「THAT/ザット ジ・エンド」は2019年のアメリカ製ホラー映画。
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:エリック・フォースバーグ
キャスト:
アダム・エルシャー
ミカヴリー・アマイア
オードリー・ギッブス
サム・ラザルス
デイヴ・クレック
原題:Clown
製作年:2019年
製作国:アメリカ
上映時間:88分
感想
正直良いところが見つからず、観た後ゲッソリする映画でした…。
1994年、ネバダ州の砂漠地域にサーカス団がやって来る。しかし、彼らを悪魔の化身と見なした司祭が人々を扇動し、サーカスの団員を皆殺しにしてしまい…。
※重要なネタバレなしでいきます
しょぼめなピエロ映画
まず、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』を思わせるジャケットですが全く関係のないただの便乗映画です。さらに言うとその前編に当たる『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』に便乗した『THAT/ザット』という映画があり、本作のジャケットでその続編っぽい感じにしようとしていますが内容的には全然関係ありません。『THAT/ザット』が本作と同じくニューセレクトという映画リリース会社から出ているというだけです。もうここまでわけのわからない便乗をみるとネタでやっているとしか思えないのですが(笑)
まあそれはさておき本作「THAT/ザット ジ・エンド」ですが、正直良いところが全く見つからないダメダメな映画でした。個人的にそもそもの話ピエロにそこまで恐怖を感じないというか…。「陽気でコミカルなふるまいに対し、顔は白塗りでよくみると不気味だよね…」という部分がピエロ特有の怖さといえると思います。本作に出てくるピエロには陽気さがなく、ずっと暗くて怒りを溜めているようなキャラのためこれではピエロじゃなくても成り立つような気がします。
本作のもう一つの問題点は、魅力的な登場人物がいないことです。90分のホラー映画でキャラ描写をたっぷり掘り下げることが無理なのはわかりますが、キャラの立った人物を3人ぐらい用意してその3人をメインに話を進めるとかしたほうが感情移入もできたと思いました。本作は印象に残るキャラがおらず、彼らがどうなろうが別にどうでもいいかな…と思いながらみていました。無駄に登場キャラが多いのも問題です。話の軸となり物語を進めていく人物、つまり主人公らしい主人公がおらず、それぞれ別行動するキャラたちを何も考えずただ映しているだけのように見えます。一応、事の発端を作るデイヴィというキャラがいるにはいますが、別に彼が重要な役割を果たすでもなく…。ただ、彼は悪い意味でキャラが立っていました。音楽フェスに行く途中に、何もない田舎の道を仲間を置いてひとりでテクテク散策を始めるとか結構イカレてんな…と思いました。というか彼らはなぜあそこに車を停めていたのか?とか、全然説明がなく、しょっぱなで映画全体の作りのいい加減さを見せつけられた気分です。
このほかにもいい加減に作ってんだろうなというシーンは多い。たとえば、サーカスのアトラクションのような場所に入ってピエロに襲われることになるわけですが、カット同士のつながりがあまりうまくなく、おまけに画面が暗いので何が起きたかわからない場面が多々ありました。
敵役のピエロに関しては、そのひととなりと過去のトラウマ、そしてその先の狂気、のようなものを描いていますがなんせ雑なもんでこれが全然怖くない。顔つきはなかなか凶悪でよかったと思いますが。
総評
観るのが結構きつく、正直言うと3度ほど寝落ちしてしまいました。あまりお勧めしませんが物好きな方はどうぞ、という感じですかね…。
というわけで評価は5/10としました。
ストーリー紹介
車で音楽フェスに向かっていた少年少女たち。その途中で車を停めたところ、デイヴィという少年が勝手にどこかへと行ってしまいます。
残された一行はいつまでたっても帰ってこないデイヴィを捜しに行くことに。
仲間を放って辺りを散策していたデイヴィは、放置されていたと思われる野営サーカスを発見。そこの一角にあった“お楽しみ小屋”へと入ってみることにしました。あとからやってきた一行もデイヴィに続き中へと入っていきました。
そこにはソスというピエロが待ち構えており次々と少年少女たちを捕らえ始めます。その際、死んでしまう者もいました。
このソスは子どもの頃、親やサーカス団員とともにこの町にやってきましたが地元住民から命を狙われる事態に陥ります。多くサーカス団員はもちろん彼の母親もなくなってしまいます。ソスは子供の時に母親から言われた「ママが死んでもサーカスを続けてね」という頼みの通りこうしてサーカスを大人になっても続けていたのでした。
ソスから何とか逃げ続けていたオースティンは、隙をついて捕らえられていたデイヴィたちを助けます。そして、オースティンとデイヴィは時間を稼ぐためピエロに立ち向かうことに。
デイヴィはソスに首を切られ死亡。“お楽しみ小屋”が火に包まれる中、オースティンはその一角にソスを閉じこめ外へ出られなくしてしまいます。
サリーとサラの姉妹は無事脱出に成功し、その場から去っていきました。
おわり
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