つの生物のような描き方でなかなか面白い。見ていて圧倒される(あるいはドン引きする)こと間違いなしですね。ドンに襲い掛かる顔が欠損したモンスター風女性のルックスも最高で、幽霊的ではないのにちゃんとゾッとする怖さがある。ぜひみんなにこのキャラの怖さを味わってほしいところです。

間違いなく面白い映画なんですが、前半は少しテンポが遅く退屈したのも事実。でもそれは超絶展開の後半を見たあとだからともいえるかな。

あと、飼い犬に塩対応をする主人公のドンは好きになれないないですね。まぁそもそも共感できるキャラにしてないということでしょうが。どちらかというとドンのクソ野郎っぷり、滑稽さを笑ってくださいというキャラ造形でしょうか?

ドンの飼い犬に対する塩対応は彼のクズっぷりを表す描写だとして、犬があんな目に合う必要はあったのでしょうか。かなりひどい目に合っていて思わず目をそらしてしまいました。この監督、猫派か…?

まとめ

オーソドックスな呪われた家ホラーとしてみせつつ、汚い液体や異形の女性、それ自体が生き物に見える家など、そこに監督のやりたかったことをぶち込んでみたというサービス精神旺盛な映画です。ちゃんとホラーとしても怖いけど古典怪奇映画テイストも感じる演出なども見どころの一つですね。主人公のドンは好きにはなれませんが、彼のルーズでダメな奴さ加減は笑えるのでよしとします。

とにかく汚い描写が多いのでそういうのが苦手でなければお勧めできる一作です。

というわけで評価は9/10点としました。

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