今回は「クライシス」を鑑賞しました。
オピオイドという鎮痛薬による依存症が大きな問題となっているアメリカの姿を3人の視点から描く社会派ドラマ映画。
実録風なのか淡々とした展開が続き退屈さを感じるものの、熱いドラマでもあるのでそこそこ楽しめたという印象。
個人的な評価は7/10点です。
作品情報
監督: ニコラス・ジャレッキー
出演:ゲイリー・オールドマン、アーミー・ハマー、エヴァンジェリン・リリー、グレッグ・キニア、ミシェル・ロドリゲス、ガト・ナドン、ニコラス・ジャレッキー
原題:CRISIS
製作年:2019年
製作国:アメリカ
リリース:2021-08-04
上映時間:119分
映画サイトでの評価:「IMDB」6.1/10点、「フィルマークス」3.2/5点。
ストーリー紹介
感想
・悪くは言いづらいヤツ
オピオイドという鎮痛薬の依存性が大きな問題となっているアメリカの姿を3人の視点から描いた社会派ドラマ映画。
現実にある社会問題を取り扱った作品でエンタメ度は低めになっています。悪くない映画ですが退屈する場面も多いです。
鎮痛剤の密造・密売組織に潜入捜査を行う男(ジェイク)、鎮痛剤がらみで死んだとされる息子の死の真相を追う母親(クレア)、認可前の鎮痛剤に危険性があることを知り告発しようとする大学教授(ブラウアー)。この3人の視点からストーリーが語られていきます。
ジェイクとクレアの物語は途中からつながっていきますが、ブラウアーは単体の物語になっています。
現実の問題を取り扱った作品らしく、非常に落ち着いた語り口というか…。あえて、盛り上がりを抑えた作りでエンタメ度は低めになっています。たとえば、潜入捜査モノでよくある自分が捜査官であることが相手のギャングにばれるかどうかをめぐるサスペンスもないし、バイオレンスな描写もほぼなし。クレアの息子が死んだといっても実際に殺されるシーンもなし。クライムアクション的な内容を想像している方はガッカリするかもしれません。
キャラの掘り下げはしっかりしているという印象で、ジェイクには薬物依存の妹がいて、彼が麻薬組織を壊滅させたいという強い思いが伝わってきますし、クレア自身もオキシコドンの中毒者でそのオキシコドンの過剰摂取で死んだとされる息子の死の真相を探る姿は鬼気迫るものがあります。僕が特に良かったとおもったのは、ブラウアーの話。彼が巨大な製薬会社に立ち向かっていく姿はやはり胸が熱くなります。大学を解雇された彼が別の大学で働くことになったというラストシーンは思わずウルっと来てしまいました。
ただ、3人それぞれの物語が並列して語られていくため、展開にぶつ切り感があり、感情がそのたびにぶつ切りにされてしまうのは難点かなと思います。
まとめ
マジメな題材を扱ったエンタメ度低めの社会派ドラマ映画という感じ。
現実の社会問題を扱った映画で、その問題について知ることができたのは良かったと思いますが、エンタメ度が低いために退屈な作品であるのも事実。
メキシコとアメリカの国境間で起こる麻薬戦争映画はよく見ますが、カナダ、アメリカ国境でのこういう話は珍しいかもしれませんね?
ミシェル・ロドリゲスが結構なチョイ役だったのも驚きだったので、ここに記しておきます。
というわけで評価は7/10点としました。
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