今回は2018年9月5日に・リリースされた「ディープ・ブルー2」を鑑賞しました。
海洋研究施設でサメに襲われる「ディープ・ブルー」シリーズの2作目。
1作目と比べると、エンタメとしての面白さは激減していました。ただ、別の面白さもあった作品ではあります。
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さて、本記事の前半は、あらすじ・スタッフ・キャストの紹介をします。そして、後半の「ストーリー紹介」「感想」へと続きます。
「ストーリー紹介」「感想」コーナーでは、ネタバレなし・ありで分けています。ネタバレを避けたい方はネタバレなしの部分を見ることをおすすめします。
あらすじ
製薬会社は海底の実験施設での研究を再開するが、薬物によって巨大化したサメたちは賢さと素早さと凶暴さを増し、人々に襲い掛かる。
スタッフ・作品情報
監督:ダリン・スコット
原題:DEEP BLUE SEA 2
製作年:2018年
製作国:アメリカ
上映時間:94分
キャスト
ダニエル・サブレ
ロブ・メイズ
マイケル・ビーチ
キム・シスター
映画サイトでの評価
海外の映画サイト「IMDB」での評価は10点中3.3点(6120件の評価)。
国内大手レビューサイト「フィルマークス」では5点中2.4点(218件の評価)。
ストーリー紹介
※まずは重要なネタバレなしで行きます。
主人公はサメの研究・保護活動を行うミスティ。
彼女はある製薬会社に雇われ、海上研究施設にやってきます。その施設では、製薬会社の経営者・デュラント指揮の元、サメの研究が行われており、その目的は人間の記憶力、集中力、決定力の向上を促す向知性薬を開発すること。デュラントは、近い未来に高度化したコンピュータが暴走し、人類を滅ぼすという懸念を抱いていて、向知性薬で人間の知能を向上させそれに対抗しようと考えていました。
そんな話をデュラントがミスティや雇われたほかの科学者たちに聞かせていたころ、施設においてあった燃料タンクがボートによって倒され、漏れ出してしまいます。その後、大きな爆発が起こり、施設に亀裂が入り、そこから水が流れ込んできます。燃料を漏れ出させたのは、そこで飼っていたサメです。サメに対して実験が行われた結果、知能が向上し、このような行動を起こしたのでした。
ミスティたちは、次第に水で満たさていく施設から海上に出ようと上に進み始めます。その間にも、あるサメから生まれた子ザメたちに襲われ、命を落とすものが出ます。
ここから重要なネタバレあり
ミスティを含め何人かは海上まで脱出することができました。しかし、施設が沈み始めたため近くにあったボートまで泳ぐことに。その際、デュラントがサメに食われてしまいます。
ボートにたどり着いたミスティたちでしたが、そこへサメが襲い掛かってきます。ギリギリのところで、信号弾を撃ちサメを撃退。施設にはまだほかのサメが残っていたため、あらかじめ仕掛けておいた爆弾で施設を破壊しました。
ここでエンディング。
感想
※まずは重要なネタバレなしで行きます。
海洋研究施設でサメに襲われるモンスターパニックアクション映画。1999年公開の「ディープ・ブルー」の続編。
「ディープ・ブルー3」がリリースされたので、1作目、2作目と続けて鑑賞。1作目は非常に面白い作品で、2作目である今作にも期待していましたが、残念な出来というしかありません。
1作目との比較
1作目の最大の魅力だった「モンスターパニック×脱出劇」という設定は引き継いでいるにもかかわらず、こうもつまらない作品になるのかとガッカリします。予算がかなり減っていて、施設の作りこみがとにかくしょぼいのが一点。1作目に出てくる施設は上下にも広がりを感じる面白味のある構造をしていましたが、そういうギミック的な面白さは今作にはありません。ただ、薄暗い廊下を右往左往して最後はサメに食われるというだけ。母ザメから生まれた子ザメが襲ってくるというのが1作目にはない要素で、「2は子ザメが最大のウリなんだな!」と期待するわけですが、子ザメを出したところでとくに面白くなっているわけではない。それどころか、子ザメが人間を捕食している場面が水中で、一切見えないため、逆につまらなくなってないか、これ?そういえば、海上に露出している施設のカットは笑ってしまうほどしょぼく、予算のスケールダウンを象徴しています。このカットを何も取り繕わずに堂々と見せた潔さは素晴らしいですが。
1作目と比べて2作目の良さというのもあります。それは思わず笑ってしまう面白シーンの数々です。まぁ、監督が意図して笑わせようとしたかどうかわかりませんが。たとえば、製薬会社のオーナーであるデュラントが自社のクスリをキメるときに化学式やらなんやらの難しい式や数字がオーバーラップするという演出。これ明らかに笑わせに来てるだろと一瞬思うんですが、いや真面目に演出した結果かもしれないという余地を残す微妙なバランスであり、僕はこういうギャグかどうか微妙なラインの笑いが大好きです。ほかにもこういう微妙な笑いは続きます。これまたデュラントが「サメは薬の開発が終わったら始末する」という話をしているところを、窓越しにサメが見ているというシーン。知能の高いサメという設定だから人間の言葉を理解できてもおかしくないけど、やっぱり吹き出してしまいます。あとは、主人公のミスティが「普段着もウェットスーツも、チャックは上まであげないスタイル」という細かいキャラ設定。そして、マイクが施設からサメのいる危険な海に唐突に出ていくことそれ自体も勢いがあって面白い。さらに、実際にマイクが海を進んでいく場面を海中にある窓越しにとらえたショットも、「何やってんだこいつ」感があって笑ってしまう。
2作目はデュラントのキャラも良かったですね。破天荒でぶっ飛んだ経営者というキャラは面白い。近い将来に、コンピュータというかAIが人間を滅ぼすと考えており、人類がそれに対抗するには、知能を向上させる薬の開発が急務であるとして、こうしてサメの研究をしているわけです。個人的には、AIが人間を滅ぼす系とか技術的特異点とかそういう話が好きなので、彼の新薬開発の目的を聞くのは楽しかった。
ここから重要なネタバレあり
オチは残念
オチは正直盛り上がりに欠けます。ボートの上から信号銃でサメを撃って倒すんですが、いつの間にか信号銃を手に取り発砲したような描き方なので取ってつけた感があります。「信号銃だったら倒せるかもしれない!」という前振りを入れて、サメに襲われるぎりぎりで信号銃を見つけて間一髪で倒すとか普通ならすると思うんですが。一応、オープニングで信号銃を撃つシーンがあるのでここが前振りか?それにしても、わかりづらいですが。最後はほかにも施設にサメが残ってるからと前もって設置してた爆弾で施設ごと爆破。これも、超投げやりに見えますが、一作目のサメ爆破をなぞっていると考えればこのオチもありかなと思います。
総評
1作目が超面白いので期待していましたが、ダメダメな映画でした。前作と見比べて、「このへん、1作目を踏襲してるな~」とかいう観かたをすればまぁそこまで退屈ではないかもしれません。
ということで、評価は7/10としました。
参考サイト:ゲオ宅配レンタル
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