「バックアウト・ロード アメリカで最も呪われた通り」
結末までのネタバレを含むのでご注意ください。
作品情報
監督:マシュー・カリー・ホームズ
キャスト:
エバン・ロス
ダニー・グローバー
ドミニク・プロボ=チョークリー
ヘンリー・ツェーニー
コルム・フィオール
原題:Buckout Road
製作年:2017年
製作国:カナダ
上映時間:96分
感想
ごちゃごちゃ詰め込みすぎてわかりづらい映画でした。
ニューヨークで不可解な死を遂げる事件が相次ぐ。精神分析医のパウエル医師は警察からに依頼により、捜査に協力することに。被害者たちは必ず悪夢を見ていて、すべてバックアウト・ロードという場所が関連していることに気づく。パウエル医師はその現場に向かうが、途中事故にあい命を落としてしまう。導かれるように孫のアーロンにも不可解な出来事が起こるようになる…。
設定が詰め込みすぎていてわかりづらい都市伝説ホラー
※【重要なネタバレなしの感想】とその後【重要なネタバレを含む感想】が続きます。
ホラーとしてショッキングな描写もあり、そこそこビビることができる映画ですが、無駄に設定を作りこみすぎていてわかりづらく、よほど集中して観ていないと一度で内容を把握するのは難しいんじゃないでしょうか。個人的には都市伝説を宗教と絡めただしたあたりからすべてを把握するのは辞めてしまいました。セリフだけで設定が語られる場面が多いとどうも観続ける気力がなくなってしまいます。
僕としては都市伝説系ホラーが大好物であり、その部分に関してはまぁまぁの満足度がありました。都市伝説系ホラーの好きなのは、登場キャラ同士が都市伝説について話をして盛り上がっている場面を見るとこちらもワクワクしてくるからです。本作にもちょろっとそういう場面が出てくるのでそのあたりは楽しく観ることができました。本作の場合、コメディ担当キャラも登場し笑える場面があるのも特徴です。笑えるシーンが多すぎると映画自体が怖くなってしまいますが、そこはきちんと考えられているようでここぞという場面に絞ってあり、なかなかのバランス感覚を持った監督だなと感じます。
重要なネタバレあり
肝心の都市伝説ですが、バックアウトロードという道というかそのエリア周辺で3つの悲惨な殺人事件があったという内容です。とある場所で車のクラクションを鳴らすと男2人に襲われたとか、魔女狩りが行われ3人の魔女が火あぶりにされたとか、これらを具体的に映像として見せてくれるわけですが別に怖くないですね…。あ、一カ所怖いところがありました。主人公が夢で過去に起こったこれらの都市伝説の映像を見るわけですが、妻が奴隷と不倫していたことに腹を立てた夫が銃をもって妻を銃殺しようとする場面で主人公が撃たれそうになるという場面は虚を突かれたうまいタイミングでこちらに銃が向くのでびっくりしてしまいました。まぁ思いつく限りだとこの一カ所だけかな…と。主人公の亡くなった祖父が主人公の前に現れるところも怖いですが、ここは都市伝説とは関係ない部分です。
総評
都市伝説系ホラーとして楽しいところもあるけど設定を無駄に詰め込みすぎてわかりづらく集中力が切れる場面も…。というわけで評価は6/10としました。
ストーリー紹介
全米有数の都市伝説の舞台として有名なバックアウトロード。
精神分析医のローレンスは、「自分はバックアウトロードに呪われている」と訴える女性患者を受け持っていました。後に、この女性はバックアウトロードで首をつって自殺してしまいます。ローレンスは、はじめその呪いを信じていませんでしたが、その後眠っている間にバックアウトロードにいたという双子が現れたため現地に向かい調査をすることに。しかし、ローレンスはバックアウトロードで交通事故を起こし死亡してしまいます。
ローレンスの孫であるアーロンは、ローレンスの患者だったクレオや先ほどの双子が自宅に侵入しているのを発見。彼女たちは大学の講義でバックアウトロードの都市伝説を調査をするなかで、都市伝説にまつわる悪夢を見たり夢遊病になったりしたのだと言います。そして、このままだと最終的に自分たちは自殺してしまうからとローレンスの家に侵入し手がかりを集めていたのでした。
その後、アーロンもバックアウトロードに関する悪夢を見るようになりクレオたちと一緒に呪いを解こうと行動を共にします。しかし、眠ったままバックアウトロードにたどり着いた双子がお互いの頭にオノを突き刺し死亡…。クレオの父で刑事でもあるハリスは、アーロンが娘を危険にさらしていると考え、町を出ていくよう命令。
その後、アーロンは呪いを解くためこっそりとクレオと合流。都市伝説の元となった3つの悲惨な殺人事件に夢を通して介入し、それぞれ殺人が起こる前に食い止めます。魔女狩りの現場に入り込んだ際、クレオは魔女が悪霊をこの地に縛っていたことを知ります。悪霊が解放されるためには5年ごとに5つの魂が身を捧げることが必要でした。つまり、5年間で5人がこの地で自殺する必要があるのです。
その後、クレオは魔女狩りをしていた男に刺されてしまいます。アーロンが目を覚ますとそこには腹から血を流したクレオがいました。
クレオの父ハリスはクレオが一命をとりとめたとアーロンに告げました。そして、このハリスは神の密使としてこの地で人々の命を捧げる手伝いをしている人物だったのです。ハリスはクレオの命を助けたければ自ら命を絶つようアーロンに迫ります。
それから数年後。殺人と殺人未遂で有罪となったアーロンは現在は精神病院へ入院していました。彼は今でも例の都市伝説の夢の中で殺人鬼たちと戦っていました。その日見た夢には、クレオが登場し彼女と共に現実世界へと帰るためふたりの殺人鬼と戦いはじめます。
コメント